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今日はクリスマス。恋人同士が愛を確かめ合う「聖なる日」であり、「特別な日」。そんな日をフジと過ごせることを、とても嬉しく思う。


うぃーす。どーもキヨでーす。

俺はキヨ。個人でのゲーム実況はもちろん「最終兵器俺達」略して「最俺」としても活動している人気ゲーム実況者だ。

俺は、そのメンバーである「フジ」と付き合うことになった。

フジと付き合ったのは、12月の初め。

冬になり、すっかり寒くなってきた東京。フジの住んでいるマンションの屋上で俺とフジは結ばれた。そして付き合ってから早くも4週間。12月の終わりも近づいていた。

今日は、12月24日。そのメンバーであるフジと付き合って、初めてのデートの日というわけだ。

フジから「クリスマス出かけよう」と誘われてから早2週間。色々あったが、気がつけば24日になっていた。時の流れは速いもんだなぁ…。と改めて実感する。

今日は、フジと相談した結果、視聴者さんたちが俺たちの関係を知らないことから、少しでも暗い空間の方が、気づかれにくいという理由で水族館へ行くことになった。

水族館デートなんてよぉ…デートの王道じゃねぇか!!フジは、芸術的なものが好きだからきっと水族館の幻想的な雰囲気に「キヨ~お魚さん綺麗だよ~」なんて言うんだろうなぁ…。で、俺はすかさず「フジの方が綺麗だよ。」なんて、サラっと言ってやるんだ。


……って、また頭お花畑モードになってしまっていた。


こんなことを考えている間に、待ち合わせの時間が刻一刻と近づいていることに気づいた俺は、「やっべ、急がなきゃ!!」と急いで自分の家を飛び出した。

外はいつも通り、冷んやりとしているがなぜだが、今日はいつもよりすこし暖かく感じた。


待ち合わせの10分前。俺は水族館の最寄り駅に到着した。「フジ、今日どんな格好してくんのかな。」なんて、思わずボソっと呟いていた。そんなことを考えてフジの到着を待っていると、駅の改札から「キヨーー!!!!!!」と馬鹿でかい声量で俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

本当なら俺も「フジーー!!!!!!」と言いたいところだが、周りに人がいるからSASUGA…NI…


「フジーー!!!!!!」


気がついたら、俺は嬉しさが込み上げてそう返事をしてしまっていた。それを聞くなりフジは

「ちょ!!キヨ!!ばかっ!声でかいって!!」と俺に向かって言ってきた。それを聞くなり「フジもめちゃくちゃ声でかかったぞ!?!?笑」とすかさずツッコミを入れる。

今日もいつも通り。いつものテンション、いつものフジ。…でもあれだな。いつにもまして…「フジ、なんかかっこよくね?」と思い、思わず口にしてしまった。

するとフジは少し照れた様子で「キヨとの大切な日だから、頑張っちゃった」と言った。

なんだこいつ…可愛すぎんだろ…。こんな可愛くてかっこいいフジを他の誰にも見せたくない…もう、俺の家に連れてって、閉じ込めて、2人だけのクリスマスを過ごそうかな…。なんてことを本気で考えてると、フジが「キヨ!ほら!水族館行こ!」と俺の手を引いて歩き出した。


さすがのクリスマス当日。最寄りから水族館へ行くまでの間だけでも、溢れかえる程の人の量。小さい子供連れの家族なんかもいるが、この混み具合であれば、手を離してしまえば再び会うことは困難になるのだろうな…なんてぼんやり考えていると、フジが俺の手を静かに握ってきた。いきなりのことだったから、「!?、」と少し取り乱してしまった。するとフジはいたずらっ子のような笑みを浮かべて「キヨ、離れちゃダメだよ」と言ってきた。それを聞くなり、「ぉぉ俺は子供かっっ」とツッコミを入れた。するといかにも「?」を浮かべた表情をした。


___こいつはほんと…、サラっと俺をドキドキさせる。今日、俺の心臓は持つのだろうか…。


ドキドキしっぱなしのまま、人の波に飲まれながら歩くこと30分。気づけば水族館までたどり着いていた。早速チケットを買おうとしたその時。フジが「俺たち、どのチケットにしよっか?」と俺に問いかけてきた。チケットは一般販売とは別に、クリスマスかつ、カップル限定の「ペアチケット」というものが発売されているようだ。

俺たち2人はカップル…ではあるが、果たしてペアチケットを購入していいのかぁ…?と疑問を浮かべ、「んー、」と声を漏らしていると、フジはニコッと笑い「俺ら、カップルなんだし、ペアチケットでいいよね!」といい、ペアチケットの発券ボタンをぽちっと押した。周りの目を気にして、一般の方がいいのでは無いかと悩んでいた俺とは反対に、フジは俺と「恋人関係」だということを全くもって気にしておらず、むしろ誇りに思っているような感じがした。………そうだよな。俺らちゃんと付き合ってんだから!「恋人」なんだよな。…周りの目を気にする必要なんてないし、恋に性別なんか関係ねぇよな。と改めて感じた。


チケットも買ったことだし、早速水族館に入って行くとそこには一面ガラス張りの水槽。数え切れない程の魚の鱗が光に反射し、キラキラと輝いている。

水族館に来たのがあまりにも久々だったことから「すげぇ…」とつい独り言をこぼしていた。

本当に綺麗だった。もちろん、周りに沢山の人がいるけど、今この時間は、まるでフジと俺との2人の空間のように感じた。


すっかりテンションが上がってしまった俺は「ちょ!!フジ見てみろって!!あの魚の群れんとこ、めっちゃ綺麗じゃね!?水族館ってすげぇ!!」といかにも子供のようにはしゃいでしまった。

それを聞くなりフジはふふっと笑みを浮かべた後「もう、キヨはしゃぎすぎ。魚も綺麗だけど、キヨの方が綺麗だよ。」なんて事を伝えてきた。

「…は」俺は思わず「は」と言ってしまった。それを聞いたフジは「ぇ、!ちょっと!はって言わないで!!ちょっとカッコつけただけじゃん!!泣」と訴えかけてきたので、「そう言うことじゃなく!!それ俺が言おうと思ってたこと!!ww」とすかさずツッコミを入れた。

俺が言うつもりだったこと、言いやがって…、なんだか、今日はフジにドキドキさせられっぱなしな気がした。



______俺だって、フジをドキドキさせたいのになぁ。



そんなこんなで、楽しい時間はあっという間に過ぎ、水族館は閉園時間となっていた。

外に出てみると、より一層寒さが増しており、あたりは真っ暗だった。

正直、心のうちで「まだフジと一緒にいたい。」と思っていた。だけど、この後どこか行くってなればそれはもう泊まり…以外に選択肢はないと思い、「そういうこと目的」だと思われたくなくて、俺は意地を張ってしまい「よーし。今日は楽しかったわ!誘ってくれて本当にありがとう!!フジ、またな!」と別れの挨拶を口にしていた。

本当はフジといたいのに。離れたくないのに。そんな気持ちに俺は逆張りをしている。正直になんて、なれない。…

だがフジは、俺に手を握り一言「まだ、帰さないから。」とだけ伝えてきた。その言葉の意味を、深くは考えないまま、ただ単純に「フジとまだ一緒にいれる」という事を嬉しく思った俺は、「…俺もまだフジといたい、」と正直な思いを伝えることができた。

この後も一緒にいるってことは、もしかしてフジと、…なんてこの時の俺は少し期待してみた。


フジに手を引かれるまま、向かった先は俺の想定の斜め上を行く場所、「最俺ハウス」だった。

ちょ、ちょっと待て。なんで最俺ハウスなんだ…?と不思議に思った俺はフジに問いかける。すると、「いいから、ほら!入って!」と言われたので、俺は最俺ハウスに入った。

もしかして、毎年恒例の「最俺クリスマス」でもやるのか…?と思っていたが、それはどうやら違うようだ。入ってみると、あたりはしんとしていて、人の気配はない。

俺はフジの方に振り返り「フジー?最俺ハウスきたはいいけど、誰もいねぇぞ?」というと「そうだね」と言い、スっと俺に近寄ってきた。その代償に俺は、壁とフジとに挟まれる体制になってしまった。

…フジの顔が、めちゃくちゃ至近距離にある。少し動けば、唇と唇が触れそうなくらいだ。


こんな状態に焦っている俺とは対照的に、フジはすました顔で、「キヨ、最俺ハウスに来たからって、油断した?」と問いかけてくる。


…図星だった。最俺ハウスに来た時点で、2人きりではなくなる。であれば、必然的にフジとイチャつく時間はなくなると思い、完全に油断しきっていたけど、こいつは…


本当に、ずるいやつだ。

こんなにも、俺だけドキドキさせやがって



…俺だって、



フジをドキドキさせてやる______



そう決めた俺は、壁に押し付けられていた体制を脱却するべくフジの手をグイっと引っ張り、ソファーにパタリとフジを倒す。するとフジが今日初めて、焦った顔 を見せた。

さすがに、俺がこんなにも強引に「押し倒す」なんて思ってなかったようだ。


そして「キ、キヨ、?なに、?え?」と白々しい様子で言ってくる。なにそんな「何もしないつもりだった感」出してんだよ。と思った俺は


「…本当はフジが俺をこうするつもりだったんだろ?」と少し低い声でそう問いかける。


すると、図星だったのだろう。

みるみるフジの顔が赤くなっていった。

さっきまで、あんなにかっこよかったのに。

今はこんなにも、可愛い顔を見せて。

もっと、もっと、可愛いフジが見たい。


「フジ、いい?」俺はフジに行為の同意を受けるべく、そう問いかける。すると、

「前言ったよね、キヨになら、何されてもいいって。」と伝えてきた。


本当に、こいつはずるいやつだ。

こんなこと言われて、俺の理性が壊れるって言うことは、前回のことでしっかりと分かっているはずなのに。


わざとやってるんだとしたら、お仕置が必要だな。


「その言葉、覚えとけよ。」



俺はそう伝えたのち、フジと深く、深く 愛を確かめあった。

もっと、フジの可愛い姿を見たい。

そう思っているうちに、俺の理性はタカが外れていた。


どれだけの時間、フジとそうしていただろう。

気がついた頃には、2人とも眠りに落ちていた。

目を開ければ、そこにはフジがいる。俺しか見ることの出来ない、乱れきった後のフジの顔。


これからも、こんな風にデートして、同じ居場所に帰ってきて、フジと共に、幸せな時間を共有して生きたい。


改めて、フジへの愛を誓い、俺は寝ているフジの額にちゅっと口付けをした。


そして、しっかりと夜が明けた12月25日。昼12時。

「ひぇぇぇえええ!?!?ちょっとちょっと!!!!!!!!キヨとフジ、どこでなにやってんのーーー!!!!!!!!!!!」という、ヒラの悲鳴(?)によって目が覚めたのであった。


ぁ…そういやここ、最俺ハウスだった。



その後俺たちは、ヒラによって、隅々までここでした内容を問い詰められたのであったとさ。




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最後ヒラにバレちゃうのいいなぁ…水族館ではしゃぐキヨ可愛すぎるし尊い…

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