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※付き合ってます
(藤澤視点)
「もとき~~♡」
駄目だ、今日も僕の恋人は振り向いてくれない。
それどころか、僕が触れた所を、払った。
たった1文で表したけど、僕のその時のショックをお分かりいただけるだろうか?
「え…もとき??」
「何?涼ちゃん」
僕の方を一切見ようとする気配すらない顔の角度、 すました表情。
そういうツンデレが可愛いんだってこともわかってる。
でも今のはなくない?
だって、頑張ってる元貴の肩をトントンしただけなんですけど。
僕が触れてた自分の二の腕の箇所を、まるで塵でも払うように。
雷に撃たれるような衝撃とはこの事だと思う。
ここまで来ると、逆に悔しくなってきた。
どうせ元貴 は僕の気持ちなんてわかってないでしょうね。
再度肩を叩き、にこにこと涼ちゃんの表情を顔に張り付けたまま、耳に言葉を吹き掛ける。
「帰ったら、覚えててね」
見事に表情1つ変えなかった元貴の頬を、一筋の汗が流れ落ちたのは、僕だけが知ってる。
あー、帰るのが待ち遠しいよ、
ね、も・と・き♡