君に恋して15年
話す事も目を合わすことも 出来なかった
でも
今年で最後だから
君に伝えるよ
『バームクーヘン』
私には15年片思いしている 男の子がいます
「片丘 奏」 (カタオカカナデ)
物静かでカッコイイ
幼馴染です
3歳の時に隣に引っ越して来た私は
輝くほどの笑顔で挨拶する君に
生まれて初めて
恋をしました
その時私は幼く
恥ずかしがり屋で
俯いてしまったけれど
顔が暑く
君に挨拶された事が嬉しくて
ドキドキしていた
そんな小さい頃の思い出は
私にとって君との初めての会話
そして大切な思い出
今では遠くから見てるだけだけど
小学校・中学校と同じだったけれど
君の周りには沢山の人がいた
君が魔法の力で引き寄せてる みたいに
私も君の作った輪の中に入りたい
そう思って話しかけてみたら
案の定「陰キャは、来んなよ」
と言われてしまった
当時は、みんな子供だったから
きつい言い方しか出来なかったと 今では思う
でも辛いのには変わりない
それに...
君と同じステージに立てないことが悲しかった
それからかな
君と話す努力も
目を合わす努力も
しなくなり
遠くから見てるだけの
空気の存在になったのは
でも
今年で最後
この気持ちにケジメをつけなければならない
お互い高校3年生
大学受験の年
「大学一緒がいいな」とか
私だって思った事もある
だって君が好きだから
でもやっぱり違った
君は京都の大学へ
私は...
アメリカの大学へ進学する
同じ地球にいても
何キロも離れた土地で
新しい生活が始まろうとしている
だからこれが本当の最後
3月にはホワイトデーがある
でも私は
2月の終わりにアメリカに旅立つ
卒業式も迎えずに
だからこの気持ちを君に 悟られぬよう
渡すんだ
15年の片思い
最後の悪足掻き
君に伝えるよ
『バームクーヘン...
貴方の幸せが重なり 長く続きますように...』