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sparkle

16 - 祭囃子のきこえる頃に

♥

420

2024年07月26日

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遠くから聞こえてくる

祭り笛に和太鼓

 

yanくん

焼きそば!

rn

わたあめ!

yanくん

じゃがバタ!

rn

かきごーり!

yanくん

やばっ!唐揚げ売ってる!

rn

いちご飴ないー…

雰囲気楽しむよりも空かせたお腹を満たすために… ふたりとも屋台しかみてませーん。

yanくん

るなっ!唐揚げ!

rn

るなはいちご飴を探してまーす…

ゆあんくんの目線の先には唐揚げ。 ほんっとに好きだなぁ…

私はお目当てのいちご飴を見つけたくて キョロキョロ。

言葉を待ってるのか、ゆあんくんが私の顔をジィッと見てきた。

rn

んー…

rn

お腹空いてるんでしょ?
買ってきていいよ

yanくん

ありがとっ!
じゃあおさきに

rn

どおぞ

屋台のおじさんにお金を渡して 唐揚げのカップをひとつ持って戻ってきた。

rn

次はるなの!ね?
いちご飴見つけたら教えて?ね!?
聞いてる?ゆあんくん

早く私も食べたいよ。 ゆあんくんの浴衣の袖を引っ張って いちご飴探しをお願いした。

唐揚げに夢中でるなのほうみないし。

yanくん

聞いてる、聞いてる…

ゆあんくんは一番上の唐揚げを爪楊枝で刺した。

yanくん

はいどーぞ

rn

いーの?ゆあんくん食べたいんじゃないの?

yanくん

いちご飴までの腹ごしらえしとこ。

yanくん

ほら、オレ食べちゃうよ?

rn

るなにください〜…

ウワーいい匂い…

rn

あー…

目の前に唐揚げがきて匂いが…! 思わず大きな口を開けてた。

rn

…!!
おいひー!

yanくん

でっかいひとくちだったねw

rn

むぐっ!

そういえばこれ一応デートだった!

何にも考えないでおっきな口開けちゃったよ。恥ずかしすぎる…

咄嗟に手で口を押さえた。

rn

おっきい口開けちゃった…恥ずかしい。

yanくん

今更隠しても遅いってww
うまっ!

rn

えぇ〜…
もっと女の子らしく食べればよかったぁ

yanくん

ヒナの餌やりみたいでかわいかったよ。

私ヒナどりってこと? …あんまフォローになってない気がする

rn

それが恥ずかし、あ

rn

みてーみてー

rn

しゃてき!

小さい頃を思い出してはしゃいでしまった。

rn

小さい時ね、じゃぱぱさんとシヴァさんがやってくれたんだけど

rn

並んでる商品ぜぇーんぶ落としてた笑

二人とも本気になっちゃって 屋台の人に怒られてたなぁ。

yanくん

本業だもんなw

rn

ゆあんくんるなとやらない?
勝負しよ?

yanくん

…ほんと?オレ一応それなりにおっきな組の若頭ですけど?

rn

いやいや、るなだってお兄ちゃんがそれなりにおっきな会のボスだもん…だからるな勝っちゃう

rn

かもしれない?

シヴァさんのやつなら見たことあるけど 実は握ったことすらない。

yanくん

自信無くしたのかww

rn

できるもん、おじさん!
射的やらせてください!

yanくん

オレもお願いします。

おじさんから銃を受け取ると

yanくん

スライサーはないのか…いかん癖で

ゆあんくんが銃の上の辺りを撫でた。

yanくん

スッ…

ゆあんくんがゆっくり構えて定める。 …なんというか、プロっぽいというか

射的のおじさん

お兄ちゃん構え方上手いなぁ

yanくん

あ、あはは…そうですかね

rn

(その世界の人だもんね…)

射的のおじさん

お姉さんも上手いなぁ

おじさんが私をみて感心してる… 私?まだ構えてないんだけど

射的のおじさん

いやもう惚れ惚れするくらい

おじさんの視線は私よりもっと向こう側 人がいたのかとやっと気づく。

綺麗に伸びる長い手 風に吹かれて長い髪がそよぐ。

rn

あれ!?

yanくん

あ!?

etちゃん

あれ!?るな?ゆあんくん!?

hrくん

あれ?

ゆあんくんとふたり横を向いたら 銃を構えるえとちゃんと、そばにヒロくんがいた。

rn

二人ともどうして…

yanくん

もしかしてオレの護衛?

ゆあんくんがヒロくんに尋ねた。 ヒロくんはバツの悪そうな顔をする。

hrくん

ごめんね、実はなおきりさんに頼まれた。
バレないように護衛しようと思ってたんだけど…

etちゃん

途中見失っちゃて、気晴らしに射的しよっかなーって思ったら

yanくん

いやいや探そうよオレをw

yanくん

(二人で遊んでこいってことだろうな…なおきりさんの気遣いだ)

rn

ねぇ!せっかくだからヒロくんも射的して!
…それでここに三人並んで?

ちょっとみてみたいみんなが浮かんで ゆあんくん、えとちゃん、ヒロくんで三人並んでもらう。

ヒロくんには私が持ってた射的を渡した。

rn

ちょっと3人とも構えてみてください〜

 

ガシャ

yanくん

ガシャ

etちゃん

はい!

ガシャ、チャ

hrくん

こう?

 

rn

わぁ…

3人とも並んで構える姿は なんかすっごいサマに…なりすぎてる

射的のおじさん

凄いな!みんな構えがもう

射的のおじさん

本物だなあ!

豪快に笑う射的のおじさんに みんな愛想笑いしかできてない。

yanくん

(ホンモノなんだなぁ)

etちゃん

(ホンモノなんだよね)

hrくん

(いやホンモノです…)

rn

よーしるなも

射的のおじさん

お嬢ちゃん、上下逆だよ

るなが構えたらおじさんにすかさず指摘された。恥ずかしすぎる。

etちゃん

ぎゃくてww

hrくん

ある意味すごいなww

yanくん

ぎゃく!?オレ逆に持つ人初めて見たぞ!?

rn

えぇーん泣

yanくん

勝負と仕掛けたるなはすごいよ…

ゆあんくんが向きを変えて私に持たせてくれた。

rn

とにかく!いっぱい落とした人がかちだよ!ようい!

二人の勝負から四人の勝負に変えて よーい、スタート! でみんな引き金を引いた。

 

rn

とれたー!

rn

るなもとれたー!くまちゃん!!

rn

奇跡っ!!

etちゃん

そこは

etちゃん

"るなてんさぁーい!"じゃないの?

rn

あ、るな天才。

etちゃん

あはははっww

射的の勝負は言うまでもなく… 商品すっからかんにしてしまい

るなが自力でとった くまさんのぬいぐるみだけ貰った。

yanくん

hrくん

ゆあんくん上手くなったね

yanくん

えっ

hrくん

るなさんが取れるように
クマのぬいぐるみ、うまーく

hrくん

コルク当ててたでしょ?

ヒロくんに言い当てられて ちょっと恥ずかしい。

yanくん

…あー

yanくん

るなが取りたそうにしていたから、お手伝いした。

hrくん

てっきりゆあんくんが撃ち落として
取ってあげるのかなって思ったけど

yanくん

それでもよかったけどね、るなが必死だからさ…自分で取れたらすっごく喜ぶんじゃないかなって

yanくん

るなの喜ぶ顔見たかったから。内緒にしておいて?

 

人差し指を唇に当てる、お願いね と付け足して。

ヒロくんが小さく笑った。

 

hrくん

…時間が経ったらえとさんとふたり、抜けようか?

hrくん

二人きりになりたいでしょう?

yanくん

いや、大丈夫。

yanくん

せっかくだし、みんなで回ろうよ。

ぬいぐるみをえとさんへ見せる るなを、微笑ましく見守る。

hrくん

いいの?俺らと一緒で不貞腐れると思ったのに…

yanくん

あのねー

yanくん

そんなコドモじゃないですって、オレは。

yanくん

楽しいじゃん、みんなでお祭り…

hrくん

ゆあんくん

yanくん

確かにオレたちは普通の世界にいないし、色々背負ってるけど…

yanくん

その前に普通の17歳だろ?

yanくん

…楽しいこといっぱいしたいな、もちろんこれからもって思ったんだ。

 

胸を張って

来年も再来年も みんなとお祭りに行けますように

 

yanくん

努力することたくさんあるけど、自分ならできるって

yanくん

最初はるなとただ毎日を過ごしていたいってのがきっかけだったけど

yanくん

友達も、こういった出会いも…過ごしたい日常も
全部大切にするために、頑張ろうと思ってる。

hrくん

…変わったね

hrくん

あんなに人との関わりや、賑やかな場所に行こうとしなかったのに。

 

そう、昔は

あまり人を信じるなと言われて 育ったためか

友達と仲良くしたって どこか信じられない自分がいたし

身を置く世界を考えたら 賑やかな場所に出ても危険なだけだと思っていた。

 

yanくん

たくさん青春したほうがいいよって、アドバイスもらったからさ。…そしたら

yanくん

思いの外めっちゃ楽しかったってことだよ。

hrくん

じゃあその気持ちが続くよう

hrくん

俺はお手伝いしますかね

yanくん

頼むよ?未来の組長補佐。

hrくん

務まるかなぁ…

yanくん

ヒロくんじゃなきゃ無理だな!オレの隣なんて!

hrくん

だと思うわぁ

yanくん

おいおい

etちゃん

ちょー!ゆあんくん!

etちゃん

るないちご飴みつけたって言って走っていっちゃったんだけど!

yanくん

あぁー!?しまった手ぇ繋いでないから!!追いかけるわ!

まだ微かに見える後ろ姿

yanくん

るなぁー!!
ひとりでいかなーい!!

yanくん

はやいな!んもー!

人混みをかき分けてとにかく走った。

 

etちゃん

若ってば

etちゃん

…変わったよね

hrくん

幸せそうな若頭、俺は好きだよ。

yanくん

るなーぁ

rn

…あっ

オレに気づいたるなは ててて…と歩いて寄ってきた。

手を差し出すと、ぎゅっと固く握った。

rn

ごめん、忘れてた…

yanくん

すぐどっかいく…にしてもここが出店の端みたいだね?

rn

『飴』ののれんが見えたから近くまで来たけど、あんず飴だったよ

しょんぼりとするるなの前には 水飴たっぷりのあんず飴やらりんご飴。

 

いちご飴なら

 

ここじゃなくて反対側の端のほうにあるよ?

dn

ね?おじょー。

rn

どぬくさん!

yanくん

どぬ!

神主の格好をしたどぬが 来た道の奥を指さし教えとくれた。

yanくん

そうか

yanくん

ここはどぬんちだったな

dn

今日はおれ、天龍会じゃなくて

dn

ここの神社の息子としてはたらいてまーす!

dn

今はみまわりなうー

rn

その割には両手にたくさん食べ物…

yanくん

確かにな

どぬの手にはたくさんの食べ物が 今も口んなかに入ってるみたいだし…

dn

お腹すくんだよー

dn

お嬢反対側にちゃんといちご飴あったよ、あとで買っておいで。

rn

どぬくさんありがとう!

rn

あっ金魚!

yanくん

忙しいなぁ

そばにある金魚の出店

るながしゃがみ込んで金魚をのぞいていた。 そのタイミングでどぬに耳打ちする。

yanくん

yanくん

ボソボソ(…今日交渉してんの?じゃぱぱたち)

今日"お狐さん"の日は 裏では本殿にて天龍会が交渉を行なっているとか。

dn

コソコソ(ウン、今幹部が集まって本殿にイルヨ…)

お狐さんがある数週間前から 天龍会へは立ち入り禁止となっていて

シヴァさんに手合わせしてもらおうとしたけど無理だった。

yanくん

(どこと交渉するんだろ…)

どぬが言う本殿に目を向ける。

お祭りの雰囲気とは全く違う 独特の雰囲気が本殿の周りに漂っていた…。

---本殿奥

しばさん

わかった、どぬありがとう

しばさん

ッフー…

mfくん

るなの安否確認?

しばさん

一応な、お狐さん楽しんでるらしいわ。

mfくん

ならよかったね。

 

本殿奥にある、『狐の間』まで続く回廊

 

微かに香る、香"こう"のかおり。

 

しばさん

しっかしこの匂い慣れねーなぁ、緊張するんだよ。これ嗅ぐと…

mfくん

白檀だね、ツンって鼻にくるなぁ。
持ってかれるわ。

 

昔から、我が天龍会が交渉に入る時

一種の担ぎ物として、香を焚くのだとか。小さい頃から父親に連れられ

この交渉に顔を出した。

…やっぱり苦手だな。

 

jpp

mfくん

じゃっぴ

mfくん

大丈夫?

jpp

あぁごめん

jpp

俺もこの匂い苦手なんだよね…

mfくん

大丈夫、上手くいくよ。

しばさん

俺は中には入れないけど、襖の向こうにはいる。

交渉が行われる"狐の間"には 少人数しか入れない決まりだ。

jpp

(なんとかのあさんの現状を救う

jpp

(わずかでいい、糸口が探れたら…)

桃虹会 保守派の元老ども のあさんを無理やり組長代理として仕立て上げ陥れたヤツら…

怒りが湧いてくる。 ダメだ、冷静にならなければ。

 

jpp

…ッ

しばさん

…殴るなよ

jpp

し、ないよ。そんなこと。

襖の前でシヴァさんから釘を刺された。 俺はいますごい顔してたんだな。

mfくん

じゃあ、いこう

 

jpp

 

襖が開き、目の前には初老の男性がふたり…うりからもらった資料でみた顔だ

 

さあ

 

jpp

遅れました、天龍会

jpp

七代目ボスの、じゃぱぱです---

 

やってやろうじゃないか。

 

 

ur

(本邸に戻るまで40分)

ur

(20分くらいなら)

ur

(お狐さんの雰囲気だけでも…)

ur

まだかな

浴衣を着て、なんて促してはみたが

時間がかかっている。 まぁ女の子なんてそんな物だよな。

 

今回はオレの独断だ。

バレたら最悪首がとぶ。

けど どうしても連れていってあげたい。

 

ur

(あんな切ない顔されてちゃなぁ…)

 

お待たせしました

 

うりさん

ur

…あ

naさん

ごめんなさい、支度手間取っちゃって

naさん

naさん

うりさん?

ur

ごめんなんでもない

ur

行こう、時間がなくなるから

 

言葉を失った

あまりにも綺麗で

 

白地に淡いピンクの小花模様 ゆるく編まれた前髪、唇には白い肌に映える桃色。

似合う以外の言葉がみつからない。

 

襟からみえる、違和感のない 薄い緑の合わせ襟

いつから用意していたんだろう。

 

君の気持ちが見て取れた。

ur

(恋する女の子だな)

ur

言っておくが時間はあんまりない。

ur

誘っておいて悪いけど…

暮れかけた深い青色

naさん

いいです

naさん

こうして浴衣を着て空気を感じることができたから

naさん

それでもう満足…

そのなかでも君は光ってるようにみえる。

彼女の歩幅に合わせてゆっくり歩いた。

きっと

このまま時間が止まればと思ってるのは

naさん

ねぇ、うりさん

俺だけだ

naさん

そろそろ教えてくれません?

naさん

どうして私の護衛をしてるのか

naさん

ううん

naさん

そもそもなんでこの世界にいるのか。

naさん

私が最後あなたにあったときは

naさん

普通の人だったでしょう。

ur

…のあさんが組長代理になった前後

ur

じゃぱぱやなおきりさん、

ur

たっつんにシヴァさん…もふくんまで

ur

忽然と姿を消した。

ur

卒業する一ヶ月前の話だ。

ur

のあさんもその頃学校行ってなかったよな?

naさん

…それどころではなくなって

ur

大好きなみんなが目の前から一気に消えた。

ur

LINEも電話も通じない…だから俺は

ur

数年かけてずっとみんなを探していたんだ。

naさん

ur

探しているうちに集まる"情報"が金になることを知った。

ur

売り買いしてるうちに天龍会に引っかかりじゃぱぱと接触できたんだ。

ur

会って開口一番にめちゃくちゃ怒られたけどな。

ur

…今俺はどこにも所属はしていない

ur

じゃぱぱから雇われてる
"情報屋"であり

ur

顔がバレていない分動けるとあいつを説き伏せて

ur

桃虹組へ潜り込んだ。
仕事は内部の情報収集および

ur

かき集めた情報をじゃぱぱに渡してる。
俺の役割は

 

ur

諜報員---スパイだよ。

 

この作品はいかがでしたか?

420

コメント

8

ユーザー

夏祭りですかー私は1番にポテトを食べます👍✨ なんかもう、、ほんとにストーリーが神すぎます😭✨ うりさんスパイ、!!続きも楽しみにしています!!

ユーザー

うわぁぁぁ………!!!!!ゆあるながお祭りはしゃいでる!!!かわいいっ!!!👍✨ うりりんまさかのスパイ!?前から無所属みたいな感じはあったけどまさかこうだったとは…続きが楽しみです!

ユーザー

やっと核心に触れるところまでこれました。週一でだせたらいいな、と考えています。よろしくお願いします🙇

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