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イエローアパタイト

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イエローアパタイト

3 - イエローアパタイト3

♥

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2023年01月09日

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桃〜!!

...なんだよ

何でそんなに冷たくするん!?

もっと優しくしてくれてもいいやん!

幼なじみの橙に いつものごとく話しかけられる。

はいはい...

......

桃ちゃん、なんかあったん?

なんもねえよ...

...今日の桃ちゃん、ほんまにおかしいで?

...なにがだよ

なんか、何やってても上の空って感じで

......

勘のいいやつめ。

一日中赤先輩のことが頭から離れず、 ぼーっとしてることに気づいてやがる

なんでもねえって...

いいや!なんかある!絶対!

はあ......

...先輩のこと、好きになった

...は?

それ、ガチ...?

俺が嘘つくかよ...

確かに...

ちなみにどんな人なん?

ワクワクした様子で聞いてくる橙。

俺は仕方なく赤先輩のことを話した。

綺麗な赤髪をしていること。

目はオッドアイですごく綺麗なこと。

いつも夕日を眺めていること。

その後ろ姿に一目惚れしたこと。

そんな話を、一通りした。

それで告白したいと...

まだそこまでは言ってないだろ

...でも

もし、本気で好きなら早めに伝えるべきやと思う

いついなくなるかなんて...わからないんやから

......

橙がここまで言う理由。

昔、橙には好きな人がいた。

紫ーくんっていうすごく優しくて、 包み込むような温かさを持つ男の子。

彼のことが好きだとわかっていた。

だけど、ずっと気持ちを 伝えることができていなかった。

気持ちに気づいてから一年経って、 橙はようやく気持ちを固めた。

 「明日絶対に告白する」と。

でも、その明日は来なかった。

紫ーくんは事故に遭って亡くなった。

橙が気持ちを伝える前に、 紫ーくんはいなくなってしまった。

橙は後悔した。

あの時伝えておけば。

昨日のうちに伝えておけば。

伝えるチャンスなんて いくらでもあったのに、その時 伝えなかった自分を悔やんだ。

きっと俺に同じ後悔をさせたくないと 思っているからこそ、 「早めに伝えた方がいいと思う」と 言ってくれているのだろう。

...考えておく

うん...

応援しとるで

屋上...行ってくる

俺は立ち上がり、屋上に向かった。

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