コンタミ
口から出た泡は登りそのまま消えてしまった 俺はコンタミ、人魚の稚魚だ 上半身が人間の下半身がイカという珍しい種類 な俺は人間によく狙われるため水面まで上がったら ダメだとキツく言いつけられている
コンタミ
コンタミ
コンタミ
下半身を広げ水を押し出す様に閉じると イルカにだって負けないほどのスピードで 海を移動した、俺は初めて陸を 見に行くことにしたのだ
コンタミ
辺りに誰も居ないのを確認してから体を出す 心地よい潮風が頬を撫で温かく包まれる
コンタミ
カサカサと木が揺れる音、キラキラと輝く水面 どこまでも広がる空と海は綺麗で 思わず歓声を零すほどだった、海底とは違う 暗くも冷たくも怖くもない
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コンタミ
後ろから聞こえた冷たく色のない声、 背筋を凍らすほどの禍々しい気配に強い圧迫感 思わず俺は逃げれず固まってしまった
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スッ…と気配が消えると体は自由を取り戻した 海に飛び込む、いつでも逃げれるようにしてから 俺は恐々振り返る
コンタミ
目を見開く、さらさらと揺れる爽やかな青の髪に 真珠の様に白く滑らかな肌、優しく細められた 深海の様な淡く恐ろしい蒼の瞳
コンタミ
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目の前までゆっくりと歩いてくると ふわっと目の前にしゃがんだ、後ろでは金髪で 少し怖い雰囲気の男がため息をつく
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コンタミ
挨拶を返すと嬉しそうに笑う ぎゅ~と胸が締めつけられる、俺は彼から 一度も目を離せなくなっていた
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コンタミ
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コンタミ
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コンタミ
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コンタミ
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コンタミ
足を海から出すと物珍しそうに観察する 人間じゃないなら大丈夫だろう
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コンタミ
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コンタミ
きょーさん
きょーさん
コンタミ
記憶を思い返すが自分が見た記憶は無かった 彼らに少しでも力になれるなら、他の仲間に聞いて 回っても良いかもな
コンタミ
きょーさん
コンタミ
コンタミ
らっだぁ
コンタミ
らっだぁ
きょーさん
指差された先には、海の向こう側へと 沈みかけている太陽が居た あれを目印に来たら会えるのか…
コンタミ
きょーさん
らっだぁ
コンタミ
らっだぁ
きょーさん
手を振ると森の中へ姿を消した また明日あの2人に会える、そう思うと 久しぶりに心が踊る
コンタミ
父さん
コンタミ
父さん
5本の足を器用に動かし最近よく見る 人間のゴミを集めていた 周りの人魚や海洋生物にモテモテだけど 実際は家族大好きな、500歳だ
父さん
父さん
コンタミ
父さん
コンタミ
父さん
コンタミ
コンタミ
父さん
俺の言葉を聞いた瞬間、父さんは洞穴から 出ていったいつも通りのお出迎えだ
コンタミ
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