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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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──────いえもん視点──────

楽しい時間はあっという間にすぎ、俺以外のほとんどの村民が宴を始めるらしい。俺は酒を飲める年齢では無いはず…なので大人しく寝ることにする。この時間が過ぎたらまた、目も当てたくない現実が待っているというのにまるで誘導されているかのように直ぐに眠りにつく。

仮初でもいいから幸せな時間がなるべく長く続くことを願って────────────。



目が覚める。そうすると鼻と鼻がくっつくのではないかと心配するほど近い距離に俺と全くおなじ顔が視界の大半を占める。


「ッ!?」


俺は驚いてそれからすぐさま距離をとる。不思議と体が軽く、思い通りの場所で着地する。そして確信する。これは夢だと。そして俺と全く同じ顔の正体はノイズであることを。


「驚かせないでくれ…。」


俺が不満をいえばノイズは微笑を浮かべながら言い返してくる。


「それは無理な話だね。」


久しぶりに会う気がするが、会う度に性格が変わっているように思える。まあ、気のせいだと思うが。さて、とノイズは話を切り出す。俺は適当な場所へと座り込む。相変わらず幻想的な空間だが、慣れてしまうと、そうでもなく感じるのは俺の目が肥えたからかもしれない。


「戦争、やるんだよね?」


その言葉はノイズからの現実から目を逸らすな、というメッセージだということが伝わる。先程までの幸せな時間は戦争という残酷な現実でうち砕け、甘い夢を見ることすら許されないのだ。


「やります…けど。」

「けど?」


ノイズの目には重圧が宿されている。その瞳は俺を決して逃さないとばかりに鋭い光を増す。俺は逃れることを諦め、理由を考える。正直自分でもなぜ躊躇ったのか分からなかったからだ。俺はなぜ、けどって言ったんだろうか。躊躇い?躊躇?…分からない。


「けど…」

「分からない?自分の気持ちが。」


ノイズは的確に俺の悩んでいることを当てる。図星すぎて何も言い返すことは出来ないし、言い返す気も起こらなかった。初めてわかった。俺が戦争に躊躇っているなんて。こんなにも自分の言葉で自分の気持ちを表せないなんて。言葉につまる。


「…俺はお前だ。俺はお前のことがわかるけどお前は俺のことが分からない。」


ノイズが当然意味のわからないことを言いだし、思わず困惑する。先程の話の続きか、否か、俺には分からない。けど、ノイズから目を離すことが出来なかった。


「茶川 いえ。知らない、わからないやつに背中を預けられるか?」

「…どういうこと?」


ノイズは俺の疑問に無視をする。ノイズは演説をするかのように、わざとらしく、大袈裟に振る舞う。まるで舞台に立つ演説者のように。


「”覚悟が決まっていないやつは武器を振るっては行けない”なぜだかわかるだろうか?」

「それは───」

「違う。」


俺が言葉を発する前に遮られる。なんだこいつは。そんな文句を言う暇もなく話し続ける。


「裏切るからだ。」


ノイズはそう言って俺の心臓部を人差し指で叩く動作をする。

その言葉は俺の心臓を貫くかのような衝撃を与える。裏切るから、なぜ断言出来るのか、そんな疑問を先回りするかのようにノイズはまた演説を始める。


「覚悟がないものは無気力だ。無欲だ。悪いとは言わないけど、欲があるものには必ず負ける。」

「そうは断定できないだろ…?」

「断定できるよ。だって欲望のあるものは欲望のために命すらかけれるんだよ。対して、無欲のものは最終的には全て奪われる。だって決意がないのだから。武器を持つ自信が無いのだから。」

「つまり…?」

「命をかけてまでしたいことがお前にはない。つまり、お前に欲はない。たいした理由もなく戦争に参加するというのなら足でまといだ。」

「はッ!?」


突然喧嘩を売られることに腹を立てる。今まで黙って聞いてはいたが散々意味のわからない話をした挙句に出てくるのは”足でまとい”。散々罵倒されればどんな人でも怒りが湧くというもの。我慢ならないが、この感情を吐き出して暴れまくっても意味が無いため、グッとこらえる。


「そりゃそうだろう?お前以外のメンバーは元々知っていて、仲間だと胸を張って言える。それに一人一人決意も覚悟も人一倍決めている。それに対してお前はめめ村の村民に会って1年も経っていない。つまり信頼も信用もできない。それに対して欲もない。それどころか自信すらない。」


すうっとノイズは深く息を吸い上げ、そして空気を吐き出すように耳元で囁いてくる。


「そんなやつに仲間が安心して背中をあずけられると思うか?つまり、お前も警戒しながら戦わなければならない。心が休まらないんだよ。」

「何が言いたい。」

「お前は戦争をなぜするのか、参加する理由を”強制”以外で探すんだよ。そして覚悟を決めろ。最悪俺が────────────」

「…わかった。確かにお前が言うことは正しい。俺は戦争に覚悟を持っていくことにする。その覚悟は──────」


言いかけた時、手を前に出され、遮られる。


「すぐに言う必要は無い。今考えた薄っぺらい覚悟じゃなくていい。」


その言葉にいちいち怒りを覚えるが、今はそうとは思わない。


「戦争が終わった時、また聞く。…生きろ。」

「任せろ。────────────ノイズ」

「いい加減ノイズって呼ばれるのは嫌だわw」

「それならなんて呼べばいいんだよw」

「そうだな〜。俺のことは──────『───』って呼んでくれ!」



















ここで切ります!久しぶりのノイズ登場!何話ぶりかは覚えてません。個人的にいえもんさんが戦争について考えるきっかけになればなー程度に書いたんですが、想像以上にノイズが煽っちゃってあわあわしてましたw。今回はおしゃべり重視で書けて個人的に満足です。

まあ、そんなこんなで雑談も程々にしておきます!

されでは!おつはる〜!!

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