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サーザスは紙切れに目を通し終えて一言。
「今回はこれですかね」
紙切れの文字を左手人差し指で押した。
そして、目を閉じ何かを唱え始めた。
「影に嫌われるは、人の本懐」
「光を求めるのは、影の葛藤」
「人を捕らえしは、我が分身」
地面からサーザスの影が4体現れた。
影の体格はきっちりと全員同じだ。
サーザスは右手にある紙を上空へ放り投げる。
すると紙は消えた。
「今回の獲物は佐川 涼です、彼を捕食しなさい」
影の1人が答える。
「私はグルメ担当なので、野郎には興味がありませんぜ」
どうやら、影の中にはグルメもおり、人の味には煩い種もいるようだ。
サーザスはハットから杖を出現させ、地面に突き刺した。
「グルメなのは、結構」
「私が欲しいのは、成果です」
「あなた方はそれを果たさなくてはなりません」
影4人はダンマリとサーザスの話を聞いていた。
すると納得した様子のグルメ担当の体が変化していく。
両腕が膝まで伸び、筋肉が膨張する。
横っ腹は広がり、背中に無数の棘が生えた横綱のような姿に変貌した。
「グーン、了解。サーザス様のために」
他の影3人も続く。
「サイ、了解。サーザス様のために」
「イリ、了解。サーザス様のために」
「タール、了解。サーザス様のために」
影達は佐川を追いかけるべく、飛び出した。