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嘆くペトラとギレスラ、それを嘲るレイブと立ち竦むグフトマに最長老のアウゲイアスが言う。
何故か薄っすらと透け始めているのは気のせいだろうか?
『ほほっ! さて、そろそろワシは行かねばならんようじゃわい! お主達も自分の為すべき事に邁進するが良い』
レイブは話している最中にも一層薄らいで消え掛けているラタトスクに聞く。
「行くってどこへです? あっ、脱出するんですね、ではご一緒に――――」
『ワシが向かうのは死者の居場所、冥府じゃよ、ヘルヘイムじゃ、お主等は東に向かいたいと言って居ったじゃろう? グフトマに道順を聞いて早く脱出せんと! この穴、もう幾らももたんぞい』
なるほど、こうして話していた間にも周囲の岩が勢い良く崩れ落ち続けている。
一同が普通に会話出来ているのは、直撃しそうな岩を片っ端から蹴り崩しているバッタのお蔭に他ならないのだ。
改めて周囲のヤバさを認識しなおしたレイブはグフトマに対して慌てて言う。
「じゃ太師匠宜しくお願いしますよ、逃げる道を教えてください」
「うん、道だったら単純だ、広場から左手に出て次を右、その次は真ん中、そこからは右、右、左、左から二番目、真ん中、右、左、左上、右から三番目、それで真ん中、左、右、左だぞ、簡単だろ」
「え、いや、もう一度…… ってか太師匠も一緒に来てくださいよっ! 憶えられないし、どうせ太師匠もゴブリン達と一緒に脱出するんですよね?」
腕を引いて広場に戻ろうとするレイブを手で制してグフトマは答える。
これまでに無い真面目な表情であった。
「いいやレイブ…… 一緒に行ってやる事は出来ない、私には最後の仕事が残っているんだ…… 自分の責任を全うしなければ…… そうだ、お前が旅の目的を果たしたらコインを探して世界を回る事になるんだろう? もしもバストロやセスカを見つける事が出来たら伝えておくれ! グフトマは二度目の生で確り役目を果たしたぞ、ってね! それに…… 上手くはいかなかったが恋もしていたってな、ははは、頼む」
「た、太師匠?」
『グフトマよ、あの子等と死ぬ事がお前の役目だとワシは思わんがな…… まあ、鬼神はお前じゃ、自分で決めたのなら詮無き事じゃが……』
「し、死ぬ? 昨夜、言ってたのってこういう場合の事なんです?」
「ああ、そうなんだよ、ずっと昔から決められていた事らしくてね、他ならぬ真なる聖女コユキ様と最初の鬼神、温羅様が決めた事だから私の気持ちなんか関係ないんだよ、まあ一緒に逝ける、それだけで充分幸せ、そう思うしか無いんだよ」
「太師匠……」
コメント
1件
うわああ第1209話…!涙腺やばかった😭💦 グフトマの「二度目の生でしっかり役目を果たした」って台詞、重すぎて胸に刺さったよ…。レイブが慌てて一緒に行こうとするのに、自分の使命を全うしようとするグフトマの覚悟が切なすぎるっ。ラタトスクも透けて消えかけてるし、もうこの場が崩れる緊張感とそれぞれの別れが一気に押し寄せてくる感じがたまらんかった…!! バッタが岩を蹴り飛ばしながら会話成立させてるギャップも好きすぎるw KEY-STUさん、毎回エモさ爆発させてくれてありがとうございます…!次の展開、絶対読みます🔥