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いつも優しいあの人は
いつも何処かで悩んでいて
いつも何処かで自分を殺している。
ただ何も言わず
相手を傷つけず
悲しませない言葉で
励まし、
喜ばせ、
笑顔にさせる
見てる人は
ただ
仲間思いで
優しくて
フレンドリーな人
としか思ってないだろう。
でも彼は
いつも何処かで
我慢をしている。
─────────────────────
「スガ、話があるんだが、少しいいか?」
「ん?いいけど、どうしたんだべ?」
「少し、相談があって…」
「何でも言え!この菅原孝支くんが話を聞いてあげよう!!」
「ありがとな、笑」
─────────────────────
「す”が”さ”〜ん”…!!」
「日向?!どうしたんだべ!」
「影山がぁ〜!!」
「は?!俺なんもしてねーだろ!」
「ま、まぁまぁ!落ち着け二人とも!!」
「スガ!!」
「菅原先輩!!!」
「菅原さん!!!」
『しっかりしてください/しっかりしろ!!!!』
気がついたら、保健室に居た
相当気を失っていたのだろう、辺りはもう真っ暗
カーテンがされててもわかった。
「ふう…よし、」
声…この声は、大地……?
まだ震えている重い体を立たせ
カーテンを開ける
「だ…い、ち…」
そう口に呟くと
彼は悲しそうな、驚いているような顔で
こちらを見つめた
「す、が……よかった…、」
抱きつかれた。
さっきまで寝ていた体はふらっと力をまた抜かし
スッと彼が支えてくれる
「大丈夫か?ごめんな、急に抱きついたりなんかして」
「大丈夫だべ!少し体の力が抜けただけだから!」
心配は掛けたくない為、笑顔を作り答える
「そうか…なら良かった……」
ほっとしたような顔で彼は微笑む
「帰るか、送ってくぞ」
「え、でも…」
「また倒れたら元も子もないだろ?」
彼は少しムスッとした顔で
「こん時まで遠慮すんなよな〜」
と言い、かばんを持ち「行くよ」と言わんばかりに
俺をドアの前で待つ
翌日
「母さん…」
重たい体を起こし、リビングにいる母さんに話し掛ける
「どうしたの?孝支」
ほんわかな笑顔でこちらを見つめてくる。
「あのさ、学校、休みたい。」
母さんは一瞬戸惑ったような、驚いたような顔をした
だが、またすぐ、ほんわかとした笑顔を作り
「いいわよ」
と言ってくれた。
「ありがとう、」と返し
また重い体を自分の部屋まで運ぶ。
それから時々学校を休んでいる。
学校に行ったときは、凄く皆に心配される。
なにかあった?
体調悪い?
何でも話せよな、
その言葉を聞く度、笑顔を作り
ありがとな!!
と一言いうだけ。
そして“時々”が“毎日”に変わっていった。
学校なんて行きたくない。
もう高校でやる勉強は全部習った。
あとは、ひたすら復習。
それなら家でやったほうが楽だ。
部活も、何故かとみんなに会いたくない。
クラスの奴とも、部活の奴とも、先生達とも
最近は、まともに家族とも面と向かうことが少ない。
元々ご飯はバラバラの時間で食べていたが、
最近は本格的に時間をずらしてご飯を食べている。
最近はずっと一人がいいと思っている。
友達にも会いたくない。
というより、
“もういいや”
と感じてしまう。
何もかもやめて、自分のしたいことだけを
全力で“一人で”やる。
だから次第に、学校に行かなくなった。
もちろん、部活にも
コンコン
「何…?」
部屋のドアがノックされ、弱々しい声でそう言うと
母さんが
「大地くん来てるわよ」
と言った。
正直会いたくもないし、どうせ「なんで学校来ないのか」って聞きに来ただけだろう。
「会いたくない。」
「一回、話してみたら…?」
「話す事、ないよ…」
「1回だけだから、ね?」
母さんは多分
大地になら話してくれる。
と思っているのだろう。
もちろん話すわけがなく、会いたくもないが
本気で心配している母さんの声はいつもより震えていた
ガチャ
部屋のドアを開けると涙目になっている母さんと
不安な顔をしている大地が居た。
「1回だけ、だよ」
そう言い、大地の腕を引っ張る
「ありがとう」
と母さんはほんわかとした笑顔を作る
ガチャ
大地を部屋に入れ、ドアを閉める。
そこら辺に座って
と言うと、嗚呼と返事が返ってくる。
「あのさ」
大地の言葉に少し驚いた。
何故なら、今までに聞いたことのない、弱々しい声だったから。
「待ってるぞ、皆。」
大地はそう言うとニコッと笑い、俺を見つめた
“学校に来い”
ではなく、
“待ってる”
という言葉に、安心した。
“いつまでも待ってるから、自分のペースでね”
そう大地は言っているように見えた。
俺は思わず、
誰にも会いたくない。
一人がいい。
もういいや。
と、何もかも、話してしまった。
言ってはいけない。
迷惑をかけてしまう。
大地にまで
負担がかかってしまう……のに…
なんで言っちゃうんだろうな……笑
END