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高校に入学して3週間がたった
新しい生活になり、目まぐるしく回る日々に慌ただしくも少しずつ慣れて来た頃、オレの隣の席の甘奈音魅(あまなねみ)は誰とも話していなかった。それ自体は別になんとも思ってなかった。誰かと接する接しないは自由だから。でも、その日の甘奈さんは…震えていた。そんな姿をいち早く気づいたのは俺、阿賀陸徒(あがりくと)だった
陸徒(なんか、甘奈さん、怖い?っていうより、不安?分かんないけど)
陸徒(おはようでもいいから言ってみようかな)
陸徒「…甘奈さん、おはよう」
音魅 びくっ
陸徒「あ!ごめん、びっくりした?」
音魅「う、ううん。おはよう」
陸徒(急に話しかけられたらそりゃあびっくりするよな)
放課後
じゃあなー、陸徒
陸徒「おぉ、またな!」
陸徒(俺も帰るか)
帰り道
陸徒(朝の甘奈さんの驚きよう、急に話しかけたってのもあるけど、あんなにびっくりするかな。何かに怯えてたような)
陸徒(…俺の考えすぎか)
翌日
陸徒「あれ、今日甘奈さん遅いな」
陸徒「いつもは俺よりも早くきてるのに」
「外見てどうした?」
陸徒「燈真か…甘奈さんがいないから違和感があるってだけ」
燈真「今日休みだってよ。クラスのやつが言ってた」
陸徒「休み?」
燈真「酷い怪我で動けないって」
陸徒「怪我?」
燈真「転んだんだってよ」
陸徒(あの不安とか恐怖とかの感情が混ざってた理由って)
燈真~!
燈真「わりぃ、呼ばれたわ」
陸徒「全然、行ってこいよ」
陸徒「ー 先生」
先生「ん?どうした?陸徒」
陸徒「甘奈さんの住所、教えてもらうことってできますか?」
先生「じゅう!?プライベートだからなぁ、それは…は!もしかして?」
陸徒「茶化さないでください」
陸徒「ただ、昨日甘奈さんいつもと違う感じがして…」
先生「お前はほんとに人の感情に敏感だな」
陸徒「え?」
先生「この前の教育相談でな聞いてみたんだ」
先生「嫌なこととかあるか?って、でもやっぱり何も言わなくてさ」
先生「でも、心配だよな。お前だったらいいんじゃないかな」
先生「ありがとうな、陸徒」
陸徒「先生、俺が感情に敏感って知ってたんですか?」
先生「お前が他人の感情に敏感なのと同じで、他人を見抜く力に長けてんのさ、俺は」
放課後
陸徒「来てみたはいいけど、やっぱり迷惑だよな?!」
陸徒「いやでも…よし!」
ピンポーン
陸徒「いないのかな?」
陸徒「もしこれがいじめなら」
陸徒「探そう」
陸徒(あの時甘奈さんが感じてた恐怖や不安は、いじめの時に感じる時のものに似てたんだ)
陸徒(似てるって知ってたのに、動けなかった)
陸徒「…こんな路地裏、通る人いるんだな」
陸徒(近道かな?)
いやー、やっぱいいカモだわw
明日も来るっつってたしなw
陸徒(…まさか…!)
陸徒「甘奈さん!」
音魅「…!」
ダッ
陸徒「ちょ?!っと待って!」
ガシっ
音魅「痛っ…!」
陸徒「あ、ごめん!」
音魅「…」
陸徒「明日は学校、来れる?」
音魅「……」
陸徒「…行っちゃった」
陸徒(やっぱり、いじめか…)
陸徒「今日は帰ろう」
翌日
陸徒(来てるかな、甘奈さん)
陸徒「あ…」
陸徒「おはよ、甘奈さん」
音魅「おはよう 」
あとがき
初めまして、木琴です。別に初投稿というわけじゃないけど。今回初のノベルとオリジナルストーリーに挑戦してみました。いつもはチャットノベルの方を使ってるのでまだ慣れないけれど、それでも暖かい目で見守ってくれたら嬉しいです。後、サムネは変わるかもしれまん。 他にもプロセカcpの連載も書いてるので見てみて下さい。それじゃあバイバイ!