テラーノベル
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「悠、えっちしよ」
夕方。
シャワー上がりの伊織が、濡れた前髪をくしゃっと拭きながら、軽くそう言った。
キッチンでコンビニの袋を漁っていた悠は、振り返りもせずに返す。
「……いいけど。キスはダメね」
「え、マジで? 今の流れでOK出るの、天才じゃんお前」
「んー。することないし、暇だし。別に、伊織でいいかなって」
「いやなんか、言い方にトゲない?」
「あるでしょ」
苦笑しながら悠は部屋に消える。
数分後、Tシャツ一枚に着替えた彼が、ベッドにちょこんと腰を下ろしていた。
「悠。……俺、わりと、我慢とかきかねぇタイプなんだけど」
「そうなんだ。……気をつけて?」
「忠告ありがとう。でももう、手遅れ」
ベッドに押し倒された悠は、目を伏せながら小さく息を吐く。
「んっ……ああ、ちょ……」
伊織の手がTシャツの裾から入り、細い腰をなぞる。
「やば、細。腰細すぎ……ふつーに興奮するわ、これ」
「えー、きもい。触り方えっちすぎなんだけど」
「触ってんだから、えっちに決まってるでしょ?」
唇を塞ごうとした伊織の顔を、悠がひょいと手で遮る。
「キスはだめ。って、さっき言ったでしょ?」
「そっかそっか。……んじゃ、下の口でいっぱいキスしてあげよっか」
「ふつうに最悪〜……」
悠の脚がゆるく開かされ、下着がゆっくり下ろされていく。
「……なんか、こっち見てくるの、やめてくれる? 恥ずいんだけど」
「かわいすぎて、見ない方が無理だろ」
「きも」
指がゆるく入口を撫で、やがてとろりと中へ押し入る。
「んッ……ふっ、や、だめ……!」
「え、まだ指一本しか入れてないよ?」
「そういうこと言わないで。っ、も、ん……っ」
指が抜けて、次に熱が押し当てられる。
「じゃ、入れるね。悠、力抜いて」
「……や、待って、やっぱ、やだ……やめよ…っ」
「ははっ、だいじょーぶ、優しくするよ」
ズッ……と深く奥まで押し込まれ、悠の喉から甘い声がこぼれる。
「ッ……あ、ぁっ……伊織ぃ、ふ、無理ぃ……っ」
「悠の中、ぬく……やば。締まりすぎじゃない?」
「しらないし……ッ、そんな、奥ぅ……や、やだ、ぁっ」
伊織が腰を動かし始めると、ベッドがゆっくりと軋み出す。
最初は浅く、徐々に深く、ズプズプと押し込まれて──
「んっ、ん、ふ、やだってば……っ! きついぃ……っ」
「声エロ……っ、悠、やばすぎ」
数分後──
「あっ、も、ん、もう無理、無理だからぁ……っ、出る、っあ、イく、ッ!」
ビクンと身体を反らせ、悠が絶頂に達する。
そのまま伊織は腰を止めず、熱を奥に流し込んで──
──1時間後。
「……っは、……はぁ……ちょっと、まって……動けない……」
「え?何言ってんの、まだ1回目だよ」
「……うそ。4回くらいやったでしょ…?」
「悠、何言ってんの。まだまだこれからだから」
「……は? むり、無理ぃ……もっ動けないってば …ッ」
再び腰を抱え込まれ、打ちつけられるように突かれる。
「ねぇっ、あっ、や、だってば、ほんとに無理……!」
「可愛い声出すから、余計に抑えらんねぇよ」
「ばか……っ、伊織のばか……ッ、はぁ、あっんっ!」
ビクビクと震えながら、悠はベッドに沈められていった。
──朝方、ようやく全てが終わり、シーツの中でぐったりする悠。
「……なぁ悠。なんで、キスはダメなんだ?」
「……ん……声、出な……キスは……恋人同士がするもん、でしょ……」
伊織が、ふっと笑った。
「……は。マジで、お前って──」
(……え、かわい)
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