あ、お久しぶりです。 今回はバリバリモブ出てきます。
「糸師凛さん、ですか?」
「あ?」
声をかけてきた女は知り合いではないが見覚えがあった。 確か、潔世一の3人目の、彼女だったか。つい最近別れたと言っていた。あぁそうだ、あの日オカッパが意味のわからないことを言って…
で、なんでこの女は自分に話しかけているのか。凛はただひたすらに疑問だった。
「なんか用かよ」
「突然なんですが、付き合ってください!」
「は、?」
は?何を言ってんだこいつ、意味わかんねえ。そんなの、
「無理に決まってんだろ」
「お願いします!ほんとに好きなんです!」
「…はぁ?」
本当に何を言っているのだろう。
「だから無理って言ってんだろ」
「お願いします!絶対好きになってくれると思います!」
こいつ…ついこの間まで潔と付き合ってたんじゃないのか?男遊びがすぎないか?
こんな奴に好かれてた潔はクソざまあ無えなとか思いつつ、女を撃退する方法を考えた…
「ほんとに付き合ってください!」
(しっつけぇ…!!)
数十分経っても女は動こうとはしない。…いや、おかしいだろ。好きになってほしいのなら諦めろよ、いや、?どういうことだよ、と、勉強のできない凛の頭はこんがらがっていた。でもこれだけは分かる。
(どうにか理由づけして諦めさせなければ…!!)
だって今日は大好きなにいちゃ……クソ兄貴と予定があったからだ。
その頃潔世一は買い物に出掛けていた。…が、どうにかして凛に会いたくて神奈川にまで来てしまったのだ。まあ当然ばったり凛に出逢っちゃった〜!とかそんなことは起こらないとわかっていた。でもそのほぼ0%に等しい確率を信じようと思ったのだ。
「ここは街の方だから結構人が多いなぁ…いや、多すぎね?」
自分が向かっている方向に何故か人だかりができていた。何が起こっているのかと潔は耳をすました。
「ねえ、あれってさ」「お願いします!」「え、やば」「やっぱそうだよね?!」「無理に決まってんだろ」「有名人って大変だな」「待って人多すぎない?」「それな〜」「動けないんだけど」
なんか有名な人でもいるのかな…、いや待てよ?
無理に決まってんだろって言ってんのはもしかして…
「…凛?」
潔は凛の声に気がつき、人混みの中に入っていった…
凛は逃げ道を探していた。いっそのことこの場から離れれば良いと思ったのだ。人混みの中に目をやる。その時だった。
藍色の瞳と目が合った。
「おい潔!!こっち来やがれ!!」
「はい?!?!」
「え?潔くん?!」
潔は訳もわからないまま凛へ近づく。そこには何故か焦っている凛と自分の元カノ③がいた。すると凛が小さめな声で言った。
「どうにかしてこいつを追い払え」
か、かわいい〜〜〜〜!!!ナンパされて俺に助けを求めてる凛かっわいい〜〜〜!!!しっかたないなぁ、この可愛さに面して助けてやる!!!!
……どうやって?
待てよ?!このまま「凛と付き合ってるの俺だから!無理!!」とか言っとけば凛を助けることができるし凛と付き合ってる既成事実ができるのでは?!?!
凛の可愛さで頭がやられている潔にはこんなバカなことしか考えられなかった。
「凛と付き合ってるの俺だから!無理!!」
「…え?」
「はぁ…?!?!」
「り、りん、お願い、ちょっとそういうことにして?」
「…チッ」
了承…でいいのか。
「潔くんって最低ね!私と付き合ってたのにすぐ別の人捕まえるんだ!!」
「は??お前もだろ。てか凛とはちゃんと昔(ブルーロック)から一緒にいるし仲良かったし!!」
嘘である。
「お前に振られた時も話聞いてくれたし?!?!」
嘘である。
「一緒に出かけたことあるし?!?!」
とんでもない嘘である。
「ということだから!!じゃ!!!」
…大失態だ。
「おい潔テメェ!!!!」
「すんませんでしたああ!!!」
案の定凛にキレられることになった。まあそんだけのことをしたのかもしれないけど。
「今から兄貴と予定あるってのに…」
「え、仲良いの?」
「…まあまあ」
「ふーん、」
なんとなーくってところなのか。まああの頃よりかは良くなったんじゃないかなと思う。知らないけど。
「で、潔!!さっきのはどういうことだ!!」
あ、また切れた。
「なんで、俺とお前が、」
「付き合ってるって!!!!」
「おい凛、どういうことだ?」
「ぇ、にいちゃ、?」
…死ぬかも。潔は思った。
お読みいただき有難うございます♪少し遅くなってしまい申し訳ありません。
一応次で終わりかなあとは思っております。一応。
では!次回「冴と潔の大乱闘スマッ●ュブラザーズ」!お楽しみに!