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土曜日になると、いつも向かっていた体育館ではなく、ゼミ室へ向かうことに。そのドアの前まで行くと後ろから声がかかる。
「真本君じゃん!」
そう声をかけてくれたのは院生の戸崎さんと矢代さんだった。僕が来たことがうれしいらしい。・・・と思うのだけれど。
「ここでいいんですよね、森田塾」
「そうそう、大丈夫あってるよ」
そう言われ中に入ると何人かの同期と院生、そして4年生が数名いる。例によって机はコの字型にされ、中心には先生・・・ではなく、プロジェクターが据えてあり、それはノートPCに繋がっていた。
「・・・何か見るのだろうか?」
そう思っていると有るモノを手渡された。
「これは?」
やってきたのはスケッチブックとクレヨン。ずいぶんと懐かしい感じのするセット。それとノートが一冊。あとは鉛筆だった。マジックで名前が書かれていて「次もつかうからその時にもってきてね」とのこと。
やりとりが終わるとゼミ室にある人物がやってきた。
非常にデカい人。身長はゆうに190㎝はあるだろう。帽子をかぶっていて、作業着を着ている。一目でわかるのは院生でも学部生でもない。明らかに社会人の人って感じの人。
作業着の背中には森田研究室と書かれていて、4年生が来ているモノと同じ物。でもズボンはニッカポッカと呼ばれるとび職が履くようなものだった。
「どこか現場の人ですか?」
という疑問が出てきそうな感じもあったのだけれど、その人は何も言わないでゼミ室の角に座るとそのまま黙っていた。
するとどうやら僕に足りないものがあったらしく、その大きな人は
「真本君にあれ足りてないよ、渡してあげて」
というと、今度はそのまま院生と外に行ってしまった。
僕の森田塾が始まった。
#異世界
るるくらげ
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