涼ちゃんに想いが届いてお付き合いを初めてもうすぐ半年。
ここまでは順調そのもの。
お互い忙しい中でもドライブデートや家でのお家デート、たまにお泊りと充実した日々だ。
「風磨くんってほんとにかっこいいね♡」
録画しておいた番組を一緒に見ながらソファに座る俺に涼ちゃんはこてっともたれかかる。
「涼ちゃんにそう言ってもらうために俺頑張ってるのかも」
くぅ、幸せすぎじゃない?
涼ちゃんの匂いをバレないようにくんくん嗅ぎながらそっとふわふわの頭を撫でる。
涼ちゃんは付き合ってからも変わらずスキンシップが高く、可愛く甘えてくる、というのもプラスされて俺はいっつも癒されている。
しばらくテレビを観ていると涼ちゃんの目がとろんとしてきて、ふあ、とあくびをした。
「そろそろ寝よっか?」
少しあったかい手を握りベッドに連れて行ってあげる。
「風磨くんも一緒に寝て···」
手を離さない涼ちゃんの隣に潜り込み、背中をとんとんしてあげる。
すぐにすやすやと眠った涼ちゃんの顔を見ながら幸せを噛み締める。
付き合ってからキスはする、手も繋いで抱きしめて一緒のベッドで寝るけれどそれ以外は一切何もなかった。
最初はドキドキしてなかなか眠れなかったこともあったけど、俺のすぐ決壊しそうだった理性は今のところまともだ。 涼ちゃんがその気になってくれるまで俺は待ちたいし、無理はさせたくない。
それになにより涼ちゃんが言葉にして好きだと全力で伝えてくれるから俺は安心してゆったりと構えて居られた。
連絡くれるのなんかもマメでメッセージでも好き、かっこいいね、と褒められ予定なんかもきちんと教えてくれる。お揃いのマグカップを買ってきてくれた時には可愛さで倒れるかと思ったし、紫のピアスをつけていたり、まぁとにかく愛のある行動がはっきり伝わってきてそれだけで俺は満たされまくっていた。
だから今日も隣で俺はあどけない寝顔を見ながら幸せな気持ちで眠りについた。
風磨くんとお付き合いしてもうすぐ半年になる。
いつだって面白くてカッコよくて僕のことを大切にしてくれる風磨くんが大好きで僕は幸せだった。
けどひとつだけ引っかかっていることがある。
キスはする、手も繋ぐ、ハグもする。
けどそれ以上はない。
僕だってもういい歳の大人なのだからお付き合いってそれだけじゃないって知っているし、そういったことを風磨くんとしたい気持ちがある。
けどそういう雰囲気にすらならなくて···でもどうしたらいいのかもわからずに僕は困っていた。
そうだ、ちょうどいい相談相手がいるじゃないか。
若井もいるけどまぁいいや、僕たちのことは知ってるし。
「ねぇ元貴、ちょっとアドバイスがほしいんだけど」
「んー?なにぃ?」
「普通さ、付き合ってどのくらいで···キス以上のことをするの?」
ブハッと吹き出したのはなぜか若井で、元貴は読んでいた台本からようやく顔を上げた。
「人それぞれじゃないの?ねぇ若井?」
「俺に振るなよ!」
「俺たちは3ヶ月くらいだったかなぁ?最初は色々と用意が大変だし。けど触りあいっことかはその前からしてたよ」
無視すんな、と若井がなぜか顔を赤くしているけどそれはさておき。
「そっかぁ···風磨くん、なんにもしてくれないんだよね···触られたりもないし」
「意外だね、それだけ涼ちゃんのこと大切にしてるんじゃない?大人だねぇ、誰かさんはめっちゃがっついてたけどねぇ」
「あれは若かったし!仕方ないじゃん、好きならしたくなるでしょ」
なんだか若井がうるさいけど、僕も後半のその意見には同意する。
「そうなんだよ、好きならしたくなるんじゃないのかなって。僕はそういうことしたくなるもん」
「じゃあそう言えば?」
「んえっ?!」
「涼ちゃんが可愛くお願いしたら風磨くんなんてイチコロでしょ」
そうだ、風磨くんがそのつもりがないなら僕が頑張ればいいんだ!
さすが元貴!
「けどね、涼ちゃんは恋愛初心者だから俺が色々教えてあげるね♡1ヶ月くらいあればきっと大丈夫!」
「ありがとう、お願いします! 」
何を教えてくれるかわからないけど、元貴は悪いようにはしないだろう。
「おいおい···元貴ほとほどにな···」
若井のあきれたような困ったような声が聞こえたけど、僕は風磨くんのために頑張るねって誓った。
それから1ヶ月ちょっと。
僕は元貴に色んなことを教えてもらった。ちょっと想像以上に刺激的だったけれど、元貴が必要なことだよっていうから全部真面目に教わった。
「きっと風磨くん喜んでくれるよ」
元貴にそう言われて僕はさっそく風磨くんとをお泊りに誘った。
「元貴何教えたの···?」
こわごわと若井が元貴に聞く。
そんなこと聞くなんてデリカシーなさすぎるよ。
「えっ、聞きたぁい?♡」
「わぁ!言わないでっ!!!」
「やっぱりいいや、怖いから」
元貴は1人なんだかご機嫌で、若井はブツブツと元貴には敵わない、と呟いていた。
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次は風磨くんと涼ちゃんのラブラブになる予定です!
需要あればもっくんがなにをどんな風に教えたのかセンシティブでしかないのも書こうかな···、
コメント
15件
しれっと俺たちのこと教えてくれてるもっくんと、絶対バレないのにちょいドキドキしながら反論してるひろぱ好き
わー⋯際どいことしか言ってなさそう。
お付き合い編、ありがとうございます🙌 楽しみが出来て、嬉しいです🤭💜💛わ