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「さて問題です。これはなんでしょう。」
サンドウィッチを食べ終わった後、柚さんが大きな袋から何かを出して机に置いていく。
「あれ、これ……花火…ですか?前に見たのと違うような…。」
「えー、花月やったことあるの!?絶対ないと思って山ほど買ってきたのに……。」
「そういえば前に悠夜と買ってきてもらってたっけ、50連発の。」
「あんた意外とハードな奴選ぶのね。」
「1番数字が大きいのがいいかなと……。」
「よーし、それじゃあ花火やるぞ!」
「こ~ら、まだお昼だからダメよ、劉磨クン。」
「泰揮、お前今日なんかいつも以上に女々しくて怖いわ。」
「あらあ、クリスマスに柚ちゃんからもらったフェイスパックのおかげかしら。」
「泰揮の女々しさは放っておくとして、こんな真昼間から花火はやめてください。風情がない。」
「悠夜、貴方風情なんて考えるようになったのね。花月の影響かしら。」
「とにかく、花火は夜にやりなさい。今は各自新年に向けての準備……特に部屋がまだ片付いていない者は早急に片付けること。」
「へいへい。」
「…俺らはどうする……?」
「聖クンと奏クンはおせちづくりとお汁粉、お雑煮づくりやってくれる?花月チャンはこっちでお夕飯の準備ね。」
お昼を食べたばかりなのに、もう夕食の準備をするのか……。それだけ料理が多くて大変なのかな。でも……
「私、劉磨さんにキッチン出入り禁止って言われてて……。」
「大丈夫よ、火を使う作業は私がやるし、なるべく安全なことをお願いするから。」
それなら私にもできるかも……。
「私やります!やらせてください!」
「じゃあまず、天ぷらの下準備ね。野菜を切るのをお願いしようかしら。」
籠の中には茄子、ピーマン、ニンジン、たまねぎ、キノコ、それと海老が入っている。
「食べやすい大きさに切ってもらえる?」
食べやすい大きさ……ってどのくらい…!?
「花月チャン、リラックスしてね。左手は指を丸めて野菜に沿える。包丁は奥から切れ目を入れて切っていくのよ~。」
泰揮クンの言葉通りに野菜を切る。なんとか少しずつ切れているけれど、指が震える。
「そうそう、上手よ。怪我しないようにゆっくりでいいからね。」