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今日は仕事は休み。



マンションの部屋に1人……



慣れてはいるのになぜかちょっと寂しい。



朝から降り続く雨のせいかな。



洗濯物も部屋干しでなかなか乾かない。



私は、気を紛らわすためにパンを焼いた。



香りが好きだから、今日はシナモンロール。



シナモンパウダーと、生地に練り込むとより香りが良くなるカルダモンパウダーがあれば、あとの材料はいつもと同じ。



焼き上がりのパンの上に塗り込むアイシングも用意した。



結構、上手にできたかな。



「うん、いい香り。みんなにも食べてもらいたい」



あんこさん、褒めてくれるかな?



イベントにはシナモンロールも出したいって言ってたし。



でも、メインはやっぱり「あんパン」みたいだ。



もちろん、それがないと始まらないけどね。



小麦粉、小豆、全ての材料が、あんこさんの手にかかると本当に美味しくなる。



まるで魔法がかかったみたいに。



できるだけたくさんの人にいろんな種類のパンを食べてもらいたいと張り切ってるあんこさん。



きっと『杏』のブースは大盛況だろう。



私も……パン教室、頑張らなきゃね。



「いただきます」、シナモンロールを1口。



「うわっ、美味しい」



シナモンの香りが鼻に抜けて、とても幸せな気持ちになる。



アイシングが甘くて、疲れた体に染み渡る。



私は、窓の外をチラッと見た。



雨……いつまで続くのかな。



その時、スマホが鳴った。



シナモンロールを食べていた手を急いで洗ってスマホを握った。



「はい!」



『ごめん、忙しかった?』



慧君の声。



「ううん、パン食べてて手が汚れてたから……ごめんね」



『後でかけ直そうか?』



「いいよ、そんなの。どうしたの? 何かあった?」



『そうだよね。恋人同士じゃないんだし、用事もないのに電話なんかしない方が良かったかな』



「そ、そんなことないよ。慧君が私に電話してくれるなんて……今まであんまりなかったからちょっとびっくりしただけ」



『今、ちょっと時間あったからかけてみた。パン教室の準備大丈夫かなって。店ではあんまり話せないしね』



「う、うん、そうだね。ありがとう、気にしてくれて。この前ね、レシピを書いて渡したんだけど、それをね、すごく可愛いイラストも付けてくれて、濡れても汚れてもいいようにラミネート加工してくれたんだよ。子どもたちが持って帰れるようにって。すごく可愛いのを作ってもらって感動しちゃった。みんなに1枚ずつ配ってくれるんだって」



『そうなんだ。それ、きっと子どもたち喜ぶよ。良かったね』



「うん。私がお願いした材料も全部揃えてくれたし、教室スペースの飾り付けもすごく可愛いんだよ。幼稚園なんかにある壁面飾りもたくさん用意してくれて。もう本当にすごいんだから。イベントスタッフの人と話す度にワクワクしてる」

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

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