フレアやシンカと交わった。
そして、同日の深夜。
「イリス。終わったぞ。……む!?」
余が寝室のドアを開け居間に入ると、そこには予想外の光景が広がっていた。
「んっ! あ、ああ……。ディノス陛下ぁ……」
イリスが、一心不乱に自らの股をまさぐっているではないか。
右手の指を自分の中に挿入し、左手は胸の先端をつまんで……。
「んん……、はあぁ……!」
どうやら、自慰をしていたらしい。
余が部屋に入って来たことにすら気付かないほど、没頭していたようだ。
「おい、イリスよ」
「……!? ひゃうっ!! だ、誰っ……?」
余が声を掛けると、イリスはビクッと身体を震わせてこちらを見た。
「余だ。何をしている?」
「あ……、あ……」
余が近付いて行くと、イリスは立ち上がった。
彼女はそのまま後ずさりをする。
だが、すぐに壁に行き当たった。
逃げ場はない。
「あ……、あの……。これは……その……」
「何だ? はっきり言わんか」
「うう……」
余が詰め寄ると、イリスは顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。
「まあ、言わずとも分かるがな。発情など、生物であれば当然の生理現象だ。何も恥じることなどあるまい?」
そう言って、余はイリスを抱き寄せる。
「あう……」
すると、イリスが潤んだ目でこちらを見てきた。
「だが、いいところで中断させたのは悪かったな。余の落ち度だ」
途中で意識を逸らされれば、不完全燃焼になるのも仕方ないだろう。
「そ、そんなことは……」
「詫びと言っては何だが、今日は存分に可愛がってやる。続きを見せてみろ」
「え? つ、続きなんて……」
余の言葉に戸惑ったのか、イリスが目を泳がせる。
「遠慮するな。余が続きを見せろと言っているのだ」
「うう……。はいぃ……!」
余が命令口調で言うと、イリスがおどおどしながらも再び行為を始めた。
「はぁ……。ん……、ふぅ……! あっ……、あんっ……!」
先ほどの余とフレアやシンカの交わりを覗いていたのだろうか。
それを思い出しながら、自分を慰めているようだ。
だが、イマイチ集中できていないらしく、絶頂には達していない。
「イリスよ。貴様の本気はそんなものなのか?」
「えっ……!?」
余が言うと、イリスが驚いたような表情を浮かべた。
「余が見てやっているというのに、その腑抜けた指使いはなんだ。余の期待に応えたいのならば、本気でやってみせろ」
「うう……。し、しかし……。恥ずかしいのです……」
イリスが逡巡する。
めずらしいな。
彼女が余の意向に従わぬとは。
ここは彼女の意思を尊重するのも1つの選択肢ではある。
だが、フレアとシンカが自らの殻を破ったのを見て、イリスにも何かきっかけを与えてやりたかった。
ここは魔眼の力を使うとするか。
「これでも意思は変わらぬか?」
魔眼を発動させ、イリスの目を見ながら言った。
「うっ……。ぐ……。しかし、魔眼ならわたしも負けません……!」
イリスが魔眼で対抗してくる。
彼女は古代種として、高い魔力や身体能力の他、魔眼の扱いにも秀でている。
魔族の頂点に立つ魔王とはいえ、それに対抗することは難しい。
だが、それは並の魔王であればの話だ。
「くはははは。魔眼で、余に勝てるとでも思ったか?」
余は目に魔力をさらに込め、イリスの目を正面から見据える。
歴代魔王の中でも最強の余であれば、古代種のイリスであろうと競り勝つことができる。
「う……あ……」
イリスの魔眼による抵抗を突破し、半催眠状態に追い込んだ。
畳み掛けるなら今だ。
「余は、お前を信じている。だから、恥ずかしくても見せてくれ。大丈夫だ。余は笑ったりしない。自らを解放しろ」
「……はい」
よしよし。
無事に暗示を掛けられたな。
……ん?
「あ……、ああ……。あ……!」
突然イリスが指を激しく出し入れしだした。
そして、次の瞬間……!
「あひゃあぁんっ!! はひいいぃっ!!」
イリスが甲高く叫んだかと思うと、腰を突き上げ盛大に潮を吹き出した。
「おお……」
すごいな。
あれだけ自分でやっておいてなんなのだが、余ですら感心するほどだ。
これが古代種のイリスの全力の姿か。
さすがは余の側近である。
こうなってしまえば、あとはイリス自身が求めているままに快楽を貪っていくだろう。
その後の数分間、彼女はイキ狂った。
そして……。
「あ……、あ……」
ようやく落ち着いたイリスがその場に力なく倒れた。
全身汗だくだ。
さすがに体力の限界か。
とはいえ、古代種である彼女は少し休んだら回復するだろう。
余の計画を実行するのは今だな。
「念入りにほぐしてくれたようだな。大義であった、イリスよ」
そう言って、余はイリスを褒めてやった。
「はい……」
イリスが呆けた顔でこちらを見る。
イキ狂ったことによる疲れと、魔眼による催眠の影響が残っているのだろう。
余はそんな彼女に近付くと、足を大きく開かせて秘所を露わにした。
「あっ……?」
イリスの顔が驚きに染まる。
余が何をしようとしているのか察したらしい。
まあ、ここまですれば誰でも分かるか。
「ん……あ……」
余に見られて興奮しているのか、ヒクついている。
そろそろ頃合いだろうか。
そう判断して、余はゆっくりとイリスの秘所にモノをあてがう。
だが……。
「……はっ! こ、この状況は……?」
イリスが正気を取り戻したようだ。
いいところだったのだが、暗示が解けたようだな。
「イリスよ。貴様のおかげで最高の気分になれそうだ。礼を言うぞ」
余はそう声を掛ける。
そしてイリスの太腿を掴み……。
「えっ? ダ、ダメですっ!!!」
イリスが両手で余の胸を押す。
ドゴーン!
余は部屋の壁に叩きつけられてしまった。
さすがに、これほどまでの抵抗は予想外だ。
「ぐ……。痛いではないか、イリスよ。そんなに余と交わるのが嫌だったのか?」
魔眼の効力が解けた途端にこれとはな。
余はイリスの伴侶として不足していると判断されてしまったのか。
「い、いえ! そういうわけではないのですが……。し、失礼しますっ!!」
イリスは慌てて立ち上がり、翼を広げ……。
バサッ!
窓から飛び立っていった。
「むう……。いったいなんでこんなことに」
余は首を傾げたのだった。
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