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ずっとずっと、会いたかった。
突然いなくなってしまった██に。
それだけだった。
それだけだったのに──
どうしてこんなことをしなくてはならないのだろう。
ある日、ポストに白い封筒が入っていた。
海翔
それは、俺と弟の来弥に宛てられたものだった。
封筒を開けてみると、中には一通の手紙が入っていた。
手紙と言うよりは招待状なんだろうか。
海翔
文章を読んで、俺の頭には、とある人物の顔が浮かんだ。
海翔
兄さん、冬本澪。
何年か前に行方不明になったまま、見つかっていない。
噂では神隠しに遭ったんだとか。
海翔
来弥
来弥が俺に声をかけた。
海翔
俺は一瞬言うかどうか迷った。
俺の両親は、兄さんのことをなんとも思っていない。
むしろ、兄さんのことを人間のゴミとして認識している。
だから、この招待状のことを来弥に話してしまったら両親に知られるのではないか、と。
すると、来弥は俺の手元を見て言った。
来弥
海翔
来弥
俺は言われるままに来弥に招待状を渡した。
来弥
来弥はしばらく考えた。
来弥
海翔
来弥
海翔
来弥
来弥
海翔
海翔
来弥
こうして俺たち2人は、招待状に書かれていたところに行くことに決めた。
ずっとずっと、あいつのことが嫌いだった。
でも、ひとりが寂しくなるといつも思う。
「妹って、どんな存在なんだろう」
私は、子供の頃から、「巫女になりたい」という夢を持つ妹を見てきた。
妹がそういう度に親は、妹が見ていないところで話し合ってたんだ。
母
父
母
父
芽彩
両親のその話し合いを聞く度に、私は、「未彩は馬鹿だ」という認識を持ち、未彩とは関わらないようにしていた。
だから、数年後に未彩が居なくなっても悲しまなかった。
むしろ、部屋で絵を描いたり、ゲームをしたりして楽しんでさえいた。
それなのに
芽彩
中を見ると、招待状のようなものが入っていた。
芽彩
神隠しにあったというのは噂で聞いた。
昔からそれなりに記憶力は良く、昔に聞いたことだが何となく覚えていた。
芽彩
私は考えた。
嫌いな妹のためにこんなところに行くべきなのかと。
でも…
芽彩
軽々しく決めた。
この後どうななるとも知らずに。
るいと
俺は、先程届いた封筒の中身を見て驚いていた。
るいと
遥花とは、俺の中学時代のクラスメイト。
中学1年の時に突然行方不明になった。
また、俺は当時「笑わない女」と虐められていた彼女のことが好きだった。
俺の周りで行方不明になったのは、遥花だけ。
だから、尚更なんで自分のところにこの招待状が来たのか、謎だった。
でも…
るいと
7年ほど経っても変わらなかったこの想いを報いたくて、俺は招待に乗ることにした。
俺の思っていた報いは、懺悔に変わることも知らずに。