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コユキの表情がやや面倒臭そうな物に変わった。
「ああ、アルテミスちゃんが顕現する時にさ、一つの魔核で三体の猫ちゃんフィギュアを依り代にする為にね、まずザ〇ボット3を依り代にしたのよ、それから分離してさっ、そう言う事よ」
「そう言う事って、どう言う事でござるか? ザ〇バードとザ〇ブル、ザ〇ベースは?」
「ほら、三つに分かれた魔核を取り出さなきゃならないじゃない? だからプスッとやったら消えちゃった」
「き、消え…………」
言葉を途中で途切れさせた善悪は、暫(しば)し放心した後大きな声で叫ぶのであった。
「あーあ、あーあっ! でござるよっ! あれ世界に一つ、一つ切りしかないプレミア品だったのにぃっ! 何なのアイツ、アルテミスの馬鹿って? 信じられないのでござるよっ! だったら最初から言うでしょ? 普通! 使い捨てですが? ってさぁ! さすればこちらサイドとしても対応が変わって来るじゃないっ! それだったらザ〇ボット3のプレミアじゃなくてキング・ビ〇ルにしたのにさぁっ! ぬうぅぅー、おいっ! バアル! おまいどうすんのこれ? おまいの部下でござろぉ! 責任取れよっ! おい、黙ってないで責任取れって言っているのではござらぬかぁっ!」
「せ、責任って言っても、妾、どうしたら良いか」
「善悪、高々玩具(おもちゃ)じゃないかー、そんなに怒るなよ、バアルだって詳しく知らなかったんだしさー、後で我が竹とんぼ作ってやるから機嫌なおせよ、欲しいだろう? 竹とんぼ! トシ子に教わったんだ♪」
善悪はバアルから視線を移してアスタロトを見つめて言った、馬鹿を見る目である。
「た、竹とんぼ? 古い! 古い古い古過ぎるのでござる! お爺ちゃんとの思い出じゃ無いのでござるよ? 長生きしすぎて産業化前と後の区別が付いていないのは分かるけど、幾らなんでもバカ過ぎでござろ? 馬鹿なの? ああ、馬鹿だったでござるな、ごめんごめん、馬鹿に馬鹿って言っちゃったでござるよー! 許してね、ごめんね? アスタちゃん、でっ! ござるっ!」
怒りの勢いを緩める事なく当たり散らす善悪に、バアルとアスタロトは何も言い返せずに俯いてしまうのであった。
大人気無い幼馴染の姿に溜息を吐きつつコユキが言う。
「だからアタシが買ってきてあげるって言ってるじゃないのよ! バアルとアスタが困っちゃってんじゃない、大人しく待ってなさいよ、夕飯前には元通りよ元通り!」
善悪はまだまだ納得出来無い様だ。
「だけどさっ! あれは特別の奴だったんじゃんかぁ、ほら、サイン付きのぉ! それも藤原名義じゃなくてさっ! 平――――」
「だから、それを見つけてきてあげるわよ! 全く同じものをね!」
善悪は疑惑の視線を向けてコユキに聞いた。
「あんなレア過ぎる物…… ネットを二十四時間監視し続けてもおいそれとは出会えない代物なのでござるよ? それが手に入るとか…… 本気で言ってるの? それとも遂に脳内が脂肪で埋め尽くされっちゃったの?」
コユキは自信満々であった。
「大丈夫だってば、泥船に乗ったタヌキの気分でゆったり沈んで待っていなさいよ! 我に秘策有りっ! って事よ、なははは」
「う、うん、まあ、そこまで言い切るんだったら…… ?」
「なははは、なはははは」