前のもそうですがもっくん視点と涼ちゃん視点を行ったり来たりする流れになります。
最初は涼ちゃん視点から開始します。
それでは楽しんでください。
「涼ちゃん〜。今日涼ちゃん家に行ってもいい?」
元貴が疲れた顔をして俺の背中に張り付いてくる。
最近元貴は新曲の作成などでいそがしい日々を送っていた。こればっかりは誰も手伝ってあげる事はできない。
「いいけど…。もう仕事は大丈夫なの?」
「うん。今日は疲れたからはやく涼ちゃん家に行きたいの」
そう言った元貴が何をしようとしているのかわかって俺はちょっと苦笑する。
タクシーを降りて俺の部屋の玄関のドアを閉めた途端、元貴が俺を抱きしめてキスしてくる。
「もう、ちょっと落ち着きなよ」
そう言って頭をポンポンと撫でてあげる。
「ここは俺の部屋でどこにも行かないんだから焦らないの。先にちょっとご飯食べようよ。ちゃんとご飯食べてる?」
「う〜ん。前に食べたのいつだろ?」
「倒れちゃうからご飯は食べなっていつも言ってるでしょ。ビタミンゼリーみたいなのでもいいからさ」
よく見ると目の下にはくまができているし、肌ツヤもよくない。きっとほとんど寝れていないのだろう。
元貴は与えられた才能ゆえか、とても精神的に繊細でもろく、かなりの不眠症だ。
「そんなのより涼ちゃんがいい」
そう言って元貴は俺の手を引っ張って寝室に連れて行きベッドの上に押し倒す。
本当にしょうがないなぁと、俺に覆い被さってキスしながら撫で回してくる元貴に俺もこたえる。もう何度も抱き合っているのだ。相手のいいところなどお互いに熟知していた。
そしていつも通り身体を合わせ終わった後、元貴は倒れ込むように眠りにつく。これもいつも通り。
…俺たちの関係は一体何と呼ぶのだろうか。
付き合っているわけではない。お互いに好きだと言った事もない。
それでも元貴が疲れて倒れそうになった時には身体を合わせ、そして元貴は眠りにつく。
この関係は一体なんなんだ、と問いたくもなるが、眠れずに苦しんでいる元貴を見ると何も言えなくなってしまう。
今も何かうなされているのか眠りながらポロポロと涙が頬を伝っている。
背中から優しく抱きしめ、大丈夫だよ、と何度も耳元で囁いてやると表情が緩んだように見えた。少し落ち着いたのか、涙も止まり、規則正しい寝息が聞こえてきて俺はホッと胸を撫で下ろす。
こんな歪な関係が始まったきっかけはなんだっただろうか。
今度は最初から暗いし、もっくんかなり病んでいます。
こんなノリでもいい方はこの後もよろしくお願いします。
コメント
2件
新作や〜( ◜𖥦◝) 楽しみ( ◜௰◝ )