テラーノベル
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第2話です。今回初登場するキャラクターの立ち絵です。
今回は登場時間短いですけどちゃんと重要人物です。可愛い子なので微笑ましい気持ちで見てくだされば幸いです。
第2話【肉体の出処】
「(あーーーーーー!!!!全くどうなっているんだ!?!?この世は広いというのに!!どういう確率をしているんだ!?!?)」
烨霖は心の中で何度も何度も嘆いたが嘆いていてもこの状況は変わったりはしない。このまま逃げる事も出来るが相手は今にも剣を抜きそうな形相をしている。烨霖は精一杯の怖がっている演技をしながら早急に言い訳を口にする。
「ひっ!!わ、わわ、私は、その!!き、記憶をなくしており、、、!!」
中々無理のある言い訳を聞いた目の前の者は眉間の皺をさらに深めて訝しげに問う
「なんだと?記憶が、、、?そんな嘘を鵜呑みにすると思うのか!?」
「あ、あぁっ!、本当なんです!!起きたら辺り一面無惨な姿で、、、身体も痛く、、、地獄に堕ちたのかと、、、」
「なら、証明してみせろ」
その言葉を聞き、烨霖は思わず耳を疑った。
「(証明だと、、??そんな事出来るわけがないだろう、、、!!なんて無理難題なんだ!!)」
まさに絶体絶命だったその時、第三者が呼びかける声が響き、その声は走ってきたのか息切れていた。
「若君!!ここに居たのですね!!全く、、、すぐにどこかへ行かないでください!!」
「おい!!お前、いい所に来た!今すぐ此奴を捕まえ、、、」
若君が振り向くと既にそこに人影はなく、代わりにあったのは枯葉だけだった。
「、、、、こいつ、とは?」
「、、、あんの痴れ者がぁぁぁぁぁあ!!!」
◇
村から離れた竹林に逃げ込んだ烨霖は竹に寄りかかり軽く息を整える。生き返ったばかりの身体にはこれ程の素早い動きには堪えたようだった。
「はぁ、、、先程の者が来てくれて助かった。いつか恩返しをしないといけないな!」
「、、、だが変だ、、、何故四代門派の中で戦が起こった?しかも永琳派と金河派は協力関係にあったはず、、、」
自分の想像よりも門派の間の関係が変わっている事に烨霖は頭痛を覚え、重い足取りの中、思考を変え、別の問題を考える。
「それより今はお金だ。お金を稼ぐにはやはり人助けとかだろうか、、、だがこの身体の持ち主はそんな事するような者だとはとても思えないな、、、」
「このまま記憶を失ったという事にした方が都合が良さそうだ、」
考えがまとまり、先程の村からもだいぶ遠くなった頃、少し先に、止まったまま動かない馬車が目に入った。人助けをして稼ごうと考えていた烨霖にとって、この事はまさに神からの恩恵のように感じられ、思わず口角が緩んでしまう。烨霖は口角を戻すために1度咳払いをし、軽功を使いすぐさま馬車の元へと駆け寄る。
「どうかされましたか?こんな道の途中で止まられては他の者も困ってしまいますよ」
なるべく警戒されぬように愛想の良さそうな笑顔を向けて優しく声をかけた。それだというのに相手はまるで害虫でも見たかのような顔を浮かべ、面倒くさそうに声を返す。
「あぁ?お前かよ、帰れ帰れ、お前なんかとは関わりたくない。」
馬車に積まれた荷物やその男の古い装いからその男がただの商人だということが分かった。どうやらこの者もこの身体の持ち主の事を知っているようで、烨霖はもしまた死んで冥界に行ったらこの身体の持ち主を思う存分殴ろうと心に決めて内に秘める怒りを何とかおさめる。
「あはは、貴方も私の事を知って?」
「はぁ?当たり前だろ!!ここら一体、お前を知らない奴なんか居ない!」
「そうですか、、、ですがすみません、、、実は私は記憶を失くしていて、、、」
そう言うと男は苛立ったように顔を振ったが次には悪巧みを考えた子供のような笑みを浮かべてこちらに手のひらを差し出す。
「そうかそうか、じゃあこの間貸した金を返してくれ。」
これは確実に1種の引っ掛けだろう、記憶がなくなっていなければこの身体の持ち主の性格ならこのまま返さずに逃げているか知らないふりをして金を返さないかだ、ならばここで取るべき選択はこれしかない。
「あぁ、そうなんですか、、!それはすみません、、、返したいのですがお金がなくて、、、」
「あの、、、代わりにですがどうやら困っているようですし、何かお手伝いしますよ?」
お金は持っていないがしっかりとその分の仕事をするという意志を示したなんとも完璧な受け答えだ!!と思っていたのも束の間
「はっ!やっぱり嘘だな!ほら、帰った帰った!」
こんだけ素晴らしい回答をしてもダメなのか。 切羽詰まった烨霖は思わず男の足にしがみつき、なるべく哀れな人のような視線と声で縋り付くように頼み込む。
「お願いします!!本当に!!本当に助けますから!!私も記憶がなくて不安なのです!後からお金を請求したりしません!情報をくれれば、、、!!」
商人は困ったような顔をし、何とか烨霖を振りほどこうと足を振ろうとするが良心が邪魔をしているのか禄に力が入っていない。
「おい!!やめろって!!おい!!」
そう言われても烨霖は話す所かむしろ更に掴む力を強くする。
これ以上何を言っても聞かないと分かった商人は諦めた様子で項垂れる。
「あーもう!!分かった!!分かったよ!!んじゃあやってみろよ!!」
商人の男は苛立ったような困ったような複雑な顔をしながら頭をかいて降参だとでも言うようにそう口にし、随分と弱っていそうな馬の方を指す。だがそれ以上は何も口にしない。馬の容態を調べ、治して欲しいという事だろう。
「ありがとうございます、、、!!!」
烨霖は喜びのあまり今にも飛び跳ねそうな気分だった。そして心の中でこの者の優しさに全力で感謝した。それに先程からもこの者は村の者達が走って逃げ出す程に嫌な相手でもちゃんと話をしてくれていた。こんな者に都合よく会えるだなんて。随分と運がいい。
烨霖はさっそく馬の様子を調べた。見たところこの馬は熱中症になっているようだった。これに気付けなかったということはこの商人はこれまで馬を扱った機会が少なかったのだろう。烨霖はすぐさま馬の身体に手を当て冷たい霊気を送り込む。すると馬の呼吸や体温は随分マシになった。
「これで少し馬を休ませればまた走れるようになりますよ、ほら、体温が正常になっていってます。」
商人は最初こそは怪しげな顔を浮かべていたが馬の様子が明らかに先程よりも元気になっている所から表情が幾分か柔らかくなる。
「おぉ、、、すごいな、、、!!本当に良くなってる、、、!!」
商人は嬉しそうにこちらを振り向き思いっきり烨霖の肩を抱く
「お前本当に記憶をなくしたのか!」
「え、えぇ、はい、信じて貰えて良かったです。」
「確かに、喋り方も雰囲気も何もかも違うな、、!!まるで中身だけ別人になったみたいだ!!」
その言葉に思わずギクリとし、顔を伏せる
「そ、そんな訳ないじゃないですか〜、、」
「でも助かった!あのままじゃ偉い方々に顔向け出来なくなる所だった!!」
先程とはうってかわってとても気さくに話し掛けられ、今までの人との対応の差に思わず嬉し泣きをしてしまいそうだった。
「いえいえ、助けになったら良かったです。」
「あ、そうだ、お前は情報が欲しいんだってな?」
まさか商人の方から話を振ってくれるとは思わず少しばかり驚く。
「そうです、出来れば私の名前とどこ出身なのかとどんな性格だったのかを、、」
「任せろ!!」
◇
必要な情報を全て教えてもらい、その後烨霖は竹林を抜けた先の新たな村の食堂にきていた。情報をくれた後、あの商人はなんと馬を治してくれたお礼にお金も渡してくれたのだ。その貰ったお金で少しのお茶と菓子を頼み、改めて教えてもらった情報を整理する。
まずこの身体の持ち主の名前は李 梓豪で出身は永琳派、性格は生意気で悪知恵がよく働き、村で煙たがられていたのは食い逃げや盗みの常習犯だったからのようだ。
門派はその事で村の者達から押しかけられ、何度も李 梓豪の元に門派の者を送ったがその度にご自慢の悪知恵を働かせ、言うことを聞かずに、挙句の果てに門派の者を滅多打ちにし、門派に返したのだという。
「本当に永琳派だったのか、、、だとしたら何故生贄に、、、?何故私は今その永琳派の服を着ていない、、、?」
いや、答えは決まっている。仲間から生贄として扱われ、その門派の服を脱がされる理由など、ひとつしかない。
「まさか、、、李・梓豪は永琳派を裏切ったのか、、?」
第2話はここまでです。
ここまで見て下さりありがとうございました🙇♀️
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コメント
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第2話読み終わったよ!烨霖、まさか記憶喪失のフリで乗り切ろうとするとは…でも商人にしがみつく必死さが逆に笑えたw あと「中身だけ別人になったみたい」って商人に言われてギクッとするシーン、転生者あるあるでちょっと共感した。この身体の持ち主、マジでクセつよだったんだな…続き早く知りたい🔥