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コンタミ

暇だ…

口から出た泡は登りそのまま消えてしまった 俺はコンタミ、人魚の稚魚だ 上半身が人間の下半身がイカという珍しい種類 な俺は人間によく狙われるため水面まで上がったら ダメだとキツく言いつけられている

コンタミ

怒られるよなぁ

コンタミ

でもなぁ〜?暇だしな〜?

コンタミ

…まぁ、なんとかなるでしょ!

下半身を広げ水を押し出す様に閉じると イルカにだって負けないほどのスピードで 海を移動した、俺は初めて陸を 見に行くことにしたのだ

コンタミ

ぷはっ…!

辺りに誰も居ないのを確認してから体を出す 心地よい潮風が頬を撫で温かく包まれる

コンタミ

おぉ…

カサカサと木が揺れる音、キラキラと輝く水面 どこまでも広がる空と海は綺麗で 思わず歓声を零すほどだった、海底とは違う 暗くも冷たくも怖くもない

????

ねぇ君って人魚?

コンタミ

は…?!

後ろから聞こえた冷たく色のない声、 背筋を凍らすほどの禍々しい気配に強い圧迫感 思わず俺は逃げれず固まってしまった

????

あれ?声聞こえてない?

????

そら急に話しかけられたら怖いやろが
まずはその気配を消したれ

????

はぁい

スッ…と気配が消えると体は自由を取り戻した 海に飛び込む、いつでも逃げれるようにしてから 俺は恐々振り返る

コンタミ

あ…

目を見開く、さらさらと揺れる爽やかな青の髪に 真珠の様に白く滑らかな肌、優しく細められた 深海の様な淡く恐ろしい蒼の瞳

コンタミ

きれい…

????

馬鹿!!近づくな襲われるかもやろ!?

????

大丈夫だって

目の前までゆっくりと歩いてくると ふわっと目の前にしゃがんだ、後ろでは金髪で 少し怖い雰囲気の男がため息をつく

????

こんにちは

コンタミ

こ、こんにちは…

挨拶を返すと嬉しそうに笑う ぎゅ~と胸が締めつけられる、俺は彼から 一度も目を離せなくなっていた

????

ここでなにやってたのぉ?

コンタミ

初めて海から出てきたんです

????

そうなんだ、どう?陸は

コンタミ

綺麗で温かいです

????

まぁここは人間が近づかんからな

コンタミ

人間は危ないって仲間が言ってました

????

そうだよ、まぁ俺達も無害とは
言い切れないけどねぇ

????

せやな

コンタミ

2人は人間じゃないでしょ?

????

うん、俺は青鬼

????

俺は天使の豚、お前は?

コンタミ

俺はイカの人魚だよ

足を海から出すと物珍しそうに観察する 人間じゃないなら大丈夫だろう

????

珍しいね

コンタミ

そう、だから陸に来たらダメなの

????

本当に気をつけてね?

コンタミ

分かった

きょーさん

そうや、聞きたいん事あんねん

きょーさん

ここらへんで人間見たことある?

コンタミ

ん〜…

記憶を思い返すが自分が見た記憶は無かった 彼らに少しでも力になれるなら、他の仲間に聞いて 回っても良いかもな

コンタミ

自分は見てないな

きょーさん

そうか

コンタミ

俺の仲間にも聞いてみようか?

コンタミ

定期的に陸に上がってる奴もいるし
何か知ってるかもだし

らっだぁ

お願いできる?
無理はしなくていいからね

コンタミ

うん!任せてよ!

らっだぁ

ありがとう

きょーさん

俺達は太陽が沈みかけた時に来るわ
それ以外は出たアカンで?

指差された先には、海の向こう側へと 沈みかけている太陽が居た あれを目印に来たら会えるのか…

コンタミ

分かった!

きょーさん

らっだぁ、そろそろ行くぞ

らっだぁ

うん

コンタミ

じゃあね、2人共

らっだぁ

うん、ばいば〜い

きょーさん

また明日な

手を振ると森の中へ姿を消した また明日あの2人に会える、そう思うと 久しぶりに心が踊る

コンタミ

父さ〜ん母さ〜ん!

父さん

ん?どうした、コンタミ

コンタミ

最近でさぁ、人間って縄張り来た?

父さん

う〜ん…

5本の足を器用に動かし最近よく見る 人間のゴミを集めていた 周りの人魚や海洋生物にモテモテだけど 実際は家族大好きな、500歳だ

父さん

そう言えば20年前から
人間が船を出す頻度を上げたな

父さん

だが、最近は見てはないな

コンタミ

そっかぁ

父さん

このゴミも人間が
投げ捨てている物だしな

コンタミ

前、瓶とか針金とかで魚が死んでたよ
サメも傷ついていたし

父さん

そうか…気をつけような

コンタミ

うん

コンタミ

あ、お母さんが帰ってきた!

父さん

お帰り〜!!

俺の言葉を聞いた瞬間、父さんは洞穴から 出ていったいつも通りのお出迎えだ

コンタミ

お帰りー!
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