「…………無一郎!っ、ちょ、…何するんだ!やめろ!」
僕は兄さんを布団に押し倒して犯そうと
した。
兄さんはじたばたと動いて逃げようとして
いる。それでも僕は逃がさなかった。
僕が兄さんに恋をしたのは6歳の時だ。
それからずっと兄さんのことが好きだった。
わかってる。本当は、兄弟でこんなこと
したらいけないこと。家族にこんな感情を
持ってはいけないこと。でも、ついに
身体が言う事を聞かなくなってしまった。
僕はあの日から14歳までずっと
我慢していた。
ずっとずっとずっと気持ちを抑えていた。
兄さんを悲しめてしまうから。
辛くても苦しくてもずっと我慢していた。
でも、耐えきれなかった。僕の身体は
言うことを聞かなかった。
ついに今日、我慢できずに兄を
押し倒した。
ああ、きっと嫌われるだろう。
──────だって、すごく嫌そうだから。
兄さんはずっとやめろ、と涙目で僕に
訴えてくる。ほんとうはそれも可愛い。
でも、これでもう兄さんは本当に
僕のことが恋愛的な意味で好きではない
ことがわかった。
ずっと期待してた。
もしかしたら兄さんも、って。
でも違った。浮かれすぎたのかもしれない。
きっとこの行為が終わったら普通の兄弟に
戻ることは無いだろう。そして、兄さんが
僕に 優しくすることもないし、頭を
撫でられることもきっとない。
もう、過去には戻れない。
「おまっ、なに考えてるんだっ…!!」
「……兄さんかわいいね。」
「おかしいぞ、お前……!」
「……そうだね。僕はおかしいよ」
「…っあ、やめっ……んぁっ、」
僕は兄さんのズボンを下ろして
モノを刺激した。
なんでこんなに可愛いのだろう。
ずっとこの顔と声が聞きたかった。
初めてはこの僕が奪った。
すごく嬉しい。………
でもやっぱり両思いになりたかった。
本当は、こんな無理やりで犯したく
なかった。僕は今兄さんを傷つけている。
でも嫌なんだ。兄さんが 将来恋人ができて、子供を産んで 幸せな家庭を築くのが。
「はぁっ、ん……むいちろ、やだっ、」
「すき、すきだよ兄さん」
「んぅっ、んっ、ぁ、ふあぁ…んんっ、
やっ…おまっ…なんかっ、だいきらっ…あぁっ」
「うんうん。」
「……っ、まて、いく、いくからぁ…!
はな、せ…!!」
「かわいい。」
ゴリュッ♡
「っあぁ~〜ーッ♡♡♡」
「…イってる顔、すごく可愛いなぁ、
ぞくぞくしちゃうよ」
「……さい、あくっ…!………」
*
その日から兄さんは僕の事を無視
するようになった。まぁ当然の事だろう。
あんな酷い犯し方をしたのだから。
学校ですれ違った時でも、家の時でも、
話しかけても兄さんは僕の事を無視して
ゴミを見るかの ような目で見られるように
なってしまった。
きっと兄さんはトラウマになってる。
完全に僕が悪い。兄弟でこんなことを
してはいけないなんて、 僕が1番わかっているのに。
兄さんは、僕のことが大嫌いになった
だろう。
それでも僕は兄さんを諦めきれない。
どうしても兄さんが好きなんだ。
だいすきなんだ。
こんな気持ち悪い弟でごめんなさい。
本当は、兄さんと両思いになって
愛し合いたかった。それで、2人で
幸せになって、一緒に死んでいきたかった。
でも、そんなことは叶わなかった。
僕は兄さんに振り向いてもらいたい。
身体を使ってでも。
僕が危険なことをしたら、兄さんは
振り向いてくれるかな。
兄さんの目の前で、自分の体に刃物を
刺したら、 兄さんは心配してくれるかな。
心配性の兄さんならきっとしてくれるよね。
──────少し怖いけれど、きっと、
そうするしか方法は無いんだ。
やっぱり、身体を使ってまで兄に心配して
欲しいから。僕と一緒に 堕ちてよ。兄さん
*
「……ねえ、兄さん」
「…………」
リビングのソファで横になりながら
スマホを弄っている兄さんに声をかけた。
相変わらず無視しているけど。
「……僕ね、やっぱりどうしても兄さんを
諦めきれないんだ。だからね、考えたの。
どうしたら兄さんに振り向いてもらえるか。
………本当はこんなことしたくないけど、
やっぱり、僕の身体を使って証明しないと
ダメなんだね」
「…………………は?」
“身体”というワードを聞いて嫌な予感が
したのか、兄さんは僕をちらっと
横目で見た。
僕は今、手にカッターを持っている。
カチカチと音を立てながら
カッターを最大の長さにした。
「………知ってる?昔の人はさ、
これくらい愛してますよって、
自分を痛めつけてまで表現するんだって。
だからね、僕もそうすることにしたんだ。 」
「お前何考えて……っ、」
「ふふ、やっと僕に話しかけてくれた。
嬉しいなぁ……。」
「……いいから早く渡せよ!!」
「嫌だよ。僕は今から愛情表現するんだから。それに、僕はもう生きてては行けない
人間だからさ。一石二鳥だと思うんだよね」
「………?」
「分かってるんだ。本当は、血の繋がってる
兄に こんな感情を持ってはいけないこと。
自分が1番分かってる。
6歳の頃から僕は、兄さんのこと、
いやらしい目で見てた。だけど、
ずっと我慢してた。そんなこと兄さんは
望んでないって。ダメなことだって。
自分の感情を潰してまで、我慢してた。
でも、もう耐えきれなかった。
身体が言うことを聞かなかったんだ。
兄さんが僕以外の人と人生を歩むのが
どうしても許せなかった。
だから犯してしまったんだ。
……最低な人間でしょ?
もうこれ以上僕は叶わない恋に付き合って
られないし、こんなに苦しい片思いをするんだったら 僕は愛情表現して消えるから」
「…………むいちろ、」
「言いたいことは終わったよ。
さて………、そろそろ僕は
どれぐらい兄さんのことを愛しているのか
自分の体で試してあげる。」
「……ちょ、落ち着けって…!!
話し合えばきっと──────」
「もう無駄だから。ごめんね。」
カッターを自分の右胸に向けた。
「っ、おい!!無一郎!!!やめ──────」
END
コメント
3件
もう最高です👍
この小説を元にマルチバースの論文書けそう
無一郎ぉ······(´;ω;`)