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コメント
1件
主様お疲れ様です✨️🩷ちゃん頑張って✨️続き楽しみです✨️無理しない程度に投稿頑張ってください
蘭side
きっかけは一通の手紙だった。
幼馴染である 紫龍 威榴真 の 下駄箱に入っていたそれは、
いわゆるラブレターで 昼休みには体育館裏に呼び出され ショートカットの可愛い後輩に 告白されて教室に戻ってきた。
紫龍いるま
桃瀬らん
淡々とした口調で告げられた事実に 私はほっと胸を撫で下ろした。
だがすぐに心臓が暴れ出す。
何でもないような素振りを 見せる幼馴染の頬は これまでに見たことない程 赤く染まっていたのだ。
桃瀬らん
飲み込んだ言葉は放課後になっても 私の胸の辺りに漂っている。
ゲームや漫画、部活に夢中だから。
今まで恋バナなんて したことがなかったから。
そんな理由で勝手に 決めつけていただけなのだと 思い知らされた。
今回は断ったけれど次は分からない。
そう思った途端 私はもう逃げられないと観念した。
桃瀬らん
深呼吸をひとつして 私は威榴真の背中を見上げる。
下校時刻30分前という 中途半端な時間帯 下駄箱には自分たち2人しかいない。
威榴真と同じ映研の部員で 共通の幼馴染でもある 春緑 澄絺 に協力してもらい 1人で帰るように仕向けてもらった。
もっと正確に言えば
『いい加減焦ったいよ』
と、半ば強引に2人きりになるように セッティングされたのだけれど。
桃瀬らん
ギュッとワイシャツを握ると 驚くほど鼓動が速い。
スカートから覗く足も ガクガクと震えている。
桃瀬らん
ちらりと弱気な自分が顔を覗かせる。
なんとか踏み止まれたのは 幼馴染の照れた顔を 思い出したからだ。
恋愛で重要なのはタイミングだと 頭では分かっている。
躊躇っている間にすれ違ってしまう 2人を少女漫画でこれでもかと いうほど見てきた。
勇気1秒。 後悔は一生だ。
_桃瀬 蘭、只今より作戦を 実行します!