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「フルク、俺やったよ」
「おめでとうございます、アウルムさん!」
二人で喜びを分かち合った。
このEXダンジョンは俺とフルクの二人で手に入れたもの。これから、二人だけでダンジョンを攻略していく!
「凄いな……こんな巨大遺跡を二人で独占できるとか」
「はい。世界でアウルムさんだけが使用を許された専用ダンジョンです」
そりゃあ最高だな。
レアアイテムとかも全部独占できるわけだ。売りさばけば、一気に金持ち。不自由のない生活が送れる。
「よし、さっそく中へ入ってみよう」
「気を付けて下さい。EX級ですから、強いモンスターがたくさんいると思います。ボスモンスターも通常と比べ物にならないほど強いはず」
「大丈夫さ。フルクがくれた【レベル投げ】があれば勝てる。この力は、こういう隠しダンジョンを制覇(クリア)する為の力なんじゃないかって俺は思うんだ」
まだ完全に能力を使いこなせているワケではないけれど、俺はこの力さえあれば、どこまでも行ける気がしていた。
「そうですね、その力は世界唯一のあなただけの力です。あの第二勇者をも超えるパワーとなりましょう」
行こう、っとフルクは手を引っ張ってくれた。俺はついていく。
◆
EXダンジョン内部へ侵入していく。
まるで巨人専用ではないかと見紛う程に天井が高く、幅も広かった。地下階段もどこまで続いているんだ? すごい階段だぞ。
「気を付けて、フルク」
「ええ」
転ばないよう下へ降りていく。
階段を下りると奥には巨大な扉。
「そうか。こんな空間はありえない。魔力で編まれているのか」
「そうみたいですね。外観と内部が一致しませんから」
あまりに広すぎる。
いったい誰がこんなダンジョンを作ったのか分からんが、ガチでレアアイテムというか、神器級が眠っていそうだ。
「この巨大扉をオープンするぞ」
「了解です」
どうやら所有権のある者が『オープン』と叫ぶだけで、巨大扉は開かれるらしい。そこんとこセキュリティもしっかりしているんだな。
ゴゴゴゴ……と轟音を立てて、扉は開く。
この中がダンジョン……!
ダンジョン内部はモンスターが溢れていた。しかも見たことのないバケモノばかり。……なんだコイツ等!
「インフェルノスライム、ギガントゴブリン、カオスオーク、怒れるコボルト……通常フィールドやダンジョンにいるモンスターと大違いだ」
「レベルは全部マックスみたいです! まずいですよ」
こちらのレベルは俺が0、フルクが40しかない。レベル差が激しすぎる……! だが、こっちには【レベル投げ】がある。これでいく。
「物は試しだ。まずは俺の力を使ってみるぞ」
「では、わたしは後方から支援します」
フルクをなるべく背後に立たせ、後ろを任せた。彼女は俺が守るしかない。そうでなければ死んでしまう。
「とにかく……襲われる前に【レベル投げ】――!!」
彼女曰く、運は最高潮に達しているとの事。
今なら最大威力でレベルをぶつけられる。
『――――ドゴォォォォォォォォォッ』
・
・
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「――ふぅ」
今日は第一エリアの攻略を完了させた。
レベル投げは確かな最強スキルで、その一撃のダメージが9999すらも超えたらしい。俺はダメージが見えないので分からないが、フルクによれば『99999』のダメージは出ていたらしい。
「凄いです! 尊敬します! アウルムさん!」
「いやぁ、それほどでもないよ」
あれからモンスターを倒しまくって、レアアイテム、武器、防具あらゆる物を手に入れ、既に多くの宝を入手した。
「本当に凄いです。こんなアイテムの山は見たことがありませんよ」
EXダンジョンの出入り口に小部屋があった。そこへ入り、俺とフルクはアイテムの精算をしていたのだが――これは自分でも驚いた。
「ああ……全部SSS級の聖剣、魔剣、弓、槍、槌、杖とかだ。こっちは見たこともない盾とかガントレットがあるぞ。防御力999? ありえねえ……」
「う、売ったらいくらになるんでしょう?」
「う~ん。ざっと見積もっても『30億セル』ってところかな」
「えぇッ! 30億って……家とか余裕で立ちますよね!?」
「ああ。労働者の月収が15万セルだ。喫茶店の飲み物が200セル程度だからな。30億がいかに異常な数値か分かるよな」
「は、はい……驚きました」
実際はもっといくと思う。
ていうか、こんなアッサリ儲けられるとか……やばくね? スキルも最強だし、EXダンジョンはレアアイテムだらけ。最強の環境じゃないか!!