テラーノベル
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“彼は恩人で兄で私の大切な人…”《私はラッテ・スフィア。学園長の手違いで男装して入学したネズミの獣人族の女の子。彼と出会ったのは幼い頃、私が彷徨っていた時だった…》
ーラッテ 4歳ー
〜夕焼けの草原 スラム街〜
子どもラッテ「…ない…」(食べ物がないか彷徨っている)
ドンッ(ぶつかった音)
村人A「チッ!邪魔だこのガキ!」
子どもラッテ「ッ!」(蹴り飛ばされた)
村人A「ふん」(行った)
子どもラッテ「…誰か…食べ物…」
子どもラギー「…」
子どもラッテ「…」(朧気にラギーを見てから手を伸ばしたまま目を閉じた)
〜ラギーの家〜
子どもラッテ「…ん…(起きた)…ここは…?」
???「あら起きた?」(優しそうなお婆さん)
子どもラッテ「は、はい。…あの、貴女は?」
子どもラギー「俺のばぁちゃんっスよ」
子どもラッテ「!貴方は…」
子どもラギー「俺はラギー・ブッチっス。アンタは?」
子どもラッテ「…ラッテ…ラッテ・スフィア…」
子どもラギー「ラッテっスか。んじゃ、よろしく」(手を出した)
子どもラッテ「よ、よろしく…?」(手を取り、握手した)
ラギーのおばあちゃん「ふふっ。賑やかになるねぇ」
子どもラギー「ここにいるなら働かざる者食うべからずっスからね」
子どもラッテ「?」
子どもラギー「ああ、働かざる者食うべからずって言うのは…」(説明した)
子どもラッテ「そうなんだ。頑張る」
《私はこうして出会い、ラギー兄に助けてもらった。その後、私は家族として迎入れてくれて幸せな日々を過ごした》
ーラッテ 6歳ー
〜ラギーの家〜
子どもラギー「ラッテ!プレゼントがあるっス」
子どもラッテ「プレゼント?」
子どもラギー「これ!」(水色のリボンを2つ渡した)
子どもラッテ(受け取った)「リボン?」
子どもラギー「うん!だってラッテの髪、長くなったでしょ?これならまとめられるし、水色は凄くラッテに似合ってる!」
子どもラッテ「!…そっか(おろしていた髪を三つ編みにして水色のリボンを2つつけた)じゃ〜ん!どう?似合う?」
子どもラギー「似合ってるっス!」
子どもラッテ「ふふっ、ありがとう♪ラギー兄」
子どもラギー「シシシッ」
子どもラッテ「…」
《私はこの時から胸が熱くなってきた。気まぐれでも居場所をくれた彼にきっと恋心を抱いたのだろう…》
ーラギーの入学式前日ー
ラッテ「もう行っちゃうんだね、ラギー兄」
ラギー「そうっスね。でも、ホリデーには必ず帰るから」(ラッテの頭を撫でた)
ラッテ「…うん…」
ラギー「…」(ラッテの額にコツンと自分の額を当てた)
ラッテ「⁈ラ、ラギー兄⁈///」
ラギー「大丈夫っスよ。俺が約束破った事あるっスか?」
ラッテ「!ない」
ラギー「でしょ?んじゃ、行ってくるっス」
ラッテ「うん!」
ラギーのおばあちゃん「気をつけて行くんだよ」
ラギー「うん!じゃ、行ってきます!」(黒い馬車に乗って行った)
ラッテ、ラギーのおばあちゃん「いってらっしゃ〜い」
ラッテ「…行っちゃった…」
ラギーのおばあちゃん「そうだねぇ。…ラッテちゃん。家に戻ろうか」
ラッテ「…うん」
《ラギー兄の家が私の居場所の筈なのに、何故か胸にぽっかり穴が空いた感覚があった。まるでラギー兄の大好物のドーナツのようだ。そして、1年後。私に転機が訪れた》
ー入学式ー
〜鏡の間〜
クロウリー「次の方」
???「はい!」(闇の鏡の前に立った)
闇の鏡「汝の名を告げよ」
ラッテ「ラッテ・スフィア!」
闇の鏡「汝の魂の形は…サバナクロー!」
ラッテ「サバナクローか。確かラギー兄と一緒だ」(自分の席に戻った)
ー数時間後ー
〜サバナクロー寮 寮外観〜
ラッテ「ラギー兄、驚いた?」
ラギー「驚いたっスよ!てか、ラッテ!なんでここにいるんスか⁈」
ラッテ「あははは。私にも馬車が来ちゃったぁ」
ラギー「来ちゃったぁじゃないっスよ!今後どうすんスか⁈」
ラッテ「普通にここで学生生活送るよ。大丈夫。しっかり男装するし、匂いとか色々気をつけるし」
レオナ「おい、ラギー。何して、ん?女…?」
ラギー「あ…」
ラッテ「ビクッ」(ラギーの後ろに隠れた)
ラギー「わっ⁈ラ、ラッテ?」
ラッテ「お、大きい猫怖い…」
ラギー「ぶっはははっ!」
レオナ「ラギィ、テメェ…💢」
ラギー「はぁはぁ…(笑いが収まった)この人はサバナクローの寮長 レオナ・キングスカラーさんっスよ」
ラッテ「ど、どうも…」(ラギーの後ろからひょこっとして小さくお辞儀した)
《またラギー兄の側にいれる、何か力になれる。そう思っていたのに…》
ラッテ「…ラギー兄」
ラギー「何?ラッテ」
ラッテ「ラギー兄、なんであんな事してるの?」
ラギー「…何の事スか?」
ラッテ「…私の仲間達から聞いたの。色んな主力の人が怪我してるのはラギー兄のせいだって」
ラギー「…そんなのただの噂でしょ?それに俺がやったっていう証拠は、」
ラッテ「証人いるよ」(小さなネズミがラッテの肩に乗った)
ラギー「ネズミ?」
ラッテ「私のユニーク魔法、鼠の意地(ミュース・ヴァーリア)。どんな理由があろうとネズミ達が私に協力し、調査などする事が出来る。地味だけど、確実な情報が手に入れる事が出来る!」
ラギー「…あーあ、バレちまった…」
ラッテ「ラギー兄…もうやめなよ。こんな事して勝っても意味ないよ」
ラギー「そういう問題じゃねぇんスよ!!」
ラッテ「ビクッ」
ラギー「ラッテには分かんねぇよ!俺は、俺たちは結果がいるんだ!気持ちなんてどうでもいいんスよ!!」
ラッテ「ラギー兄…」
ラギー「ここまで来てやめろって?アホらしい…」(その場を去ろうとした)
ラッテ「ッ!ラギー兄…!」
ラギー「ついてくんな。ラッテの好きにすればいいっスよ。でも、俺たちの計画を邪魔する事は出来ねぇよ」(行った)
ラッテ「…ラギー兄…ラギー兄…」(涙が溢れ、ラギーが完全に去った後、大泣きした)
《何がいけなかったんだろう。何がダメだったんだろう。ただラギー兄の為に止めたかっただけなのに…》
“私の声はもう一生届かないのだろうか…”
〜to be conteneu〜
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