若井は震える指で、元貴の下着をそっと広げてみた。
布地の真ん中、はっきりと付着している白濁の痕。
乾きかけているのに、まだ少しだけ湿り気を帯びているその部分が、まるで自分を誘っているように見えた。
(……俺が、出させたやつだ)
意識した瞬間、ビクリと身体が跳ねた。
汗が背中を伝う。
喉が渇く。
奥歯を噛み締めて、でも目は逸らせなかった。
むしろ、もっと近くで見たい、触れたい。
そして――
若井はゆっくりと舌を出した。
震える先端が、下着の染みた部分にそっと触れる。
「……っ、」
生臭さと、ほのかに甘い、そしてどうしようもなく生々しい匂いと味が舌に広がる。
想像以上に、元貴の匂いが強く残っていた。
それは間違いなくさっき、自分の中で乱れ果てた元貴そのものだった。
吐息が荒くなる。
舌を離そうとしたのに、無意識にまた押し当てていた。
今度はより深く、舌先を捻りこむように舐める。
乾いた部分を唾液で濡らしながら、執拗に味わった。
「……っは、元貴……」
掠れた声が漏れる。
自分の名前を呼ばれて乱れた時の顔が脳裏を焼く。
赤く染まった頬、涙を浮かべた目、甘い声。
思い出すたびに、身体が熱を帯びた。
若井は片手で自分の中心を押さえた。
既に苦しいくらいに硬くなっていて、少し触れるだけでびくりと跳ねる。
息を詰めて下着に舌を這わせながら、空いた手で帯を解き、浴衣の裾をめくった。
(やべぇ……、抑えられない……)
自分自身を掴むと、先端からは透明な蜜が垂れていた。
滲むそれを指ですくい取り、元貴の下着の染みた部分に塗りつける。
白濁と混じるその様が、背徳的すぎてゾクゾクした。
まるで、自分と元貴がひとつになって混ざり合うみたいで。
下着をまた顔に押し当てる。
思いきり深呼吸して、鼻腔を満たす。
「は……っ、元貴、元貴……」
声を殺すために、下着を噛み締める。
甘噛みした端が口内で濡れる。
そして、もう片方の手が自身を扱き上げる。
ゆっくり、でも力を込めて。
元貴の香りと味を感じながら、呼吸を荒げて、腰をわずかに動かした。
「……っ……は……、ん、くそ……、好き……」
呟きが漏れるたび、興奮が増した。
若井は我慢できず、舌でまた白濁を拾い舐める。
少し塩味のする、生々しい味が口いっぱいに広がる。
嫌じゃない、むしろ堪らなかった。
「……元貴の……美味しい……」
下腹が熱く痺れた。
もう限界だとわかっているのに、止めなかった。
むしろ、もっと欲しくなった。
下着を自分の中心に押し当てる。
元貴の白濁で汚れた布が、自分の先端に絡む。
ぬるりと滑る感触に喉が鳴る。
そして、そのまま扱いた。
「っ……はぁ、……元貴……ごめん、勝手に……」
懺悔するように、吐息混じりに呟く。
でも手は止まらない。
むしろ速くなる。
元貴の匂いと味に溺れ、息を殺し、声を押し殺すために浴衣を噛む。
その柔らかい布が歯に当たるたび、境内で乱れた浴衣姿が脳裏を支配した。
(あの時の顔……、声……、全部思い出す……)
身体が震えた。
腰が勝手に跳ねた。
目をぎゅっと閉じて、喉から押し殺した呻きが漏れる。
「……っ、あっ、は……っ、ん……!」
そして――
若井は限界を迎えた。
ビクビクと脈打ちながら、熱を吐き出す。
元貴の白濁と、自分の白濁が下着の上で混ざった。
ぬるぬるとした感触が指先に絡む。
それを感じながらも、何度も脈動する快感に身を任せた。
荒い息を繰り返しながら、若井はしばらく動けなかった。
手の中にある布は、2人の痕跡でぐしゃぐしゃに濡れていた。
匂いも味も、元貴そのものだった。
それが堪らなく愛おしかった。
「……はぁ……っ、元貴……お前、ほんとに……ずるいよ……」
そう呟き、乱れた浴衣をそっと抱き締めた。
罪悪感と背徳感と、でも溢れるほどの愛しさを抱えたまま、若井はその場で小さく丸まるように座り込んだ。
耳を澄ませば、まだシャワーの音が聞こえていた。
この秘密を、元貴はまだ知らない。
若井は浴衣をそっと撫でた。
(……ごめんな、でも、お前が好きすぎてどうしようもない)
と心の中で呟いた。
END
コメント
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続き書いてほしい!!