テラーノベル
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日が暮れ、すちの家のインターホンが再び鳴った。
「またかよ……」と苦笑しつつ、玄関を開けると、そこにはらん&こさめ、いるま&ひまなつの2組が立っていた。4人とも微妙にいつもと雰囲気が違い、どことなく艶っぽく、表情も柔らかい。
「昨日は、急に押しかけて悪かったな」
とらんが少しだけ照れくさそうに頭を下げ、こさめも隣で「すちくんのおかげで色々進展しました…!」と笑った。
「俺らも。ありがとな、すち」
いるまが口を開くと、ひまなつは頷きながらも、なんとなくすちの目を見られずに頬を赤くしていた。
「……解決したなら何よりだけど」
すちは腕を組みながら苦笑し、「俺の家、相談所じゃないんだけどな」とぽつりとつぶやいたが、どこか優しい響きだった。
そのまま「せっかくだし飯でも食ってけよ」と言って、夕食を用意する流れに。テーブルを囲む頃には、全員がくつろいだ様子で笑いあっていた。
ふと、リビングのソファに目をやると――
ブランケットに包まれたみことが、静かにうとうとしていた。長めの前髪が頬にかかり、時折微かに寝息が聞こえる。
「……寝てる… 子どもみたい……」
ひまなつが小声でそう呟くと、らんといるまが吹き出すように笑い、こさめも口元を押さえて目を輝かせる。
「すち……もしかして~?」
こさめがからかうように言えば、すちは肩をすくめて「知らねぇよ。かわいい顔で見つめてきたら勝てるわけないだろ」とぼそり。
そのやり取りに再び笑いが起きた。
あたたかな灯りと笑い声が満ちる部屋の中、ソファで眠るみことの頬が、ほのかに緩んだような気がした。
夕食を食べ終わったあと、テーブルの上には空になった皿やグラスが並び、わいわいとにぎやかだった時間の余韻が残っていた。
すちはキッチンで片づけをしながら、ちらりとソファに目をやる。
「……まだ寝てるな」
ふわふわのブランケットに包まれたみことは、穏やかな寝息をたてていた。頬にうっすらピンクがさしており、眠っているというより、心地よさにとろけているようにも見える。
そんなみことを、こさめとひまなつがそっと覗き込む。
「なんか……ほら、ほら。やっぱ“もう一戦”した顔だよね?」
「うん……肌がつやつやしてる……色気がすごい……」
「……まるで抱かれたあとって感じ……」
「いや、“まるで”じゃなくて“そのまま”だろ」
いるまが低く突っ込んで、こさめとひまなつが笑い声を漏らした。
「うるさいぞ、お前ら」
すちが小さく笑いながらタオルを投げるようにふたりに渡し、手を拭けと促す。
そのとき――
「……ん、……すち……?」
みことが、まぶたを重く開けた。周囲の視線に気づくと、きょとんとした顔から一気に赤面し、慌ててブランケットを頭まですっぽり被った。
「うわあ……寝起きなのに可愛い……」
「ねぇ、あれ反則じゃない?」
こさめとひまなつがコソコソと囁き合う中、すちがみことのそばに歩み寄り、膝をついて小声で話しかけた。
「ごめん、起こしちゃった?」
「……ん……ううん……」
ブランケットの中から顔だけひょこっと出てくるみこと。すちの顔を見ると、少し安心したように小さく笑った。
「……まだ、寝てもいい……?」
「いいよ」
すちは優しく頭を撫でた。
「……っていうか、寝顔見てたら俺も眠くなってきた」
「え〜、じゃあ今夜はみんな泊まりでいいじゃん」
こさめが言い出し、ひまなつも「それ賛成〜」と続く。
「布団足りるか?」
「こさめと一緒に寝るから大丈夫」
「同じくなつと寝るから」
いるまとらんがそれぞれの相手を見て、口角を上げた。
「……じゃあ、俺もみことと一緒に寝るから」
すちは笑いながら、みことをひょいとお姫様抱っこのように抱き上げた。
「ちょ、ちょっと……すち……」
「ふふ、もう今日は全員、恋人感丸出しだな〜」
「いい夜だな」
笑いとあたたかい空気に包まれたすちの家は、まるで家族のようなあたたかな雰囲気だった。
そのままそれぞれが布団に入り、誰かのいびきと誰かの寝言と、静かな安心感に包まれて夜は更けていった――。
朝の光がゆるやかに差し込む。
すちの寝室は、まだほの暗く、静けさが漂っていた。
その中で、ふと、ゆっくりとまぶたを開けるひとり――みことだった。
「……ん……」
身体が重くも心地よくて、温かくて、目を覚ました瞬間、すちの腕の中にいることを知る。
自分の腰にはほんのわずかな張りがあるけれど、痛みはなく、むしろ優しさの名残が宿っているような、そんな感覚。
(……すち、まだ寝てる……)
すちの穏やかな寝顔が目の前にある。整った横顔、長い睫毛、寝息に合わせてわずかに上下する胸元。
そっと指先を伸ばし、その手に自分の指を絡める。しっかりとした温かさに、心がじんとした。
そして、ゆっくりと顔を近づけ、唇にそっと――キスを落とす。
「……ん……」
すちがわずかに眉を動かし、目を開ける。
眠そうな目を細めて、みことを見つめた。
「……なに、かわいいことしてるの……?」
声が掠れ、低くて優しい。
すちは目覚めたばかりとは思えない自然な流れで、みことの頬を包み、自らも唇を重ね返す。
深く、けれど優しいキス。
「……腰、大丈夫?」
「うん……大丈夫……」
みことは小さく微笑みながら答えた。
でも、どこか言いたげな空気をまといながら、ほんの少し口を閉ざす。
「ん?」
すちが首を傾げるように見つめると、みことは少しだけ顔を赤らめ、うつむいた。
「……すちと、たくさん……キスしたい……」
その声は小さく、けれど真っ直ぐで、
まるで朝一番の風のように、すちの心にまっすぐ届いた。
「……うん。いいよ、何回でも」
すちは微笑み、みことの背に腕をまわして、そっと抱き寄せた。
「……好き」
そう囁きながら、すちはもう一度、静かな朝に甘いキスを落とす。
みことも目を細め、嬉しそうにそのキスを受け止めた。
部屋には、微かなキスの音と、2人の柔らかな吐息が、静かに重なっていた――。
みこととすちが静かに寄り添う寝室の扉の外、 少しずつ日の光が差し込む中で、他の4人も目を覚ました。
らんが最初に起き、こさめ、いるま、ひまなつも続く。
彼らは自然とすちみこの寝室へ向かうが、廊下でふと、かすかに聞こえてくる音に足を止める。
耳を澄ますと、柔らかなキスの音、そしてみことの小さく漏れる声が聞こえた。
その声は甘く、恥ずかしげで、それでいて幸せそうな響きだった。
らんが「……こりゃ入れねえな」と小声でつぶやく。
こさめもうなずき、ひまなつが「そっとしとこ」と言う。
4人は顔を見合わせ、気まずそうに微笑みながら、
「二人の時間を邪魔しないようにしよう」と暗黙の了解を得て、静かにその場を離れ、リビングへと戻っていった。
彼らの背中には、昨夜の出来事と今の幸せな空気を感じ取っているような、穏やかな表情が浮かんでいた。
___
すちとみことの密かな朝の時間は、静かな空気の中でより濃密に染まっていった。
何度も唇を重ね、深いキスを繰り返すうちに、みことの目からは小さな涙が滲みはじめる。
その涙は甘く、嬉しさや愛情に溶けて、みことの表情をさらに柔らかく蕩けさせた。
すちはそんなみことを優しく抱きしめながらも、どこか背徳的な快感を感じていた。
まだ他のみんなが目覚める前の、秘密の時間。
静かな寝室の空気を切り裂くように、すちはみことの首筋にそっと舌を這わせる。
冷たく湿った感触がみことの肌に走り、続けてすちは強く吸い付く。
首筋にくっきりと残る痕。
その証は、みことだけの特別な印。
すちはみことの震える息遣いを感じ取りながら、しばらくそのまま唇を離さずにいた。
みことはわずかに震え、唇をかみしめながら、すちに身をゆだねていく。
甘く絡み合う二人だけの朝のひとときは、まだ終わらなかった。
すちは小さく呟いた。
「止まれないや…」
ゆっくりと自分のものをみことの中へ押し込み始めると、みことは咄嗟に口を押さえ、かすかな「んっ…」「あっ…」と漏れる声を必死に抑え込む。
しかし全身は震え、身体の奥から伝わる快感に耐えきれず、やがて「あっ…あぁっ…」「んっ、すちっ…」「やっ…だめっ…」と小さな喘ぎ声がこぼれ出す。
すちはその様子を感じ取りながら、ゆっくり腰を動かし始める。
「んっ…あぁっ…すち…」みことの声は甘く震え、震える指がすちの背中を掴む。
腰が深く突き刺さるたびに、「ああっ、だめっ…きもちぃっ…」「んっ、すご…あっ…」と切なげな吐息が漏れ、声は次第に大きくなっていく。
すちはみことの弱いところを優しく擦りながら、「んっ…ああっ…」「もっとっ…もっとして…」と重ねる声に応えて、腰の動きを強めていく。
「あっ、ああっ、すき…」
みことの喘ぎ声は甘く絡みつき、身体は蕩けていった。
みことは3度目の果てを迎え、体の力が抜けてぽーっとした表情になる。唇からはかすかな吐息と、止めどなく零れ落ちるような甘い声が漏れる。
その時、静まり返った部屋の扉に軽くノックが響く。
「すち?みこと?起きてる?」
扉の外からひまなつの優しい声が聞こえ、すちはゆっくりと息を整えながら返事をする。
「今、いいところだから…ちょっとだけ待ってて」
すちはみことの腰に力を込め、彼の敏感な弱点をさらに激しく擦り付ける。
みことの体はビクンと震え、小さくも切迫した喘ぎ声をあげる。
「あっ…んっ…だめっ…ああっ…」
切なげで濡れた吐息が漏れ、熱を帯びた声が部屋に満ちていく。
その間も、みことの体内で絡み合う感覚が激しくなるたびに、艶めいた水音と肌がぶつかる音が響いた。
扉の向こうでその音を聞いたひまなつは、顔を真っ赤に染めて目を伏せ、恥ずかしさに耐えられずにゆっくりとリビングへ退散していった。
みこととすちは限界を迎え、二人の体が同時に震え上がった。
みことは「あっ…あっ…」と震える声を漏らしながら、全身が小刻みにピクつく。
すちは優しく唇を重ね、「無理させてごめんね」と囁く。
みことは恥ずかしそうに呂律の回らない声で「すち…しゅき…」と甘く答えた。
すちはそのまま丁寧に後片付けをし、みことの着替えを手伝う。
温かい毛布でみことを包み込むと、優しくお姫様抱っこで寝室を後にした。
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ひまなつはリビングで待つ4人の中で、ジャンケンに負けてしまい、様子を見に行く役目を任された。少し緊張しながらも、気丈に寝室のドアまで歩いていく。指先でゆっくりノックをすると、かすかに震える声で「起きてる?」と声をかけた。
返事はすちからだった。普段の落ち着いた声とは違い、どこか余裕のない、切羽詰まったような響きが含まれていた。
「今、いい所だから…ちょっと待ってて」
その声のすぐあと、みことの弱くも切ない喘ぎ声が薄く漏れ、肌と肌が触れ合う音、水音が混ざり合って聞こえてきた。
ひまなつは一瞬で事の重大さを理解し、顔が熱く紅潮し、思わず耳まで真っ赤になった。あまりにも生々しい音の数々に鼓動が早くなり、慌ててその場を離れてリビングに戻った。
リビングへ戻ると、待っていた3人の顔が期待と不安で揺れていた。
「どうだった?」と、らんが声をかけるが、ひまなつは言葉を失い、ただ目を伏せて何も答えなかった。
その代わり、急に身体を震わせながらいるまの胸に飛びつく。
驚きのあまり後ろに倒れそうになるいるまだが、すぐに体勢を立て直し、やさしくひまなつを抱きしめる。
「どうした?話してみろよ」と優しい声をかけるいるまに、ひまなつは首を小さく振り、いるまの胸に顔をうずめて震え続けていた。
彼の温もりに包まれながら、ひまなつの心は言葉では伝えきれない複雑な感情と、甘く激しい朝の余韻でいっぱいになっていた。
すちがみことをしっかり抱きかかえ、そっと寝室の扉を開けてリビングへと運び出したその瞬間、いるま、こさめ、らんの3人はすぐに状況を察した。ひまなつはまだいるまに抱きついたままで、簡単には離れようとしなかった。
すちは落ち着かない様子でひまなつに詫びるように声をかけた。
「ごめんね、余裕なくなってた」
しかし、ひまなつは短く、けれど強い意志を込めて言った。
「許さん」
いるまがやさしくひまなつの顔を覗き込み、「なつ、顔見せて」と促すと、ひまなつは恥ずかしさのあまり、真っ赤に染まった頬をゆっくりとあげた。目には涙がにじみ、こらえきれず少し潤んでいる。
いるまはその愛おしい姿に微笑み、そっと言った。
「泣くなよ、かわいいやつ」
そして静かにひまなつの唇に自分の唇を重ねる。
ひまなつはその甘い感触に一瞬驚いて唇を離すと、少し照れた声で、
「みんなの前でやめろよ、ばか!」
と呟き、またいるまの胸へ顔を埋めて甘えるのだった。
こさめはひまなつの真っ赤な顔を見て、にやりと笑いながらからかった。
「なつくん、照れてるの!?かわいいとこあるじゃん!」
らんは慌ててこさめの肩を軽く叩き、
「こら、やめなさい」と優しくたしなめた。
そのやり取りをぼんやりと見つめているみことは、まだ少しぽやんとした表情で、みんなのことをはっきり認識しきれていないようだった。
ひまなつとこさめが心配そうにみことに近づき、
「大丈夫?」と声をかけながらそっと背中を撫でる。
しかし、みことの体にはまだ強い余韻が残っていて、背中に触れる優しささえも快感に変わってしまう。
みことは小さく「んっ…だめっ…」と声を漏らし、体が少しぴくっと震えた。
みことは、甘く息を漏らしながら、背中をさするこさめとひまなつに、かすれた声で「ごめんね…」と囁いた。目元はうっすら赤く染まり、瞳はうるんでいる。
その声の甘さに、こさめもひまなつも一瞬固まる。
「…えろすぎ…」
「みことは悪くない…」
2人もそれぞれの営みを思い出し、顔を赤くして視線を逸らす。
みことはすちの方をふと見て、ぽつりと「…すち…」と名前を呼んだ。
すちはすぐに反応し、みことに歩み寄る。
するとみことは、すちの首に腕を回し、ぎゅっと抱きついた。
すちはそっとみことを抱き寄せるつもりだったのに、みことがまるで壊れもののように震えるから、思わず力を込めて強く抱き締めた。
「……みこと…」
微かに名前を呼ばれた瞬間、みことの身体からふわりと力が抜ける。まるで安心したように、何かを手放すように。
胸に寄りかかるみことの体温が、じんわりとすちの胸の奥まで染みてくる。
「…まだ余韻、残ってるのかな」
すちは小さく笑いながら、そっとみことの髪を撫でた。
みことはただ、小さく頷き、すちの服の裾をぎゅっと握りしめていた。
リビングにゆったりとした空気が戻ってきた頃、らんが腕を組み、少しだけ真面目な顔をしてすちを見た。
「手出すなとは言わない。俺もこさめに手出したしな。でも…せめて、2人だけの時にしてくれよ」
その言葉に、すちはばつが悪そうに肩をすくめた。「……つい、ね」
隣でみことはすちの腕にしがみついたまま、ぽやんとしたまま俯き気味で、まだ現実に戻ってきていないようだった。耳までほんのり赤い。
「ははっ、すちもだけど……みことも我慢効かないタイプなんだな」といるまが呆れたように笑う。
「お互いに煽りあってんじゃねーの?」と付け加えると、すちは視線を逸らした。
こさめとひまなつは目を合わせて「……わかる気がする」と同時に呟いた。
「こさめとなつもわりと積極的だったしなぁ」といるまが言えば、
「いるまがそうさせんだろ」とひまなつがぷいと横を向いた。
「らんくんは優しいから我慢してたの〜」とこさめが笑顔で言い、らんは少し照れたように咳払いした。
すちはふと、みことの髪を優しく撫でる。「……でも、俺、我慢するより、みことの気持ちをちゃんと見てたいんだよね」
「甘やかしすぎて、逆に理性飛ばしてんじゃねーか」といるまが笑い、らんも「……みことの泣き顔が見たいわけじゃないんだろ?」と重ねる。
「もちろん。でも嬉し涙ならいくらでもみたいかな」すちはきっぱりと言って、みことの手をぎゅっと握り直した。
その様子を見ながら、残る4人もどこか安心したように、それぞれのパートナーをちらりと見つめた。
そして、穏やかな空気の中で、その日はゆっくりと時間が流れていった。
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