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「連助!」
聞いたことのあるような女性の声が、部屋の外から聞こえた。
ガラガラガラ。
扉を開ける音が部屋に響く。窓の外からは小鳥のさえずりが聞こえる。
誰かが俺を起こそうと、寝ている俺の肩をゆすっている。
きっと、同室の泥田だろう。
「今日は休みだろ……っ」
日曜日くらいゆっくり寝させてくれ。問題児クラスの面倒を見るのは、結構疲れるんだぞ。
「何を言ってるの。今日は学校でしょ。遅刻するから、早く起きて」
少し怒っているような声。
やはり先程と同じように女性の声であり、泥田の声ではない。
そこで俺は、外から香ばしい匂いがすることに気づく。きっと焼き立てのトーストの匂いだ。
「こら、早く!」
「……分かったよ」
流石に、重いまぶたを開けた。
「…………」
そこで俺は、言葉を失う。
こちらの顔を覗き込んでいたのは、泥田でもメイド長でもない。
「おはよう、連助」
俺の母親だった。