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ヘリオトロープ⑭
大森side
大森(くそ、最悪だ、〇ねっ!!)
このクソ忙しい時に、急に部長に呼び出された
部長「いやぁー、大森くんの活躍はよーく聞いてるよ」
大森「いえいえ、僕はまだまだです」
部長「そんな謙遜しなくても……近々君を上に上げたいって思ってるんだから」
大森「あ、ありがとうございます」
部長「それで、今のプロジェクトの進捗はどう?」
大森「プロジェクトの方は……」
最初の話はいい
上にあげようとしてくれているのは、俺にとって嬉しい話もあったし、プロジェクトの話も滞りなく進んでいることを伝えられたから
だが、その後だ
大森「……のような感じになってまして、武智、花江は率先してやってくれてますし、若井も今回のプロジェクトで実力以上の力を発揮してくれているので、このまま順調にいけばなと思ってます」
部長「うんうん、流石大森くんが選んだ人選だね」
大森「僕が凄いのではなく、彼らが凄いんです」
部長「いやぁー、やっぱり君は凄いね…………実は今日呼び出ししたのにはもうひとつ用事があってね」
大森「僕に……用事……ですか……」
部長「今、大森くんは、恋人は居るかね?」
は?コイツ、何急に聞いてきてんだよっ
しかもむちゃくちゃプライベートなことを聞きやがって……
これ、俺が男じゃなかったら、今の世の中セクハラで訴えられてもおかしくないぞ?
大森「……いえ、今は居ないですね」
部長「実はさ……僕に娘が居るんだけさ」
大森「は、はぁ……」
待て待て待て、この流れは絶対娘を紹介する流れだろっ
部長「うちの受付に居るんだけどさ、大森くんも見たことあると思うんだよね」
大森「受付に居られるなら……多分見てますね」
コネ入社の娘かよ!最悪だ、無理すぎる
部長「受付で髪が茶色のロングの子なんだ」
#fjsw受け
ころろん
409
kurara
7,721
🎹
13
大森「すみません……ちょっとどの人か分からないです」
……本当はわかる、あいつだ
いつも俺に目線を向けながら挨拶してくる女
しかも、めちゃくちゃ香水臭い
自分では適量だと思ってんのかもしれないが、1度、客案内の後か何かで廊下ですれ違った時に、ありえない匂いを漂わせていた
部長「そうか……じゃあ、今から呼ぶからちょっと話してみないか?」
は?は?は?
このクソジジイ何言ってんの?
大森「いや、娘さんも仕事中ですし、大丈夫ですよ」
部長「僕が呼べばすぐ来るよ?他にも受付には人が居るし……ね?会って食事するだけでもいいからさ」
あーーー、しつこいっ!!
最初は会うだけって言ってたのが食事?あんな臭い女と食事に行ったら周りに迷惑だわ
部長「僕が言うのもなんだけどウチの娘はさ」
大森「部長」
部長「料理はあんまり得意じゃないけど愛嬌があって」
大森「部長っ」
部長「あ、ああ……すまんすまん、娘のことになるとつい」
大森「あの、僕……今お付き合いしている人は居ないですけど」
部長「うんうん、さっき言ってたから知ってるよ、だから」
大森「部長聞いてくだい、でも、僕……好きな人が居るんです」
部長「うんうん、大森くんに……え、好きな……人」
大森「はい、ですので、娘さんのご好意は受けれないんです」
部長「あーーー……うん、それはそう……だね…………でも、せ、せめて1回だけ食事でも……」
大森「すみません僕、期待させるような事はしたくないので」
部長「……うん、そうだね。僕が悪かったよ……無理を言って本当に申し訳ない。娘にはちゃんと言っておくよ」
大森「こちらこそすみません」
部長「いや、君がそんなふうに誠実だからこそ、娘も君が気になったんだろうね」
大森「いや、誠実だなんて……」
部長「十分誠実だよ。長い時間忙しいのに引き止めて悪かったね」
大森「いえ、大丈夫です」
部長「今後の君の活躍を期待してるよ」
大森「ありがとうございます、では、失礼します」
部長「あ、大森くん最後にひとつ聞いてもいいかい?」
まだ何かあんのかよ……
大森「あ、はい」
部長「その……好きな人に……振られたら……娘と……」
大森「部長……僕が振られると思いますか?」
部長「……ふ、あはは、確かにそうだ。何度もすまなかった。もう何も言わないよ」
大森「では今度こそ本当に失礼します」
バタン(扉を閉める音)
はぁぁぁ……
マジであのクソじじい……クソどうでもいい話すぎるだろ
自分の娘が可愛いからって甘やかせすぎ!!
すぐに呼び出したら来るだと?
仕事なんだと思っているんだっ!!結婚までのただの腰掛けぐらいに考えてる女なんてろくなもんじゃない。これだからヘラヘラした若い女は……
あ、
その前に俺、もう女無理だったわ
はぁぁぁ……こんな皮肉なことを俺が考えるなんてほんと無駄な時間と労力を使ってるんだな、としみじみ思いながら自分のオフィスへと戻った
.
.
.
オフィスに戻れば、部署内は人が疎らになっていて、時計を見れば定時を過ぎていた
若井のデスクに目線を移すと、そこには若井の姿はなかった
……帰ったのか……
今日の朝、若井は何も言わなかったのだから帰って当然だ。
散々涼ちゃんに邪魔をされて、ふたりで話なんて出来なかったんだから
『涼ちゃんのこと、説明する』
それすらも説明出来ていなくて、昨日は涼ちゃんの家に俺は泊まった……
見限られて当然だ
とりあえず今日中に目を通さなければならない書類に目を通したら帰ろうと思いつつ、書類を見ても頭に入ってこない
やらないといけないとわかっていても、昨日、今日と色んなことがありすぎた上に、若井のことが気になっている
大森(…………ダメだ、集中出来ない)
俺は今やるのを諦めて、残った書類の急ぎの物だけを鞄に入れ、オフィスを出た
週末家でゆっくりと過ごして、頭と気持ちを切り替えようと思い、エントランスを抜け、会社を出た時
「……ん」
「主任」
そう呼ばれて声のする方を向けば
大森「……わ、かい……」
そこには若井が居た
コメント
3件

ぶ、部長....。娘さん溺愛しすぎて........ヤバイ人になってますよ。 大森さんも大変ですね。こんな部長の娘さんに好かれるとは....。 まあそんなことは置いといて(え?)、若様の太陽スマイルお素敵ですねぇ。 若井さんが太陽くんと呼ばれる理由は、やはり笑顔....??🤔 kuraraさんの絵柄で見る太陽スマイルは、太陽すぎて眩しいですね(??)!
大森の心の声と、部長に丁寧に対応するギャップがすごくて笑っちゃった😂「女無理だったわ」で急に自分にツッコミ入れるところ、大森さんらしくて好きです。最後に若井が待っててくれた場面で、ああ続きが気になる…!ふたりの会話、どうなるんだろう。