Remember

スダスカニスタン

スカース軍事病院

歌が聞こえるいつかに聴いたことがある曲だ

寝ていたのか?

目を開けようとすると視界がぼやけ何も見えない

30分後

やっと目が慣れたここはどこだろうか

左右を見ると心電図に点滴

私はどうやら病院にいるらしい

「ル…シア」

とっさに脳から出た言葉を口に出した

返事は返ってこない

感覚ではいつもすぐに返事が返ってくると思っていたのに

だが何故そういう感覚があるかも思い出せない

そうこうしているうちに看護師が来た

慌てて医者呼びに行ったがなぜだろう

すぐに医者が来た

医者「自分の名前はわかりますか?」

「私…私の名前は」

名前、長らくコードネームで呼ばれていたためか思い出せない

医者「コードネームで構いません」

「アンジェリアだ…部下にはアンジェと呼ばれている」

医者「まずあなたの容態ですが」

医者「あなたはずっと昏睡状態だった」

昏睡、脳では理解しているが実感がわかない

一体何日、何年寝ていた?

医者「ええ、わかっていますどの間寝ていたかですね」

医者「落ち着いて聞いて下さいあなたが眠っていたのは「5年です」」

アンジェ「え、は?5年?」

心拍が上がっている

呼吸が乱れてきた

医者「ナース!」

看護師が鎮静剤のようなものを注射した

また意識が、いや今は落ち着く

はあ、5年か

患者名　アンジェリア

診断書

頭部に当たった9mm弾による脳出血

脳出血により一部記憶障害が認められる

聴取によると現在の称号　リコリス・ラジアータ

を得た作戦の記憶が完全に欠落している

そして現在ここに運ばれるまでの記憶の欠落が確認された

銃弾は摘出済み

身体機能に異常なし

PTSDの前兆なし

以降軍医官レポート

銃の射撃に問題なし

セルディンスカ国防省対テロ部隊443号室報告書

5月26日

今日未明、当連邦所属のウラスカ民主共和国の第436兵器設計局において襲撃事件発生

目撃者によると所属不明の軍機が爆発前に多数見られている

連邦中央情報局エージェント　■■■■■■の負傷

設計局防衛部隊多数が死傷

研究員の半数が死亡

連邦所属の各国設計局に監視体制の強化を各国防衛庁に指示

連邦中央情報局対外情報部444班部隊長負傷につき部隊指揮権を■■■に移譲

エージェント■■■■■■をスダスカニスタンの軍病院に移動

セルディンスカ共和国連邦の解説

20年前までは国号をセルシュカ独立国連邦としていた。現在は連邦主導国がセルシュカ独立国からセルディンスカ共和国に変わり国号が変わった。

当連邦は昔から大東洋を挟んで向かいの大陸の国家であるコロンリア合州国と対立している