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以前の二回の周回で真なる聖女と聖魔騎士の強さで、生命救出大作戦を台無しにされた六柱は安直な手に出たのである。

それは自ら吐露した通り、胸糞注意報が吹き荒れて然(しか)るべき内容であった。


――――折角上手く行き掛けていたのに…… ちいぃっ!


そう苦々しく臍(ほぞ)を噛んだ六柱は邪魔者である真なる聖女と聖魔騎士、コユキと光影の切り崩しを始めたのであった。

聖魔騎士としての能力の高さだけでなく、理系らしく科学的な分析に基づいた数々の化学的装備や防具を駆使してあらゆる悪魔を駆逐し続ける光影ではなく、彼の魔力供給源であったコユキに狙いを定めたのである。


悪魔が顕現する直前、幼い下の二人の子供、善子(ヨシコ)とユキ悪(ユキオ)を保育園に送り届けた主夫善悪を拉致して人質にし、更に小学校四年生で当時サボり癖が出始めて、幸福寺の庫裏(くり)で仮病でずる休みを決め込んでいた第一子、長女のミユキをも攫ったのであった。


「今すぐ来いっ! 一分、いや二分だけ待ってやる、サッサと来いぃっ! 二分後に二人とも殺すっ!」


この言葉を女性だけのフィットネス、カー〇スのサーキットメニュー消化中に受け取ったコユキは、あり得ない速度で自らの愛する夫と、将来面倒臭い存在になりそうな統失気味の娘が捕らわれている場所に向かったのである、自身が全幅の信頼を置いていたカギ棒も持たないままで……


『おかぁちゃーん!』


『コユキ、コユキィ! お前手足を失ってっ! くっ、ゆ、許さんぞぉ、悪魔達ぃ! 貴様ら全員、吸い尽くしてくれるわぁっ!』


『ぜ、善悪、ミユキ…… 逃げて…… そして伝えて、光影、に…… アンタ達は、に、逃げて…… ガックシ!』


『や、やだあぁーっ! 死なないでぇっ! おかぁーちゃぁーんーっぅ!』


『くっ、貴様ら全員道連れだぁぁ! ミユキっ! お前だけでも逃げろっ! 妹弟を守れっ! ここはお父ちゃんに任せて、行っけぇっーぇ! グッ、グハッ! ま、魔力を吸えない、だと? クソっ、もっとちゃんと修行さえしていれば、ナニクソぉっ! ムッシュムラムラぁっ! はぁはぁ、だ、駄目か! ミユキ、ヨシコォ、ゆ、ユキオォ!』


グボンッ! パァァッ! バラバラバラ…… ドチャァッ!


善悪は限界を越えて魔力を吸収し続けた結果、肉塊と化したそうだ……

ミユキは気がふれたように叫び続けたそうだ。


『イッヤッアッァァー! お母ちゃん! お父ちゃんー! イヤイヤイヤイヤイヤアァァァァーッ! グ、グフゥ…… おかあ…… おとうち……』


泣き叫ぶミユキの命を一刀の元に絶ったのは純白の悪魔、オルクスであったらしい。


コユキが横にいた小さなフィギュア姿のオルクスの胴体を握りつぶさん勢いで掴みながら叫んだ!


「あああ、何してくれてんのよぉ! オルクス君んっ! アンタがそんな事する人でなし、ううん悪魔でなしだとは思っていなかったわよぉ! どうすんの? これっ! アンタ最っ低っ! じゃないのぉ! ミユキィ! オーイオーイオイオイオイ、ミユキィ! オイオイオイィッ!」


握り潰されながらも答えるオルクスである。


「エッ、ミ、ミユキ? シラナイ、ヨ~、サ、サンセンチィ~、シ、シンジャウゥー、ハナシテ、ヨォー」


善悪がコユキの手首を力強く握りしめながらマジな表情でやや強めに言う。


「止めなさい! あくまでも前回の話だろう? 今の、最新回のオルクス君がやった事では無いじゃないか! 責めるのはお門違いだよ…… 判るだろう? 我が愛する妻よ、な? コユキ! 僕の言う事をお聞き? 分かってくれるよな、最愛の妻よ?」


リエとリョウコが同時に叫ぶのであった。


「「キャアァー! 最愛の妻ですってよぉー! ロマンスチックぅー!」」


バッチコーン!


コユキはゆったりとした男前風味で微笑んでいた、善悪の顎に、ここまでで一番の平手打ちをお見舞いして言葉を発するのであった。


「バッカッ! 誰が最愛の妻よっ! 全くぅ! 前回の話なんでしょ? アンタが今言った通りだわん、今回はイケメンハーフの美少年にするんだったわぁ! コユキ、ウッカリよぉぉ!」


「イケメンハーフの美少年か、ちっ! 不愉快でござるよっ!」


善悪の悪態を無視してコユキは言った。


「んまあ、胸糞は胸糞だけどアンタらサイドから見たら上手く行ってたんじゃないの? んでその後どうなったのよ?」

堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

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