柊 弥 side ___
どこか淋しげな顔をしてて
それでも 俺と目を合わせてはくれない
楼衣 )「 … わたし 、が 」
「 おう 、」
楼衣が口を開いた瞬間
風が吹いた
「 ______ 」
「 、ごめん聞こえなかった 」
「 … ううん 、何でもない 」
「 … そ 」
「 1つ 聞いて欲しい 」
初めて俺を見つめた … “ 気がした ”
だって
「 誰かの気持ちに ちゃんと気づいてあげてね 」
「 … ? どういう意味だよ 、 」
そう言って 、すぐ視線を逸らしたから 。
「 それだけ
じゃあね 。」
いつものサバサバした雰囲気は消えていた
俺と15cm差の小さな身長
後ろ姿がそれを物語る
サバサバしてて
裏表がなくて
誰にでも優しいから
皆に好かれる
幼馴染だから 知ってる
嘘をつくのも 苦手だって事
そこで我に返る
「 … 追い掛けねぇと 、っ 」
なぁ 、さっきの言葉
ちゃんと聞こえてたんだ
でも吃驚しすぎて
適当なこと言ったんだ
ただ今は
それに賭けてみることにする
いいよな 、楼衣
早く 君のもとに行きたい
” 返事 ” がしたい
楼 衣 side ___
「 何言ってるんだろ 」
“ 柊弥を好きって言ったら 嫌かな ” なんて
嫌に決まってる
困るだろうな
だから 聞こえてなくてよかった
もうこれでいいんだ
またいつもの関係に戻るだけ
「 戻れる … かな 、っ 」
なんて意気地無しなんだろう
せめてちゃんとフラれればよかった
それもそれで悲しいんだろうけど 、笑
そんな時に
「 楼衣 、っ!! 」
一番聞きたかった声が聞けたら
期待しちゃうじゃんか
ねぇ 、嘘をつくのが苦手だから
「 、ごめん … やっぱり好き 泣 」
素直に声に出しちゃうの