テラーノベル
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「………23時…」
静かな部屋に秒針の音が響く。
ふと浮かんだメロディを形にしようと制作し始めたはいいものの、気付けば数時間を溶かしていたようで。
椅子の背にもたれて、肩の力を抜くように息を吐く。
机の上に放置していたスマホの画面を開くと、未読のメッセージ通知が届いていた。
下で待ってるね、という旨のメッセージ。
それも3時間前に。
「え、うわ」
急いでトーク画面を開き、表示された数時間前のメッセージに思わず溜息が零れる。
嘘でしょ、完全に忘れてた。
何となく寂しくて、独りでいるのが少し嫌になって。
この孤独を埋めて欲しかったから。
だから来て、って呼んだのに。
楽曲制作を始めたらいつの間にか、って言い訳にもならない。
とりあえず下、行かないと。
もう 帰ったかな。
帰られてたとしても仕方ないか。
待っててくれたとしても申し訳ないし。
なんて考えてみるけど、行ったり来たりと巡る思考は建前でしかない。
本音言っていいならそりゃ会いたい。
待ってて欲しいよ。
自分勝手なのは分かってるけどさ。
少しだけでもいいからその顔を見たい。
一瞬でもいいから触れたい、って。
我ながら我儘すぎる。
自分の傲慢さを嫌という程に再確認しながら部屋を出た。
階段を降りて、リビングへと向かう。
はずだったんだけどな。
「あ、終わった?」
何年も前から聞いていた、馴染みのある声。
毎日のように聞いているはずなのにこんなにも嬉しいって、相当だな。
返事を返す間も、若井が口を開く間も与えずにその腕を引く。
そのまま背中に腕を回し、体温を感じるように体をぎゅっと寄せた。
「お疲れ様」
柔らかい声が胸の奥で溶けるように響く。
回した腕に力を入れて身体を預けると、擽ったそうな笑い声に肩の力が抜ける。
「なんで居るの」
「なんでって元貴が呼んだんじゃん」
「帰ったかと思った」
「帰らないよ、笑」
いつもの調子で当たり前みたいにそう言う若井が気持ちを溢れさせた。
どうしようもなく嬉しくて、口元は緩みきったまま。
「様子見に来て良かった」
抱き締める力を優しく返しながら若井が笑う。
「入るつもりはなかったけど、生存確認」
「生存確認て」
心配してくれたんだ、なんて素直に嬉しくなる。
あ、なんか今だめかも。
何言われても何されても全部嬉しい。
嬉しいのは若井だからだろうけど。
抱き締めた身体に全力で体重をかけてから、
一度腕を離す。
「部屋入んないの」
部屋出た瞬間若井に会って、そのまま。
ここから一歩も動きたくない、なんて思う程には絆されてる。
「1時間は出れなくなるけどいいの?」
悪戯に笑い、その手を引き寄せながら後ろへ数歩下がってみせる。
されるがままに手を引かれ、小さく笑って1時間?と繰り返す若井。
本気の熱を冗談らしく隠してたはずだった。
軽く笑って流れるような、そんな冗談。
「1時間だけでいいなら、ね」
あれ。
全然隠せてない、かも。
その肌に触れずとも重ねた視線だけで熱を感じられるようで。
いつの間にか絡んだ指先は 触れているだけかのように軽く結んだだけなのに。
どうやっても離れられそうにない、なんて。
多忙故、更新が遅れ……ッ
大分落ち着いてきたのでもっと沢山書きたいです書きます(遺言)
コメント
14件
3時間も待てるのは若井さんしかいないのよ…

いちさぁぁぁぁんっ!! 読むのが遅くなりましたぁぁぁぁ!! スライディング土下座!! ε≡ ヽ__〇ノ… _| ̄|○ いやいやいや、1時間で終わる訳がないっ!! いやっ!!むしろ、1時間以上かけていただかないと納得(?)いきません!!!
お久しぶりだぁ😿😿 ほんっと幸せすぎますね‼️‼️ 離れたくないんだなぁって母性が湧いてきてしまって… 若井サンがいい男すぎますね🤦🏻♀️🤦🏻♀️🤦🏻♀️