アリス
ここに座っておけばいいのかな…?(部屋の真ん中に用意された椅子に座る)
少佐達は安全のために少し高い位置からアリスの様子を見ている
少佐
準備はできたかね?ドク、
ドク
もちろんです、
少佐
なぜこの実験を考えたんだい?
ドク
アリスの過去を見る限り…何かしらのワードが関係してあのようになったのかと考えまして…
少佐
そうかい、それはそうだな、確かに彼女は何かしらのワードが気になるみたいだからな、
ドク
えぇ、ですからこれから5つの音声を聞かせて反応するか試すのです、
少佐
なるほど、それは興味深い、
少佐は部屋の真ん中でヘッドホンをつけて静かに座っているアリスを見る、少佐の心の中はアリスへの興味しかなかった
少佐
では、開始してくれ、
ドク
はっ、(まずは一つ目の音声を聞かせる
アリス
…(無反応
ドク
駄目か…
少佐
そう簡単には反応しないだろう、
ドク
ですな、次を聞かせましょう、
そしてどんどんと聞かせていき無反応のまま5つ目になった
ドク
これで…最後です、
少佐
ふむ…少し違った可能性もあるな、
ドク
…それでは…(ボタンを押して最後のを聞かせる
アリス
ッ…(顔が歪む
少佐
ドク、これは当たりを引いたぞ、
ドク
少し様子が変わっていますね…
アリス
…だッ…
ドク
…?
アリス
嫌だッ…やめてッ…
アリスに聞こえているのは複数の人たちの『化物』という声が聞こえており息を荒くしながら何かを言っている
ドク
否定…している…?
アリス
お願いッ…やめてッ…(どんどんと呼吸が荒くなり涙が出始める)
少佐
…ドク、もう少し音量を上げろ、
ドク
よ…よろしいのですか…?
少佐
構わん、
ドク
…わかりました…(言われたとおりに音量を上げる
アリス
嫌だッ……!お願いッ…!やめてよッ…!
少佐
…来るぞ、(ニィッ
ドク
な…何がです…
アリス
嫌だッ…!嫌だッ…!
ドク
…!?
なぜかアリスの周りに綺麗なまるでガラスのように透明な紫色の蝶が出る
アリス
ッ…(一瞬真顔になる
ドク
真顔…?
アリス
う"ァァァァァァァァ!!!
急に叫ぶと周りの蝶が一斉に増えアリスを囲むように周りを飛ぶ
ドク
…!少佐殿!いけません…!早く止めなければ!!
少佐
ドク、君は一体何が見えているんだい?
ドク
何を言ってらっしゃるのですか!アリスの周りに何処からか来た蝶たちが…!!
少佐
アリスの周りには"蝶なんかいないぞ "?
ドク
は…?(そしてよく見てみる
そこには部屋の中で一人叫び続けるアリスの姿しか無かった
ドク
…!?なんだッ…とッ…!?
少佐
近いもので言えば…ゾーリン・ブリッツ中尉の幻に近いだろう、
ドク
ッ…!
アリス
ハァッ!ハァッ…!(過呼吸になりながら必死に耐えようとする)
少佐
素晴らしいじゃないか…!これが彼女が隠していた力であり才能であればとても素晴らしい…!そうだろう?ドク、(少し興奮気味)
ドク
えぇ…!!そうですともッ…!!あんな幼い体であのような力があるのならばとても素晴らしい逸材ですッ…!!
アリス
ハァッ…!ハァッ…!
その時、アリスがつけていたヘッドホンがなぜか勝手に壁に投げつけられるように外される
ドク
!?
少佐
やはり…か、(ニッ
ドク
や…やはりとは…?
少佐
彼女が、過保護にも程があるほどにアリスに懐いているのだよ、
ドク
まさかッ…あの蝶はッ…
ドク
…"リリイ"だというのですか…!?
少佐
その通りさ、
少佐
何かしらのことがあったときにアリスの体に取り憑いたのだろう、2つめの命として、
ドク
そんなことはありえませんッ…!もう一つの命が存在するということはあの吸血鬼以外ありえない…!!
少佐
それが起きているのだ、彼女に、アリスにだ、
ドク
アリスが…あの吸血鬼に近い存在ということなのですか…!?
少佐
その通りさ、ドク、
ドク
…!(驚愕のあまり空いた口が直らず興奮も止まない)
アリス
ッ…(気を失う)
ドク
気絶…!すぐに回収を…!
少佐
いや、これからもっと面白いものが見れるぞ、(ニィッ
少佐
聞こえるかい?リリイ、君がそこに、アリスの中にいる事はわかっているぞ、(マイクを使いアリスがいる部屋のスピーカーから話しかける)
アリス
リリイ(…チッ
アリスの髪色や目の色がが紫になリリイへと意識が変わる
アリス
リリイ(お前らに声もかけられたくなかった…
ドク
…!!髪色が…!(興奮を抑えながらもメモをする
少佐
調子はどうかね?
アリス
リリイ(黙れ!!!このクソ野郎共が!!
少佐
以前に比べてまた口が悪くなってしまったみたいだな、(少し笑いながら
アリス
リリイ(お前らは何をしたのかわかってんのか!!なんでこんなことをした!!アリスにとっては精神に関わる問題だぞ!!
少佐
実験さ、アリスが何のワードに対して反応するかのな、そしてそれと同時に君が中にいるのか試したかったからだ、
アリス
リリイ(チッ…!次にこんなことをしたらただでは済ませねぇぞ…!
少佐
そうかい、
アリス
リリイ(…
そしてアリスの髪色や目の色が戻り意識はアリスに返される
アリス
……ッ…?(目を覚ます
少佐
目を覚ましたかい?アリス、
アリス
は…はい…一応は…(少し怖がりながら
少佐
すまない…君にはとても不愉快なことをしてしまったようだ、
アリス
い、いえ!!とんでもありません、むしろ慣れなきゃいけないんです、当たり前になってくるでしょうから…
少佐
君は強い子だな、本当に大丈夫かね?
アリス
はい、大丈夫です、
少佐
なら、もう自分の部屋に戻ってもらって構わないぞ、実験は終わったからな、
アリス
わかりました、(部屋から出ていく
少佐
素晴らしいだろう?ドク、
ドク
えぇ…!!あのような逸材は初めてです…!やはり彼女は何かしら特別なのでしょう、他の者とは多く違うところがあります、(まとめた資料などを見ながら
少佐
それに、リリイという味方をつけているからな、彼女は本当にただの吸血鬼なのかすら怪しいな、
ドク
全く持ってその通りです、
少佐
さて…あとは任せたぞ、ドク、
ドク
はっ、