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ある真夏が終わりそうな頃から始まる物語───────────────────
みつき「たぁきー!今日こそはアイス奢って貰うからな覚悟しとき!金欠でも知らんから!」
こいつは色々細かくてとにかくうるさい女の子みつき
元気でたまにでる優しさに友達から好まれてるらしい
今日もまた、あいつの声がうるさいと思いながら今日もまたあの"いつもの"駄菓子屋でみつきの好きなチョコアイスを一つと適当に選んだ自分のアイスを買う
たき 「俺が金欠なの知ってるよな?ったく…」
たきはとにかくめんどくさがり屋で、普段からちょっと悪い口調で優しくないとよく思われがちだが思いやる心は一応、あるらしい
みつき「そんなん知らんしー、じゃんけん弱いのが悪いで!同じの出す癖そろそろ直したらどうや?笑」
たき 「じゃんけんは運やろ!お前は強すぎなんだよ、てか別に俺同じのだしてねぇし」
みつき「あ、今日は咲ちゃんの分も買ってや」
咲ちゃんって言うのはみつきの親友らしい。最近はよくこの三人組で仲良く遊んでる優しくてこの街では珍しい大人しい子
たき 「なんでよ、咲って今日学校休んだよな?前から風邪っぽいのにアイスなんかやるかよ」
みつき「だって咲ちゃんきっと喜んでくれるよ!咲ちゃんめっちゃアイス好きだもん」
たき 「だからなんだよ、、こっち金欠だわ…おばちゃーん抹茶ソフトも追加でお願い」
選んだアイスをレジに起き咲の分のアイスを渋々買う
たき 「…あざっす、ん、これで満足か?」
みつき「まぁいいでしょう。笑明日もよろしくね?」
たき 「ふざけんな笑金欠だって言ってるよな?買うわけねぇだろ笑」
みつき「…あ、!こういう時はレディーファーストなんでしょ?たきくん」
たき 「なんだよそれ、また意味わかんねぇの思いつきやがって…それならボーイファーストだわ」
みつき「あー!パクったー!だーめだっけダメだっけ!先生に言ってやろ!たき、パクリは良くないよ?うちが最初に思いついたんだからさ」
たき 「なんだよ笑うっぜぇーこいつ、、すっげーうぜぇー、アイス買ってやってるんだから感謝しろ」
アイスが溶ける前に自転車をこいでみつきの家に向かいたいけど、、みつき家坂多いんだよな、、
みつき「もう限界なん?」
みつきが余裕そうな顔でたきを見つめる
たき 「俺坂苦手なの知ってるだろー、」
みつき「でも着いてきてるのはたきだよねー?」
たき 「くっそ…今日セミうるさすぎ、、みつきの家の周りってそんなに木とかあったっけ、、」
いつも気にしていなかった坂の周りや住宅街などを見回すといたる所に木が植えてある
たき 「めっちゃ木生えてるじゃん、、」
みつき「今気づいた、?笑いつも必死に自転車漕いでるから分からなかったんやね」
たき 「お邪魔しま〜す」
たき 「…今日ってみつきの親仕事終わるの遅めなん?なんや静かやけど」
みつき「あー、せやで、六時くらいまで仕事してから帰ってくるって!だから沢山騒いでも大丈夫やで笑」
たき「なんだよいつも俺が騒いでるみたいな、、、
ったく、にしてもほんとみつきは元気だよなー女のくせに…ゴリラかよ笑」
みつき「なんか言った?」
たき 「ん?なんも言ってないけど?」
みつき「ほんと最低だわー、、これだからいつも女の子からモテないんよ?」
たき 「はいはい」
みつき「もう、、あ!たき!アーイース!溶ける前に早く食べよ?今日暑っついしすぐ溶けちゃう」
たき 「あ、うん」
みつき「咲ちゃんのはうちが帰りに送っとくね
みつき「たきと咲ちゃん家遠いでしょ?」
たき 「まじ?助かるー、これ以上坂登りたくなかったからまじ助かるわぁ、ありがとうな」
みつき「いい加減坂慣れてよねー、、」
たき 「お前は女の癖して筋肉ゴリラか?笑」
みつき「あー!ゴリラって言ったなー?明日先生にチクるで!坂登ってるだけ!あと女の子って言って!」
たき 「ほんとおまえは細かいなぁ、、女って言ってもいいだろ、」
みつき「ダメなの、!てか別に細かくてもいいし」
たき 「夏祭りはお前がりんご飴奢れよ?」
みつき「えー、、うち今年も祭りの手伝いで太鼓叩かなあかんのにー、」
たき 「今年も叩くん、?毎年大変やなぁ、俺は呑気に咲達と祭り回ってるわ」
たき 「咲とみつきの分の抽選券買っとく?」
みつき「え、まじ?いいの?今年たしかあれよな?んーと、、五○○○円じゃなくて、、」
たき 「ほんま忘れん坊やなぁ一万円チケット…!」
みつき「…あー!せや!まじで今年だけは当てる」
みつき「小学生最後の夏祭り!主役はうちやでー!」
たき 「はいはいはいそやねー、去年は、、五○○○円当たったっけ?地味に運いいよなー」
みつき「でしょー?うちすごいんやから」
みつき「夏が終わる頃に夏祭りあるのなんかエモくて好きなんだよねー、、」
たき 「俺未だにエモいって言葉分からんのやけど、
みつき「ほんとそれくらい自分で調べとけ、」
たき 「調べるんめんどくさいやん、、」
たき 「…夏祭り終わったらもう小学生の夏ももう終わりやしな笑…今年はいい天気だといいけど」
みつき「そう考えたらうちら小学生生活も終わりやね、なんか寂しいわ。ま、どうせ人数少ないせいで中学校皆クラス同じやけど」
たき 「…たしかに笑良く考えれば一緒やん」
たき 「そういえば、みつきって卒業式何着るん?」
みつき「うち袴着るよ〜」
たき 「は?ずっる、俺スーツやで、、?」
みつき「どーんまい、スーツ似合うくらいかっこよくなってよ?卒業式写真とるんだし」
たき 「別に、かっこよくなくていいわ」
みつき「ほんまにたきったら、、うちそろそろみつきちゃん家にアイス送ってくるな!」
たき 「ん、はいはい、いってらー」
たまにあいつは、弱みを見せてくれた
みつき「たきー、、うちあの高校諦めようかな、」
たき 「なんで?一緒にあそこ行きたいって言ってなかった?
みつき「そうだけど親がさー、」
とか、
みつき「ねーたきお願い、!今回だけでいいから相談乗って、!まじで最近色々ありすぎてる」
たき 「え?いや、別に何回でもしてええよ笑」
とか、強がってる姿だって、すぐに守りたかった
みつき「やっぱうち将来の夢諦めよっかなー、笑先生と親にも反対されちゃった笑大人しくOLになろっ」
俺の目の前で泣く姿を見れた時はなんだか嬉しかった。信用して貰えたんだなって。俺と居たら安心できるんだって、嬉しかった。こんな嫌いな女を気にしてる自分がいちばん怖かったけど笑
たき 「よし、高校受かったぁ、、あいつ、どうかな」
なんて何回もあいつのこと気にしちゃったりして、もしかしたらほんとにみつきのこと好きだったのかもな
みつき「たーき!高校受験頑張ったし今回は特別にアイスうちが奢ってあげる」
たき 「まじ!?やったぁぁ、じゃあせっかくやしハーゲンダッツお願いな」
みつき「ねー最悪、、高いやつじゃん笑」
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あの時はみつきもうるさかったなー、、
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みつき「たき!うち高校受かった!ねーやばい泣きそうだからこっち見ないで、!」
たき 「お前が俺の事呼んだやろ、ほんと泣き虫さんやなー、笑笑」
みつき「こんなの泣き虫じゃないから!」
たき 「はいはい笑わかってますよー」
みつき「人をからかうのだけは上手なんだから…あ、そういえばたきは高校受かった?」
たき 「あー、当たり前に受かったで」
みつき「やったぁー、これで小中高全部一緒やん!」
たき 「なんでずっと一緒やねん、、俺もっと可愛いくて優しい女の子とこんな人生送りたかったわー」
みつき「はぁー、?失礼やなー高校行ったらうちモテモテで困るんやでー?」
たき 「なわけないだろ笑中学でもモテなかったのに?高校はどうなっちゃうんかなー?」
みつき「ほんま最低やなー、、モテないんじゃなくて恋人作らないの!だって興味ないんだもん、」
たき 「はいはい図星突かれたからからって言い訳はもう勘弁してなー、?」
みつき「はぁ、、ま、誰もいい相手みつからなかったらたき付き合って貰うからな?さすがに毎年ボッチは嫌やからさ笑」
たき 「付き合うのは別にいいけどみつきより先にめっちゃかわいくて優しい彼女ちゃん作っちゃうからお前が頼む頃にはもう無理かもな」
みつき「まぁでもうちはたきのこと好きやけどね!」
たき 「…え?」
みつき「え?笑ほんとだと思った?冗談やん笑」
たき 「うわマジびっくりした笑笑トーンリアルなのやめて笑俺が馬鹿なの知ってるやろ!」
みつき「期待してたー?笑笑たきくんかわいね照れ屋さんじゃーん笑」
たき 「期待してないし照れ屋でも可愛くもないわ!お前はアホか!」
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?「たきー!はよ学校行こ!遅刻するで!」
?「本当はうちのこと好きなんやろ?笑」
?「坂ぐらい登るのいい加減慣れて!」
?「たきごめんやけどちょっと相談聞いて」
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たき 「…みつきが、、事故死?は?なに言ってん、嘘嫌いやで俺……葬式明後日?…あいつまだ高校生だよな?なんで今なんだよ事故死なんか嘘でも聞きたくなかった…歩いてたら車が飛び出してきた?最悪、、」
咲 「たきくん、!みつきちゃんがっ!…って、もう親御さんから連絡来ちゃった、?」
たき 「一緒に高校卒業するってお前が先に言ったやん、、ミサンガまで手作りでくれたのに…」
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たき 「もう死んで1年やで?みつき、またあのうるさい声とか愚痴とか歌ってるとこ聞かせてや笑アイスも買ったるで。仏壇も俺が綺麗にしてんのほんまに感謝しろよ。ほんま笑…寂しいんやから」
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たき 「最近ずっとアイス食べすぎて頭いてぇ……今年もチョコアイスあいつに奢ったるか、」
(みつきの仏壇に未開封のチョコアイスを置く。もう帰ってこないあの顔と声が頭に浮かんで目元が熱くなる)
たき 「…最期までほんと怖いことするんやから」
咲 「いつも怖くないでしょ笑、、」 たき 「みつき、声聞かせてや、俺もう忘れちゃうで?忘れたくないから音声残しておいた俺賢いな」
咲 「自分で賢いって言わないで笑」
たき 「…ほんとにあいつ俺の事好きだったのかもな、俺笑ほんとみつきってツンデレやからなー…」
たき 「事故死とか、早く死にすぎやろ、何呑気に歩いてすぐ死ぬねん、ふざけんな」
咲 「…泣かないでよ…もう2年目なんだから慣れて、私まで泣いちゃうから」
たき 「2年目とか関係ねぇし、てか泣いてねぇよ…」
一度だけでもあいつにまた会いたかった
一度でもあの顔を見たかっただけなのに
一度だけでもあの声を聞きたかったのに
ただ、ただそれだけなのに自分の目から
こんなにも涙が溢れ出てくる
みつき「たき!好きやで!」
あの言葉を冗談でもいいから、また聞きたい。そう思いながら今日も、みつきの仏壇にアイス一つと花束をガラス物のようにそっと優しく、置く。
たき 「…一生一緒って言ったのにな、俺本当はみつきのこと好きだよ、?だから…」
たき 「来世で付き合おうな?世界で1番…可愛い」
「みつきちゃん」
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完結