テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
晴奈 あきぷり最推し
109
4,695
もち@水色きのこ依存
27,796
もち@水色きのこ依存
894
コメント
1件
うわぁ…すごく好きな雰囲気の話だった🥀 「みんな笑ってるのに、一人だけ無理してる顔してた」って台詞、心臓ぎゅってなったよ。誰にも気づかれたくなかったのに、ってところがもう…静かに泣いちゃうよ。 知らない男子の、ゆるっとした優しさと、主人公の閉じてた心が少しずつ開いていく感じが丁寧で、1話なのにすでに胸がいっぱい。 続き、読みたいです。
高2の春
俺は、人を好きになるのが苦手だった。
友達はいる。
でも、昼休みになると自然と図書室へ向かう。
静かな空間が好きだった。
本棚の奥。
いつもの窓際。
そこだけは、誰にも邪魔されない俺の居場所
…のはずだった。
顔を上げると、知らない男子が立っていた。
制服のネクタイは少し緩くて、どこか眠そうな目。
俺とは真逆そうな男子。
それが、全部の始まりだった。
変な人だった。
毎日来る。
毎日話しかけてくる、
なのに全然うるさくない。
沈黙が苦じゃない人だった。
ある日
机の上に缶ココア。
その一言だけで、
胸の奥が少しだけあったかくなった。
季節は夏。
教室は蝉の声でいっぱい。
放課後
心臓が止まりそうだった。
夕暮れの海
波の音。
オレンジ色の空。
彼は少し笑った。
言葉を失った。
気付かれてたんだ。
誰にも、気づかれたくなかったのに。
彼は海を見たまま言う。
その瞬間、
涙が零れた。
涙は止まらなかった。
こんなに優しくされたことなんて、
なかったから。