テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
佐野いちご
95
💖side
セイちゃんに連れられて軽音楽部の体験にくると、あのボーカルの人がそこにはいた。
ナオらよりは小柄で華奢なカイリュウ先輩。ほーんなかなか綺麗な顔しとるやん。ま、ナオには流石に勝たれへんけど。
心の中で勝手な対抗心を燃やしつつ、緊張しているセイトをチラッと横目で見る。
「俺、ギターやってみたいんすけど」
そう言ってカイリュウ先輩のことをじっと見つめるセイちゃん。 なにをお前かっこつけてるん?!というツッコミが思わず出そうになるほどいつものセイちゃんとは違った雰囲気だった。
「え!まじでー!嬉しいわ〜、いや俺もギターやねんけどさ、正直あんま上手ないし、ギターおればボーカル集中できんのに〜とか思っててん!!」
愛らしい笑顔でそう話すカイリュウ先輩を嬉しそうに見つめるセイちゃん。お前なんでちょっと頬赤らめてんのよ、、、もう!
2人の空気にさせまいと必死に会話に入りながらあれよこれよと楽器を触っているうちにあっという間に体験の時間は終わった。
「いやー2人とも今日は来てくれてありがとうな!もし気になったらぜひ入ってな!」
そう言ってナオたちに手を振る先輩にセイちゃんも目を細めながら嬉しそうに手を振り返していたーー。
帰り道、夕陽に照らされながら2人で並んで歩く。いつもと同じ帰り道なのになぜかナオの心は落ち着かない。
「カイリュウ先輩ええ人やったな?ナオ、ピアノとかやってみちゃおっかな〜指綺麗言われたし〜」
少しの気まずさを振り払うように明るく話しかける。
「おん、、ほんまにええ人やった、、大林、カイリュウ先輩。」
忘れないように。確かめるように名前を繰り返すセイちゃんを見て少しだけ胸が痛んだ。
まさか、先輩のこと好きちゃうよな?
溢れそうになるそんな言葉をぐっと飲み込んでまたいつもの他愛無い会話をして帰ったーー。
コメント
1件
うわあ、セイちゃんがカイリュウ先輩にギター習いたいって言ったときの雰囲気、めっちゃ良かった…! でもナオから見てるとちょっと胸がチクッとするやつだよね。名前を繰り返しちゃうセイちゃんの様子とか、飲み込んだ言葉とか、好きな人には気づいてほしいけど言えないもどかしさが伝わってきて切なかった🥀 でも!自分もピアノやってみようかなって言うナオの強がり、可愛いなって思ったよ🤍