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ーPage2 「知る」の恐怖ー…夕焼けの屋上ーー前の扉。
うちの学校には屋上前にロッカーや、机。椅子など他校より屋上前が充実している。
(屋上前の充実ってなんだよ、というツッコミは置いといて…。)
「…来るかな。神楽さん。」
来なくても別に良い。だけど僕には分かる。ーきっと彼女は来る。
ただの過信でしかない。本当に彼女は来ないかもしれない。
でも何故だか僕の心の中で「彼女は来るよ。」と言っているんだ。
僕は僕を信じる。だから僕は彼女は来ると信じている。
「…何の用だよ。」
来てくれた。やっぱり彼女はそういう人だ。
君が欲しい。そう言ったら彼女を僕の物に出来る。
「君が欲しいよ。君が好き。本当に。」
「…断る。あたしはそーゆうの嫌いなんだよ。誰かに縛られたくはない。」
「どうして?僕は身長だって高いし、頭だってある程度良いし、顔立ちも良いし、お金だってあるよ。何が欲しい?なんでも揃えるよ、だからー」
ダン!
「…っせーな。お前、言葉分かる?あたしは今「断る」っつったんだよ。それ以上でもそれ以下でもない。」
「…話はそれだけ。じゃあな。」
…どうして?欲しい物なら何でもあった。声を出さずとも勝手にまわりにあった。
ー僕がおかしいの?
その日、彼は初めてまわりとの違いに気づいてゆく。
ーー………
…なんなんだ、あいつ。確かにハンカチはひろってもらったが告白?いきなりだぞ?まだ会って1日もたっていない。それに…
あいつだってどうせ”神楽一族”に目付けてるだけだろ。
別にあいつに期待していた訳じゃない。むしろあんな性格なやつはあたしが一番嫌いなやつだ。
ーじゃあなんであたしはあいつの呼び出しに素直に従った?
可憐なお嬢様でいたかった。誰にでも好かれる”神楽彩芽”でいたかった。
「やめて、やめて、やめて。」
ーあいつに優しく声をかけれるような人でありたかった。
「やめろ!!」
…全部あいつのせいだよ。
「…それは違うよ。」
なんで。どうしてそう言い切れるの。もう傷付くのは嫌だよ。
「違う。あいつは…」
「あいつはあたしを知ってる。」
知ってるなら余計だよ。邪魔だよ。
「とにかく、黙ってて。」
なんでーー
「あんたが望むような面白くて残酷な展開を見せてあげるよ。」
…?
「楽しみに待ってな、”もう一人の彩芽”。」
バタン…
ー屋上前の静寂。嵐の前の静けさ。
本心で人を愛せない少女。”彩芽”という華。
欲しい物は何でもあった少年。”透”という華。
二つの華は少しづつ、狂い咲く。