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よく日の早朝、静寂を破るように「コンコン」とフェリックス達の部屋の

ドアがノックされた。眠たそうにワトリーがドアを開けると、そこにはジョセフの姿があった。

「すぐに食堂に集まってくれ」とジョセフが言った。

ワトリーは目をこすりながら尋ねた。「こんな早くにどうしたのだ?」

ジョセフは深刻な表情で答えた。「それが…ゲンが自供したんだ。」

ワトリーは驚いて目を見開いた。「ゲンさんが!?そんなのうそなのだ!!」と叫び、食堂に向かって飛び出していった。

食堂にはすでに団長を除く全員が集まっていた。ワトリーはゲンの姿を見つけると、

涙目になりながら駆け寄った。「ゲンさんが殺したの?そんなのうそなのだ!」と言ってゲンにしがみついた。

ゲンは深いため息をつき、悲しそうに言った。「すまないワトリー、これは本当のことなんだ。」

ジョセフが口を開いた。「動機はいったいなんだ?」


ゲンは静かに語り始めた。「俺は昔のようにみんなでサーカスがしたかったんだ。

俺たちは家族も同然の仲だったのに、団長は金に走り、団員は毎日喧嘩ばかり。

言い争いの中心はセリアだ。途中で入団してきたセリアはマリーナの恋人を奪い、

自分が看板スターになるために団長にも近づき、俺たちを侮辱した。

許せなかった。俺の大切なこのサーカス団を壊されてしまいそうで、だから、殺したんだ。」

ゲンの告白が終わると、食堂は静まり返った。皆が言葉を失い、

ただその場に立ち尽くしていた。ワトリーはゲンの言葉を理解しようとするかのように、

涙を堪えながら彼の顔を見上げた。


フェリックスはその話を黙って聞いていたが、やがて口を開いた。

「動機はわかりました。では、どのようにセリアさんを殺したのですか?」

ゲンは深いため息をつき、重い口を開いた。

「それは、ボウガンを使ってロープを切ったんだ。最初は、

フェリックスが言ったようにボウガンを見えないところに設置して発射させようとしたが、

上手くいかなかった。」

フェリックスは眉をひそめた。「上手くいかなかったというのは?」

「テストしたんだ。他の場所でナイフが発射できるように改造し、

トリガー部分を低温で溶ける素材のプラスチックで固定したが、

重心がぶれて上手くいかなかった。だから、

当日、2階の端に行ってボウガンを使ってロープを切ったんだ」


フェリックスはさらに問い詰める。「では、反対側のナイフはどのように取ったのですか?」

「警察が来る前に取って、裏の川に捨てた。」

フェリックスは鋭い目でゲンを見つめた。「本当にボウガンでロープを切ったのですか?」

ゲンは少し眉をひそめ、力強く頷いた。「ああ、俺は大道具だぞ。ボウガンくらい扱えるし、

マジックの知識だってある。」

フェリックスは静かにボウガンを取り出し、ゲンに手渡した。「では、証明してください。」



全員が劇場に移動し、緊張感が漂う中、フェリックスが再び口を開いた。

「これは犯行に使われたものと同じボウガンです。ナイフも撃てるようになっています。」

「誰かロープを括り付けていただけませんか?」

ゲンが一歩前に出て「それは俺の仕事だ。」彼は、はしごを使って天井に登り、ロープをしっかりと取り付けた。

2階席の端に全員が集まり、ゲンがボウガンでロープを狙う。

緊張が走る中、ゲンはボウガンのトリガーを引き、ナイフを放った。

ナイフは見事にロープを切り落とし、ゆっくりと落ちていった。周りの猫は、

ゲンが犯猫だという現実を受け入れつつも、複雑な表情を浮かべていた。

ジョセフ「フェリックス、もうこれでいいだろう。ゲンが犯行を認めているんだぞ」

しかしフェリックスは首を横に振った。

「いいえ、これは当時の状況とは異なります。ゲンさん、もう一度お願いします」

ゲンは一瞬のためらいも見せずに頷いた。「わかった。」再びロープを吊るし、ボウガンで狙いを定める

その時、フェリックスが声を張り上げた。

「では、電気を消してください。暗闇の中で撃たないと、ゲンさんの姿が見えてしまいますので」

彼は下にいるワトリーに声をかけた。「ワトリー、準備はいいですか?」

ワトリーが元気よく答えた。「オッケーなのだ。」

ワトリーは吊り下げられていたロープを自分の胴体に巻き付けると、

まるでブランコに乗っているかのようにゆらゆらと揺れ始めた。

その様子を見つめながら、フェリックスは静かに言った。


「セリアさんはリハーサル中に転落しています。

ロープに吊られながら演技をしていたはずです。暗闇の中、

動いているロープを正確に狙ったと考えます。」


ゲンが反論する。「しかしライトは当たっていたはずだ。」


フェリックスは淡々と続けた。「それは演技しているセリアさんだけに当たっていたのでは?」

彼はエマに視線を向けた。「エマさん、あなたは事件当時、照明を当てていましたね。」

エマは短く答えた。「はい。」フェリックスは頷きながら指示を出した。

「当時と同じように照明をお願いします。みなさんも当時と同じ場所にいてください。」

マリーナとロイズは1階の客席へ、エマは照明の位置へ、そしてゲンは2階の端に立った。

フェリックスは一同に向かって言った。「ではお願いします。」

劇場の明かりが消え、ワトリーにだけスポットライトが当たった。

1階席からはゲンの姿は見えない。緊張の中で沈黙が続く。

......

突然、マリーナが叫んだ。

「ゲン!早く撃ちなさいよ!」その瞬間、照明がついた。ゲンはすでにボウガンを撃った後だったが、

ワトリーはそのままゆらゆらとロープに括りつけられたままだった。マリーナが困惑した声で問いかける。

「どういうこと?!」

フェリックスは冷静に答えた。「同じ状況ではロープは切れなかったんです。」

ネコ探偵フェリックスとサーカス団猫殺事件の謎

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