💙「えっ、涼太何読んでんの」
隣に来ていたらしい翔太が驚嘆の声をあげた。
❤️「何って、恋愛の本だけど」
💙「100%成功する恋愛マニュアル…お前さぁ」
❤️「何か」
翔太がため息をついた。横から阿部も顔を出す。
💚「えっ、舘さん恋してるの?」
❤️「まぁそんなところだ」
💚「俺ら仲人でもしようか?ねぇ翔太」
💙「ヤダ」
翔太と阿部は、2人の関係をみんなに公表して随分経つ。それをきっかけに、何となく秘めていた思いを表に出そうかどうしようかでソワソワしている奴が何人か見られ始めた。
黙っていたけど俺もその1人だった。
今ばれたが。
💚「翔太ってば、幼馴染の恋だよ?応援してあげたいと思わないの」
💙「みんないい大人だろ、そんな首突っ込む事じゃない」
💚「それはそうか」
まさかの阿部が翔太に言い負かされている。この2人の力関係はよくわからない。
💙「まぁ、その本はどうかと思うけど。でも頑張れよ」
❤️「ありがとう」
翔太と阿部が去って、俺はまた恋愛マニュアルに視線を戻した。
❤️「ふむ」
❤️「康二」
🧡「どしたん?」
練習終わり、意中の人に声を掛ける。
明るくて朗らかで、俺とは正反対。けれど料理と言うカテゴリで繋がっている。
そんな康二には、以前からメンバー以上の思いを抱いていた。
今度、家でご飯作って食べようという約束をとりつけた。決戦はその時だ。
マニュアルを熟読する日が続いた。
さて、約束の日。
インターホンが鳴り、玄関の鍵を開けて待つ。
食材と大きな袋を手にやって来た康二は、入って俺を一目見るなり悲鳴をあげた。
🧡「ギャーーーッ!」
❤️「どうした」
🧡「どうしたもこうしたも、舘さんなんなん?そのカッコ」
マニュアルにはギャップとセクシーで攻めろと書いてあり、例の中で一番過激だった裸エプロンで出迎えてみた。
❤️「何って、セクシーさを」
🧡「いやセクシーっちゃセクシーやけどもやな」
❤️「さぁ、ご飯作る?お風呂にする?それとも…俺?」
🧡「…はい?」
康二の反応が思っていたのと違う。落ちるどころかどうしたん?と言いたげな目を向けている。
🧡「舘さん、ちょい待ち。先ちょっとしゃべろか」
❤️「よしピロートークだな、ベッドへ」
🧡「ちゃうちゃう!」
慌てたように康二がソファに誘導してきたが、生の尻でソファに座る予定はなかったので立っていると『待っとくから、とりあえずパンツ穿いといで』なんて言われた。
🧡「なるほどなぁ、恋愛マニュアル」
❤️「うん」
🧡「道理で舘さんらしくないし、どしたんかと思ったわ」
一体どうしたのかと聞かれ、素直に本の話をした。康二はそれを真面目に聞いてくれた。
🧡「まぁでも、舘さんは俺が好きってこと?」
❤️「そうなる」
🧡「それはめーちゃ嬉しい」
年下なのに、恋愛に関しては一枚上手の余裕を感じさせる笑顔。
🧡「あんな舘さん。俺のためにこんな考えて用意しよってしてくれた舘さんも好きやけど、いつもの舘さんはもっと好きやで?」
康二はそう言って俺の頭を優しく撫でてくれた。年下なのに。
❤️「いつもの」
🧡「ん。普通の事言ってるだけでおもろくて、いっぱい食べて、カッコいいのに可愛いとこもある舘さん。俺、そのままの舘さんが一番好きかな」
❤️「わかった」
それを聞いて立ち上がり、エプロンを脱いで部屋着の上から掛け直した。
🧡「うん、そっちの方が好き。俺の好きな舘さんやわ」
❤️「…待ってよ。さっきから康二、俺のこと好きなの?」
🧡「え?そやで」
恋愛マニュアルにはこんなにさらっと告白する、される流れなんて載ってなかった。
目の前の康二のさっきまでと違う優しい目のことも、隣にいるだけでこんなにドキドキすることもマニュアルには書いてなかった。
翔太が苦笑いした意味をちょっと知った気がしながら、『両思いやん。付き合おか』と言う康二の言葉に無意識で『よろしゅうおたの申します』と返して笑われたあと、本当に触れるだけのキスをされて俺は倒れたらしい。
🧡「ちょっとずつやな」
❤️「不慣れなもので」
🧡「俺色に染まるってこと?」
❤️「メンカラは変わらないよ?」
🧡「そう言う事ちゃうねん。舘さんてほんま舘さんやな」
その日のご飯は康二が持ち込んだたこ焼き器と2人の用意していた食材でアヒージョを作り、ワインで恋愛成就を乾杯した。
こんなんなくても俺らはラブラブになろな、と言われ、恋愛マニュアルはすぐ売った。
❤️「大事な事はあの本に何も載ってなかった」
💙「だろうな」
終
コメント
19件
えー おかわりしたら超可愛かっただて❤️
なんだろう 短編なのに長編読んだくらい疲れたし、舘の裸エプロンが想像の中でプリケツ🍑すぎてしんどいし、ツッコミどころ多すぎて、康二だけしかまともじゃなくてツライwwwwwwww 本、売るなよ🤣🤣🤣🤣🤣🤣
みちるさんとまきぴよさんって絶対短編で出てくる人どっちかは同じ人だよね好き🫰🏻