あと少し、大丈夫、
閉じていたまぶたを開けたら目の前にはペンライトの海。
絶賛アリーナツアーのライブ中で曲も後半にちかづいてきていた。
端から端までリスナーさんが沢山。こんなに素晴らしい景色を見せてくれるなんて感謝だなぁ。
でも、不安も大きい。来てくれた子は楽しんでくれているかな、
お留守番組も寂しくないかな、
かっこよく見えてるかな、
可愛いかな
上手く踊れてるかな、
そんな事を最近は考えてしまう。そのせいで中々眠りにつけなかったりリハも集中出来なかったり、ライブも楽しみたいのに不安が勝ってしまう。メンバーとの気持ちの差も感じていた。
なんで、なんでなの。
トントン
)莉犬?
肩を叩かれた方を向くとるぅとくんが心配そうな顔で俺の顔を覗いた。
)大丈夫?もうラストの曲だよ?
)え、あ、うん。
明らかに同様している返事を返す。
するとさとみくんのタイトルコールの後に聞き慣れたメロディ〜が流れ始めた。
1番を歌い終えた頃、違和感を感じた。なんだがいつもより息が上がっている気がする。
この曲こんなに疲れるっけ…
そう思いながら重い足を動かし、奥のリスナーさんに会いに行く。
センターステージまで走って行くメンバー
正直、走るのはきつい。でも最高の思い出をリスナーさんにはつくってほしい。こんな疲れてる姿を見させて何になる。最後まで絶対楽しませる
だから沢山の、リスナーさんに全力でファンサをして、全力で歌った。
)今日は本当にありがとう!!!!
後は下に降りれば終わり。
少しづつ下がっていくステージ。
見えなくなるまで手を振る。
大丈夫、あと少し、あとほんの少し、、、
はぁ本当最悪、ファンサ貰えなかった。
なんか、微妙だったなー。
最近、動画投稿減った?w
キモいんだよね〜。
私の推しの隣にいないで
あー、死んでくんないかなー。
)はぁっ!はぁ、ん、はぁ はぁ、、、
ゆ、め?あれ、ライブ、は?
ぺちっ
)んぅっ つめたっ。
おでこに冷たく、ベタベタしたものが飛んできた。
)お前は寝とけ。
冷えピタを飛ばした正体はさとみくんだった。
)さと、みくん? なんで、俺、、、
ライブ終わった瞬間、倒れたんだよ。
)あっ……
そうだ、あの時
)…ごめん
)謝る事では無いけどライブ中、体調悪かったの?
………
体調悪かったかと聞かれると自分でも分からない。でも凄く
)不安だった
)不安?何が?
心の声が漏れていたようで、さとみくんに伝わってしまった。
………
さとみくんは俺の手をそっと握ってくれた。
)俺さ、リスナーさんに喜んで貰えてるかな?
おれ、かっこよく見えてるかな?ポロポロ
おれの事好きでいてくれてるかな?ポロポロ
莉犬でいられてる、かな?ポロポロ
苦しくて苦しくて、どうしようもない。
胸当たりをギュッと握る
)莉犬
そう名前を呼んで優しくぎゅっと俺の事を抱きしめてくれた。
)莉犬の頑張りは絶対みんなに届いてるよ、大丈夫。
背中をとん とん と叩いて落ち着かせようしてくれる。
不思議なくらいに大粒の涙が溢れさとみくんの服に染みていく。
)ほんとっ…??
)あぁ、お前リスナーさん思いで、メンバー思いで誰よりも気が使えて、ちっこくて〜
)それ、わるぐち…??
)ははっwごめんwでも、お前には良いとこいっぱいあるし、頼る人なんて近くにいんだろ。
なんだかこの温かさがくすぐったくて、でも嬉しくて心が落ち着いていく。
)わんわん?
名前を呼ばれた方を向くところちゃんとるぅとくんが立っていた。
2人とも片手にビニール袋を持っているから買い物に行っていたのだろうか。
)よかったぁ…わんわん死んじゃうかと思った…
)りいぬ、大丈夫ですか?まだ顔色悪いですね…
2人とも…
するところちゃんが俺の顔をみるなりニコッとして言った
)莉犬くんはね〜歌が上手で〜!優しくて〜!僕より 身長が低いとこがね好き!
)それ、さとみくんにも言われた…
ぷいっと顔の向きを変えた
)ころちゃん!!それにさとみくんも!!
あ、るぅとセコム発動だw、と心の中でくすっと笑う
メンバー皆んな優しくて、助けてくれて、たまには馬鹿やって、そんな場所が好きなのかも。
さところがるぅとくんに叱られている声をBGMにし近くにあった自分のスマホを手に取る。
少し眩しいのを我慢しながら
いつものようにツイッターを開き、エゴサをする。
あっ……
そこには俺の事を好きでいてくれている子の暖かい言葉が沢山並んでいた。
ライブ楽しかったよ!!莉犬くんかっこよかった!
最高だった!!また会いたい!
ライブ行けないけどお歌聞いて待ってます!
大好きです!
バカっ…
誰にもバレないようにそっと涙を流した。
コメント
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めっちゃ好きです😢😢💗ブクマ失礼します🙇🏻♀️🫶🏻