ナチス「な、何だって?聞き取れなかったようだ。もう一度言ってくれないか?」
日帝「米帝のことがすき、…かもしれないんです。大っ嫌いな、はずなのに。」
ああ、…クソ、聞き間違いじゃなかったようだ。ここまで知りたくなかった情報ランキングの1位が目まぐるしく更新される日はなかったしきっとこれからもないだろう。
ナチス「………日帝、今ならまだ…聞かなかったことにできる。ほら、ここは酒の席だ。間違えてしまうこともあるだろう。」
日帝「いえ、大丈夫です。センパイになら知られてもいいし、むしろ隠している方が後ろめたいというか苦しいというか…」
日帝「……すいません。引きますよね。仲間が敵国にこんな思いを抱いているだなんて。」
ナチス「引くっていうか…なんというか…」
おまえじゃなくなったみたい。
……なんて言えないよな、日帝はきっと勇気を出して告白してくれたんだ。
変わらないじゃないか。前と。
酔うと怒りっぽくなるところも、イタ王に遊ばれたって気づかないところも、私にだけほんの少しこうやって弱みを吐露してくれるところも。
ただ、ただ、目の前の彼はアメリカのことを好きって言えるだけで。私の知ってる昨日までの彼はそんなこと絶対に言わないってだけで。
日帝はいつの間にかしゃがみ込んでいた。私もそれに合わせた。どうやら目尻に溜まった涙を悟られたくないようだった。
ナチス「…行こうか。イタ王が待ってる、あんまり遅いと、かえって怪しまれるかもしれないからな。」
日帝「センパイ、」
ナチス「安心しろ、誰にも言いやしないし、聞かなかったふりもしない、だから、」
日帝「センパイのことはずっと前から信用してます。
……こんなこと言ったら、センパイを困らせてしまうとわかっていたはずなのに…すみません。」
ナチス「お前が1番辛いんだろう?今くらいはそんな顔するんじゃない、今度また、話してくれ。な?」
なに、私だって罪滅ぼしの機会を窺っていたのだ。これがそうなるかは知らんが。
私は目の前で涙ぐむ男の目玉を乾かせばいいだけだ。世界征服に比べれば、そんなの楽な野望じゃないか。
イタ王「ずいぶんと遅かったねぇ。」
ナチス「積もる話があったもんでな。」
イタ王「ええ、ふたりだけで?ioもいるのに!」
ずるい〜!と口をとんがらせるイタ王を尻目に日帝にアイコンタクトを送る。こいつはなんだかんだ言って基本的にはいいやつではあるが、こういう話をするとうるさいし面倒臭い男なのだ。
イタ王「んで、日帝、ホントに大丈夫なの?傷ついたり、苦しかったら遠慮なく言ってもいいんよ。」
日帝「…大丈夫だ。こう見えて精神だけはタフなのだから、」
そう、とだけ返すとワインの最後のひとくちをぐいっと飲み込みまるで興味は失せましたという風に店内のタペストリーに目を移す。
一応イタ王にも心配する気持ちはあるらしい。が、裏切った手前あまり寄り添った風に振る舞うのは少々気が引けるようだ。
なるほど、奴も初めから心配はしていたしなんなら慰めもしたかっただろうがどの面だと思われるのが怖くてこんな態度をとっていたということか。まったく、つくづく臆病な男だ。
そこからしばらく他愛のない話をして(日帝の件は本人がやめにしようと言ったので今回は保留になった)、あの頃を懐かしんだ。
ナチス「あ、もう空か。もう一杯頼まないと…」
日帝「センパイ、それ何杯目ですかぁ?」
イタ王「ioが数えてる限りは5杯目なんよ。」
あれ、もうそんなに時が経ったか。
ナチス「そろそろお開きにするか?」
日帝「えぇ〜?まだ飲めますってもう一杯飲みましょ〜よ?」
イタ王「日帝もうベロベロじゃーん、これioたちが送らないといけない感じー?」
アメリカ「いや、俺が持ち帰るから大丈夫だ。」
ナチス「ああそれは助か、………え?」
な、何故アメリカが、かのレイプ魔がここに?
いや、それより日帝だ。このままだとまた日帝の身体がこいつに好き勝手されてしまう。
日帝「米…国…。」
アメリカ「日帝、俺はちゃあんと門限の時間を教えてやったはずだぜ?まぁいい。帰ろう、“俺たちの”家にな。」
ナチス「…アメリカ、いくら戦勝国だからといってこのような暴虐、許されたことではないぞ…。」
アメリカはふん、と鼻で笑い、冷酷な目で俺を一瞥した。あぁ、私だって思ってるさ。この悪名高きナチス・ドイツが他人の行為を暴虐だと指摘するとは。
酔いの抜けない日帝は腕を掴まれふらついてしまう。アメリカはそれを形ばかり紳士的に姫抱きし、暴れる日帝の唇に我々に見せつけるように口づけをした。
サングラスの奥の瞳と目があった。私をひどく睨んでいた。
イタ王「結局、連れ去られちゃったね。」
ナチス「……。」
アメリカは去り際にたしかこう言っていた。
「俺も忙しいんだ。なにしろこれから聞き分けの悪い猫チャンにオシオキしないといけないんでな。」
……きっと今頃あいつは抱かれているのだろう。「オシオキ」なんて名目で。
イタ王「また会えるかなぁ…。」
……絶対に会ってやる。この素晴らしき同盟の二度目の果てが変態ホモによって訪れた崩壊など私は絶対に認めん。
こんにちは、これからだるい作者の一人言が始まります。飛ばしたいひとは飛ばしてください。
超亀更新歯茎剥出鳥が異例のスパンで更新です。
ってことで最近筆が乗ってて調子にも乗ってるのでリクエストなんか募集しちゃったりなんかします。期限は決めたほうがいいかと思われるので、とりあえず熟考した結果キリよく11月までってことにします。
リクエストはできるだけなんでもっていいたいところですが中の人が純愛ハピエン過激派なので原則最終的に双方向の愛があるやつじゃないと書けないんですよ。(じゃあ上の文章はなんだってんだよ!!!!!)
ってことで強制的に(カップリング系の場合)らっぶらぶになるのでそれでよろしければどうぞおリクエストくださいな。エロも全然書けると思います。期待はしないでください。
カプは何でもいいです。シンプル国でも都道府県でも海外の州や省などでも全然何でもいいです。
最後に、ものすごく消化が遅れる可能性があります。ご了承の上、どしどしコメ欄でリクエストしてってくださ〜い!
コメント
6件
アメ日帝好きだけどっ!ナチ日帝も好きなんだよおっ!
あ、言い忘れました。アメが、最高っした
了、楽しみにしてまっせ親分