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messiahに脱出できると紹介された梯子に着いたが、ここでアクシデント発生。

梯子が廃墟とかでたまに見るつる的な植物に覆われているのだ。

しかも棘付き。さっき気合で行こうとして手のひらに切り傷を作った。

あとシンプルに梯子を登った経験が無に等しいし、梯子を上った先の天板を開けて脱出なので、

片腕で体を支え、もう片方で天板を開ける。これを正確に行わなければ脱出できない。

正直難しい。

ただ、今はそんな心配してる場合じゃない。

俺はこのつる植物をなんとかしないといけない。

messiahのせいかゲーム脳になってきているので、植物が道を覆ってたら燃やすか切る感じなのだが。

……そういえば俺の能力で燃やせるかもしれない。

確定でなんとかなるわけでもないが、そもそもこんな現状で100%なんて存在しないだろうし、多少賭けになっても進める可能性があるなら進むしかないと思う。

この能力使うのしばらくぶりだな、なんて思いつつ俺は梯子に右手を向ける。

一度深呼吸をして、俺は放射能を凝縮する能力を使用した。


一瞬時が止まったかのように思えたが、あれは衝撃に耐えるための、俺の脳の抵抗なのだろう。

俺の能力によって確かに草は燃えた。

ただ、草だけがご丁寧に燃えるのはゲームの世界だけだった。

そう、草以外の物も燃えてしまった。

具体的には梯子、そして天井と壁。

木製ではない感じだったし、もしかするとレーザーの勢いと破壊力にやられたのかもしれない。

まるで車でも突っ込んできたんじゃないかと思える様な、竜巻被害ってこんな感じなのかなっていうような、それほどすさまじい音量かつ音圧で、物が粉々に崩れ落ちる音がした。

周りにあったドアや写真などはすべて壊れ、いかにも廃墟といった見た目になってしまった。

部屋の区別がなくなった、ある意味の広間で、俺はぼんやりと周りを見回していた。

やはり威力が上がっている。

前に撃った時は的を2,3個壊したくらいで、正直そこまでだったのだが、ここにきて壁をぶち抜くほどの性能になった。

俺は能力強化みたいなことはしてない気がするのだが、となると何か条件があるんだろうか。

でも条件があったらhappyあたりが教えてくれそうな気もするし、そもそも敵の能力を強化するような真似をするか?

シークレットミッション的なものがあるのかもしれない。

その条件を知れたら、俺はきっともっと強くなって、兄を探すのにも役立つかもしれない。

……てか梯子消えたじゃん。俺どこ行けばいいんだ。

すると、俺が壊してしまった方から悲鳴が聞こえてきた。

悲鳴の主は指揮で、がれきに少し巻き込まれたらしく服の節々が汚れている。


「だ、大丈夫か??」

「突然壁が壊れて……」

「えっマジかひでぇことする人もいるもんだなー(棒)」

「これ人為的な物なんですか、知りませんでした」

「おっと??」

「私は壁が壊れてとしか言っておりません。人為的な物とは一言も申し上げておりません」

「おおう……いや、別に壁壊そうとして撃ったわけじゃないんすよ、ほら、お前には言ってなかったけどさ、こっから復帰できる梯子がどっかにあるらしくて、それ見つけたんだけどとげとげに覆われててさ、それを取っ払おうとしただけでして」

「私からは何も言ってないんですが……まあいいです。それよりも、その梯子が壊れてしまったとなると……どうやって脱出するのでしょう?何か他の方法はご存じですか?」

「ご存じじゃないからこんなゴリ押しな方法とったんだよ!!……てかお前なんでここに?」

「色々ありましてね……。私も、とある方から梯子で脱出できると伺ったので梯子を探していたのですが、壊れてしまったとなるとどうしようもありませんね」

「俺の計測な行動のせいで……」

「軽率、では?まあ仕方のない事なのではないでしょうか。それよりも、壁を破壊するほどの強力な威力になっていると分かったとポジティブにとらえておきましょう」

「いや、ほんとにこんな威力だと思わなくてさ。前に使ったときは的が燃えるくらいで、壁ぶっ壊すことはなかったし」

「威力が上がっているということですか?」

「多分そうなんだけど……なんで上がったのか心当たりがなくて困ってんだよなー。それが分かればもっと強くなれるかもしれないし、威力を制御することもできるかもしれないし」

「ふむ、おそらくですがネームドの上と呼ばれる三人が、この現状の黒幕……ということだと思うのですが、この三人に何かされたと考えるのが妥当な線でしょうか」

「マジ?俺会ったことないんだけど」

「どうやら、私たちが居るここは最下層と呼ばれる場所で、本来参加者は立ち入ることができないのですよね。私は色々あって上の人物一人と接触して、その結果ここにいるので、木更津さんも同じように上の人物と接触していた可能性はあります」

「えー……マジで記憶ないな。happy、blood、jealousy……どいつも実際に会ったことはないはずなんだが」

「それこそ、木更津さんは記憶喪失なのですし、記憶がない間に会っていた可能性は考えられます。木更津さんは生き返ったりネームドの内の一人と身体を共有したり、かなり特殊ですから、目を着けられているかもですよ」

「いやだよ俺ーもう戦いたくない!!……この威力だったら戦えって言われそうだな……」

「ああ、そうだ、木更津さん。あなたのその能力を見込んでお願いしたいことがーー」


「ピンポンパンポーン!!ピンポンパンポーンっていう機械が壊れたから僕がセルフで言わなきゃいけなくなったよー!!

今さっき梯子がぶっ壊れたせいでお知らせをしなきゃいけなくなったよー!!……そう、某放射能が壁ごと最下層の半分をぶっ壊しやがったので、最下層を直します!なんとかして直します、その間僕たちネームドは参加者に対してなーんもできないので、一旦第二ゲームを終了とします!期間はざっと3週間くらいかなー、あんだけ酷かったら。その間に第三ゲームの準備もしとくから、君たちも最後のゲームを楽しむ準備をしといて!!それはそれとして木更津は許さないからな!!じゃあねー!」


「……お願いはまた今度にしますか。今夜付近に私の部屋に誘うので、そこで二人きりになったら話します。ちょっと……計画を遂行する仲間以外には知られたくなくて」

「怪し。ものすごく怪しい」

「そう思っていただいても構いませんが、きっと計画を聞けばあなたも協力する気になれますよ」

「宗教?」

「……に近しいものはあるかもしれないですね」

「怪しいとか言ってたけど怖くなってきた」

「あくまで計画のリーダーは私なので、あなたに責任重大な役目を渡すわけではありません」

「いや絶対渡すだろ。俺の能力の強さを見込んでて部屋でぬくぬくするだけなわけない」

「そりゃあまあそうですが……」


この辺りで、俺達二人はまばゆいいつもの光に包まれ、いつもの広間に着いていた。


「お、みんな飛ばされてきた感じか、てことはいつもの広間?」

「ねえ、マジで状況意味不なんだけど」

「とりあえず点呼でもとりましょうか。木更津さんはさっき一緒にいましたしいますよね」

「いまーす元気でーす」

「猫手さん?」

「いますよー」

「……神器の話は秘密でいきます?」

「まあそうだね」

「何の話なんだ……?」

「今夜話します、猫手さんに邪魔されないようにして」

「みんな内緒話しすぎでしょ!……えてかそれって二人きり……ってコト!?夜に!?」

「そうですけど」

「ひぇぇぇえ……最近の高校生の性事情は進んでんなぁ……」

「なんでそんな大人みたいなこと言ってんだ?もしかして高校生じゃないのかお前……」

「い、いや高校生ではあるんだけど高校生じゃないみたいな」

「浪人生ですか?」

「4浪……」

「大変だな……って別に性事情とかの話じゃないだろ?!」

「ノリツッコミ新型みたいなのやめてよ」


「そういえば点呼の途中でしたけど……衣川さんと天神さん、それから大台さんの姿が見当たりませんね」

「何かあったのか?でもhappyがなんも言ってないってことは生きてるのか??」

「そうとも限りませんよ、なんせ今、ネームド達にとっても予想外の事態ですし、機械が故障している……というような話もhappyはしていましたから。放送が思うままにできていない可能性もあります」

「じゃあ死んでるかもってことなの?」

「そうかもしれない、というだけの話です」

「あいつらがいなくなったら戦力が大分削られるし、死んでない可能性を追求したいんだけど」

「最下層にいたりとかは?」

「私と木更津さんは最下層から飛ばされてきました。なんならあなたも最下層まで一緒に落ちましたよね?」

「え、そうだったのか?じゃああれに巻き込まれてたってことか」

「いや、私の所にちょっと破片飛んでくるくらいだったから平気」

「……あ、そういえばさ、俺最下層でCDをいくつか見つけたんだ。そのうちの一個を見たんだけど、衣川がhappyと会話してて。仲悪そうでもなくて、むしろ……仲間、みたいに見えたんだ」

「え、じゃあ衣川はネームドだって言いたいの?」

「そうだ。あの爆発でCDの部屋は消えちゃったけど、そのCDは持ってきたし、あとで見せるよ」

「そこまで言うなら信じましょうか。実は私もCDの部屋を見つけていて、私の名前が題名に使用されているものを拝見しました」

「えー、私のやつは持ってきてる?見たかったなー」

「お前の奴は持ってこれてないな」「残念」

「となると、衣川はもしかすると、Cのグループにいるネームドだったのかもしれません」

「天神と大台で勝ってくれたのかな?」

「勝ってたらここにいるだろ」

「え、じゃあもしかして本当に死んでる……?」

「その可能性は高そうです」

「戦力が削られただけじゃなくて戦力が敵側にいってんのか、ガチでこれ以降やばいな」

「確かにー。てか小指もいないね」

「……小指?お前指4本なの?」

「小指、なんて方いらっしゃいましたっけ」

「えっ、みんな忘れたの?いや確かにキャラは濃いけど影は薄いやつだったけどさ、忘れることなくね??」

「どんな方でしたか?」

「反応的に本当に忘れてそうで困るんだけど……。小指はめっちゃ中二病なやつで、常に「暗黒騎士は~」みたいなこと言ってるやつだよ」

「そんなイタイ奴いたか……?」

「残念ながら存じ上げないのですが」

「えええ!!居たって!!確実に居た!!私と大台と衣川と小指で第一ゲーム固まってたもん!!」

「メンツが悪くないですか……全員消息不明ですよ」

「あそこまで具体的だと居そうではあるんだが……正直全然覚えてなくて」

「ま、待って!!私は間違えてない!!」


「全く、happy様がいないとまともなおしゃべりも出来ないだなんて、貴方たちはたいそうな頭をお持ちで」

「……お前は……blossom、だっけか」

「初対面ではないはずですけど、一応改めまして、俺はblossomって言います。名前の通り、ネームドの内の一人ですね。

それで、とあるクソ……いえいえ、ゴミ女様に喜ばしいご命令を受けちゃったので、君たちに助言をプレゼントしに来ました」

「……助言?」

「今君たちは倒すべき敵も目標も何から何まで定まってないと思うので、神視点になれる能力を持ってる俺から、まあちょっとしたアドバイスをくれてやろうとしてるわけです」

「でもネームドじゃん」

「黙れクソボケ猫。まずは信じろ。こっちもご命令で仕方なくやってんだわ。いちいちつっかかってくんな。こっちも暇じゃねーんだよ4浪野郎が」

「……」

「まあまずはそうですね、今消息不明の4人について話してやりますよ。まず、衣川がネームドだってのは合ってます。

彼はmeutrueというネームドで、魔法を操る能力と、物事を隠す能力を保持しています。そして、そいつと大台天神が接触したのもあってますし、戦ってんのも合ってます。ただ……ちょっと口留めされてるというか、俺の代償的にあまりたくさんは話せないんですよ。だから具体的なことは言えませんが、三人とも生きてるとだけ」

「戦ってるのに生きてるのか」

「確実に特殊な何かがあったんでしょうね。探すのも苦労しそうです」

「で、小指は??」

「小指くんは……ええと、これも具体的なことは言えませんが、実は彼は1年前に彼が通っていた中学校の屋上から転落して、一命をとりとめたものの、その後医師による医療ミスで亡くなりました。つまり、彼はもう亡くなっています」

「ええええええ!!!私ユーレイを見てたってことなの???」

「指揮さんなら分かるんじゃないんですか?」

「霊媒体質、でしょうか」

「何それ」

「通常の人間に目視できない神化人と交流できる体質のことです。神化人の他にも、極稀に幽霊とも交流できる方がいらっしゃるそうで」

「私が霊媒体質って言うのは分かってたから、まあその延長線で見えてたってことなのかな……え、でもあいつ能力あったくない?」

「この辺説明するのムズイんですが……彼には能力が与えられていますが、その能力は使用できません」

「まあそりゃ死んでんだからな。でも、死んでるやつに能力渡す意味ってなんだ?渡す段階ですでに死んでたんだろ?」

「えっとですね、まず皆さんに渡す能力って100個くらいの中からランダムに選んでるんです。で、その中で一つ、確実に使えなくなる能力を一つ決めてまして、それを死者、すなわち小指に渡してます」

「使えなくなる能力って、全然役に立たない能力とか?それとも、強すぎる能力?」

「それもランダムですね。使えなくなる能力を一番先に決めるんです、それでネームド達は一喜一憂してます。なんせ、弱い能力が腐れば、強い能力が戦いに来ますし、それは逆もしかり。ランダム性があって、毎回ハラハラしますよ」

「余計になんでランダム性なんて持たせたんだよ」

「強いて言うなら面白さ、エンターテインメント性を追求したんです。ずっと勝てるゲームはつまらないですから。そもそもゲームなんてほざいてる時点で戦いひゃっほーなヤバい奴しかいないんですよ」

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