どこからか、痛々しくて、弱い声が聞こえる。その声はどこか懐かしくて、それと同時にどこからか恐怖心を感じた。
それから少し歩いた。すると、小学校の体育館裏に着いていた。いつの間にかの事で状況がまだわかっていない状態だったけれど、その中でもさっきよりもはっきり聞こえる声に耳を傾ける。そのまま、その声を頼りに声の主を辿って行くと、姿が見えた───────。
その姿がはっきり見えた時、血の気がひいていく。その姿は、小学生の頃の俺だった。
そして、目の前にいる俺の姿は痛々しかった。
小学生3年生の時。
いわゆる家庭の事情というもので引越しを行い、そのまま転校に至った。
転校してからは、上手く馴染めずに友達も居なかった。それからしばらく経つと、俺は皆から歪な目で見られるようになって、虐められていた。
でも、初めて友達ができた時があった。
地面で蹴られて土や、ちょっとした草で服や腕が汚れる。
意識が朦朧してくる。たかが小学生の力でも当時の俺には強い衝撃が当たった。
声が聞こえる。俺よりも少し高くて、弱々しい、でもどこか優しい声だ。
「…大丈夫?」
「……?」
「翼端くんだよね、すごく怪我してるみたいだけど…」
黒い髪に、白い猫の髪飾りを付けている男の子だった。少し涙目で、僕の腕を優しく掴んでいる。
「君、誰…?」
「僕のことはいいよ、その怪我洗わなききゃ」
そのまま半強制的に水道に連れていかれた。
それから1週間も経たずに俺はその子と友達になっていた。
ああ、あの子懐かしいな。
過去の記憶に懐かしみを感じながら呆然としていると、声が聞こえてくる。どこからかは全くわからず、脳裏に響く。この声は、、、
────お兄ちゃん。
「お兄ちゃん、起きて。」
妹の声だった、どうやら俺はあのまま寝てしまっていたらしい。
「凛、おはよう…。」
「魘されてたけど、どんな夢を見てたの?」
「うーん、よくわかんないっす…。」
「そっか、もう夜ご飯できてるよ、早く行こ。」
その日はそのまま時が過ぎていき、一日が終わった。
あの夢はなんだったんだろうか。
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