⚠️オランダ♡→ドイツ
⚠️片思い
※BL
オランダ:男性
ドイツ:男性
フランス:女性
会議は君をじっくり見れるから好きだ。
凛とした表情と威勢のいい声で話す君をじっと見つめる。
今はEUの会議中だ。
ドイツ「よし、今回はこれで終わりだ。」
だから、会議が終わってしまうのは少し寂しい。
君との距離が生まれてしまいそうだから。
ドイツ「解散!」
ああ、俺……やっぱり、あの人のことが
好きなんだな……
同性に好かれてると知ったら、君はどんな反応をするのだろうか?
普通に受け入れる?
それとも、俺と距離をおく?
最悪の場合、絶縁されてしまうかもしれない。
だから、隠さないといけない。
決して実らない恋。
会議が終わって家に帰ろうとしたけど、
勇気を出して俺は、君をカフェに誘った。
オランダ「ドイツ!会議も終わったことだし…その、カフェに行かないか?」
ドイツ「急だな、まあいいぞ」
良かった…と胸を撫で下ろす。
事前にフランスに相談しておいて良かった。
アイツはムカつく奴だが、今回ばかりはアイツに感謝だな。
君の隣で、何気ない話をする。
でも、君とカフェに行く喜びで、満たされているはずの心は、どこか寂しかった。
頭の中に不安がよぎる。
俺は一生、この気持ちをしまったまま生きていくのか?
言わない方が、俺らの生活は保たれるのか?
嬉しいはずなのにまた、思ってもいない事を考えてしまう。
オランダ「そうだ、オススメのカフェがあるからそこでもいいか?」
ドイツ「お、それなら任せる。」
オランダ「よし、ついて来い!」
張り切ってカフェに連れて行く。
ただカフェに行くだけなのに張り切っている自分が可笑しく思えるが、好きな人との外出はやはり楽しみなのだ。
数時間ほどカフェに居たのち、久しぶりに2人で散歩をする流れになり、俺たちは街をぶらぶら歩いていた
昔の思い出、仕事の話、最近の自分たちの事など、世間話を絶え間なく話す。
向かい風が丁度良いくらいに吹いてきた。
さっきまで、眩しいくらいに輝いていた太陽も、僕らを照らしているようでとても温かかった。
本当に、君との話は面白くて、時間が過ぎていくのがあっという間に感じる。
すると前からフランスパンを持って走っている女性が反対方向からやって来た。
あの見覚えのある顔つきは……
フランスだ
オランダ「あ、フランス!」
フランス「ん?げ、オランダ…と、ドイツ?」
オランダ「『げ』って何だよ。」
フランス「……、何でもないわよ。
ところで、2人で何してるの?」
ドイツ「す、少し散歩をしているんだ。」
フランス「へぇ〜。いつも真面目な2人だけど、たまには気晴らしって感じ?」
オランダ「俺、真面目か?」
フランス「ええ、スペインとかイタリア、ギリシャと比べたら一目瞭然よ。」
オランダ「基準そこでいいのか…?」
ドイツ「あ…、フランス、良かったら一緒に散歩しないか?」
フランス「あ〜!ごめんね、私今日用事あって…忙しいんだよね。」
ドイツ「そうか…ならまた今度いいか?」
フランス「いいよ!オランダは?」
オランダ「お、俺は…」
言葉に詰まってしまった。
俺は、知ってるんだ…
ドイツの好きな人を
ドイツが前に
『お前は信頼できるから話すな…。
俺、フランスの事が好きみたいで…』
と俺に言ってきた。
そんな事知りたくなかった……、
でも、やっぱりドイツには普通の恋愛がお似合いだろうから…
言ってしまったんだ。
「分かった。応援するぜ」
ってな。
本当に馬鹿だった。
でもこの時思ってしまったんだ…
俺の恋は絶対に叶わないんだな。
って、
そう……思ってしまったんだ…。
オランダ「……俺は、会社でB企画の準備があるからな、厳しい。」
フランス「そっか…じゃあドイツ、後で連絡するね。」
ドイツ「嗚呼、分かった。」
君がこちらをちらっと見る。
嘘をついてしまった。
でも、好きな人が幸せになるのが俺の1番の幸せだから、
これで、これで、いいんだ。
だから…、そうだな、
俺の恋は叶わなくとも、君の幸せは俺が守らせてくれよ。
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