「プルるるるる」
ローレンはソワソワと緊張をしながらスマホのホーム画面をスライドさせる。
🗝「はい!もしもし」
ローレンは本人よりも緊張しながら電話に自身の声をのせる。
🎲「…あ、ローレン?…受かった!」
葛葉の嬉しそうな声が聞こえる。
🗝「くっさん〜!!まぁじで」
🗝「おめでとう!!」
ローレンの声が無意識に高くなる。
12月半ば澄んだ空気の中、雪がゆらゆらと舞う季節に葛葉の大学合格が決まった。
🎲「今ローレンの家向かってる、会いたい」
ここ1ヶ月葛葉は塾に篭もりっぱなしでローレンと触れ合うこと無く勉強に集中していた。
🗝「うん。俺も会いたい」
1ヶ月ぶりの口頭での会話だった。
早く会いたい。その気持ちが素直にローレンの身体を動かす。
「ローレンっ!朝ごはんは?!」
🗝「帰ったら食べる!」
後ろから聞こえる母さんの声を遮り、ローレンは薄着のまま玄関から飛び出す。赤いマフラーを無造作に首に巻き付け、駅まで走っていく。白い息を吐きながら冷たく澄んだ空気をまた吸い込む。駅のホームに着き、ぞろぞろと人が出ていく中ローレンは大好きな恋人を探す。
🎲「ローレン!」
名前を呼ばれた瞬間振り返ると、力いっぱい抱きしめられる。
🎲「はぁーローレンだ」
ローレンも葛葉を抱きしめ返す。
🗝「学校では極力近づかないって約束だったのに、くっさん移動教室の時とか俺の事見すぎだよ笑」
ローレンは目を細めながら笑う。
🎲「別に見るのはダメって約束してなかったじゃん笑」
🎲「それにその約束も今日で終わり」
葛葉はそう言いながら自分が着ているコートをローレンに羽織らせる。
🎲「お前鼻水垂れてんぞ笑」
葛葉は愛くるしいという表情全面でローレンの鼻水を拭く。
🗝「ズビッ」
🗝「これは寒いから」
鼻声でローレンはそう言う。
🎲「ローレンのお母さん今日家にいる?」
🗝「居るけど…」
🎲「挨拶、行かせて」
🗝「ぅえぇ?!」
🎲「半年ほど前からローレンとお付き合いをしています。葛葉と言います。報告が遅くなり申し訳ありません。」
葛葉が律儀に頭を下げ、菓子折りを渡す。
リビングで向き合う形で座っている母さんはびっくりしている様子だ。ローレンは何か嫌な予感がする。
「あらあらあら、まぁまぁまぁ😳」
「こんなかっこいい人がローレンの恋人なの!」
「お母さん困っちゃう…///」
何処ぞの婦人かと思うぐらいのジェスチャーがうるさい。
🗝「母さんは困らなくていいよ」
「ちょっともう!早く言ってよローレン…///」
何かに恥ずかしがっている様子だ。
🗝「何俺のくっさんに照れてんの???」
「葛葉くんは今何年生なの?」
🗝「ねぇ!!」
🎲「3年です」
「あら?!だったら今忙しい時期じゃ…」
🗝「…っくっさんは有名私大の医学部合格したばっかりなの!」
「えぇぇぇ!!医学部?!ハンサムな上に頭もいいなんて、」
🎲「お、お母さんも立派な医師だとローレンから聞いております。」
ローレンは母からの視線を感じる。
🗝(こっちをみてニヤニヤしないで欲しい)
「うふふ☺️」
「どっちから好きになったの?」
🎲「俺からです。」
「きっかけは?」
🎲「俺の…一目惚れです…///」
🗝「…///」
🗝「…っくっさん照れてるから恋バナはまた今度にしてよ!」
そう言い葛葉を帰らせまいと粘るローレン母だったが、休日でありながらも病院から呼び出され出勤する立派な医師でもあった。
コメント
2件
シチュエーションからめっちゃ好きです.....、特にlrさんが薄着のまま家を飛び出していくところの描写と、kzhさんと会うときの描写、、、幸せ空間過ぎました…最高です💕︎︎