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沖ノ鳥島近海 海城
騎士が、ある者の足を引っ張って行く。そして廊下の真ん中にそびえ立つ立派なドアを開け、中に入る。部屋には、執事とフョーレがいた。
騎士「姫様、不法入国者が海面に浮いておられましたので…確保致しました。」
フョーレ「不法入国者…ですって…?」
フョーレは立ち上がり執事と共に、騎士の元に向かって歩む。騎士が道を開けると、そこには竹内一尉がいた。しかし、気を失っているようだ。
フョーレ「この者が…不法入国者……」
執事「変な服装をしておられますな……」
竹内「うぅ……」
フョーレ「!!!ッ」
執事「姫様!お下がりください!」
執事が姫と後ろに少し下がると、竹内一尉の隣にいた騎士が槍を竹内一尉に向ける。
竹内「あぁ……クッ……」
竹内一尉は頭を抱えながら起き上がる。
竹内「うぅ……あれ…ここは……お前ら……何者だ……」
竹内一尉はゆっくり立ち上がる。騎士もそれに合わせて矛先を竹内一尉の顔に向ける。
執事「お前が、先程この国の上空に不法入国した不法入国者だっていうことは分かっている。無駄な抵抗はするな。」
執事の言葉に、竹内一尉は苛立ちのような表情を見せる。
竹内「不法入国?なんの事だ。それにここはどこなんだよ……」
執事「ここは、濃霧の中にあった城だ。お前は、不法入国した疑いによって攻撃翼竜によって撃墜された。しかし…生きていたとは……」
竹内「攻撃翼竜…?もしかして!あのドラゴンの事か!俺たちが墜落するのを上空から見物していた!」
執事「そうだ。」
執事の返事に、竹内の堪忍袋の緒がはち切れる。竹内は足のホルスターに入れていた護身用の9mm拳銃を抜き、執事に向かって構える。
竹内「お前ら…何をしたか分かっているのか…?」
執事「何をしたかって…そんなもの…自国の領空に不法で入ってきたお前たちを撃墜したまでだが?」
竹内「自国…?ここは国だとでも言いたいのか?」
執事は微笑み、竹内一尉に向かって告げる。
執事「ここは世界で二番目に権力を持つインガリオ王国である。」
竹内一尉は理解が追いつかなかった。
竹内「インガリオ……?聞いた事ねぇな。そもそもここは日本国の排他的経済水域内。つまり日本国の領海内だ。不法入国しているのはお前らの方だろ。 」
竹内は拳銃の撃鉄を起こす。
執事「お前……一体何者だ?」
竹内「あぁ。まだ自己紹介してなかったな。」
竹内「俺は日本国 航空自衛隊所属…竹内陽太一等空尉。お前らがどこの国の奴らかは知らねぇが…仲間の恨みだ……!」
竹内は自分の両サイドにいた騎士に向かって拳銃を発砲する。弾丸は騎士の甲冑を貫通する。竹内はそのままスライディングし執事の横に回り込み執事の頭に銃口を向ける。
竹内「……動くな。そのまま手を後ろのに回せ。」
執事「……ッ!」
執事が竹内に目を合わせると、竹内は急な頭痛と吐き気に襲われる。竹内の心臓は一瞬にして止まり、地面に倒れる。
執事「姫様、お怪我は?」
フョーレ「大丈夫よ……」
執事は竹内が落とした9mm拳銃を拾い上げる。
執事「なんだこれは…騎士の鎧を貫通させるほどの魔力を持った杖か…?こんな物を隠していたとは……」
その時、1人の騎士が部屋に入ってくる。そしてフョーレと執事の前で膝を着く。
騎士「報告!未確認龍が我が国の上空に多数接近したきています!」
執事「なんだと……!直ぐに攻撃翼竜を出せ。撃墜せよ!」
騎士「はっ!」
騎士は立ち上がり部屋を出ていく。フョーレは椅子に座る。彼女は何故か不安そうな表情をしていた。
執事「姫様……?大丈夫ですか?」
フョーレ「……執事……私……嫌な予感がするのです……」
インガリオ王国 上空
航空自衛隊 戦闘機部隊
戦闘機部隊の先頭には、F2戦闘機が飛行していた。榊二尉の戦闘機である。
榊「目標の城を捉えた。」
その時、城から多数の攻撃翼竜が出てくる。
岩崎「なんだよ……あいつら……マジでドラゴンかよ……俺、ああいうのスマホゲーでしか見た事ねぇよ……」
榊「全機、奴さんのお出ましだ。第1空挺団と護衛艦隊がもうすぐ到着する。それまでにあのトカゲどもを殲滅させるぞ!」
全機「了解!」
榊は操縦桿を倒し攻撃翼竜に向かって接近していく。攻撃翼竜もバラバラに別れ他の戦闘機に向かって行く。榊の戦闘機の前には、一匹の攻撃翼竜がいた。
榊「よくも仲間やってくれたなぁ…これはお返しの品だ!有難く受け取れ!」
榊はミサイルを攻撃翼竜に向かってロックオンし発射する。ミサイルは攻撃翼竜を追尾し命中する。攻撃翼竜は空中で木っ端微塵になる。
榊「一匹撃破!」
他の戦闘機たちも次々と翼竜を撃墜していた。翼竜たちは為す術なくやられていく。
城内
フョーレ「なんなのですか…?」
フョーレと執事は、部屋の窓から空中で戦う戦闘機と翼竜を見ていた。
執事「翼竜が……蹴散らされているだと……!?」
その時、部屋に騎士が入ってくる。
騎士「報告!攻撃翼竜が全滅……!」
執事「ぜ、全滅……!?他の翼竜を使え!何としても奴らを城に近ずけるな!」
騎士「はっ!!」
騎士は立ち上がり部屋を出ていく。