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西巻瑞人(にしまきみずひと)は
ここ最近はずっと憂鬱だった
彼は高校三年生
夏のまぶしいこの陽光
夏休みがもうすぐ始まるのを
素直に喜ぶほど呑気ではなかった
多くの者がぶつかる受験の時期
彼もまたその波にのまれる者の一人だった
西巻 瑞人
西巻 瑞人
学校の教室で学力テストの結果が返される
良いとも悪いとも言えない点数
しかし、彼の志望校には届かない点数だった
「夏は多くの受験生が伸びる時期です」
「皆さんも頑張りましょう」
先生が言った言葉
そんな言葉を聞きながら
彼は次の授業の準備をした
夕焼けの下
歩きながらも
彼は思考を止めなかった
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
こんなことを考えて意味があるのかもわからずに
彼は家へと歩みを進めた
家で食卓を囲む
母親は最近、パートの仕事を始めて
父親はどこにでも居る会社員
裕福ではないが
貧しいわけでもない
母親
西巻 瑞人
母親
母親
母親
母親は封筒を差し出す
瑞人が受け取ると
封筒の中には二万円が入っていた
西巻 瑞人
母親
母親
西巻 瑞人
父親
父親が話に入ってくる
父親
父親
西巻 瑞人
西巻 瑞人
数日後
学校にて生徒と先生の二者面談があった
先生
西巻 瑞人
先生
西巻 瑞人
先生
先生
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
先生
先生
先生
先生
西巻 瑞人
自分が駄目なのも
まだまだなのもわかっている
教師の言葉は正しいが
正しい言葉は時として人の心をえぐる
瑞人はそれを知っているからこそ
その言葉をより重く感じた
面談を終えて、教室に戻れば
面談の順番を待っている友人がいた
友人
西巻 瑞人
友人
西巻 瑞人
友人
友人
友人
西巻 瑞人
友人
友人
西巻 瑞人
個人面談の関係で
授業が早く終わったことで
瑞人は昼間の道を帰っていた
多くの人が彼に色々な形の声援を送る
でも、彼は
西巻 瑞人
彼はどうしたら良いのかわからなかった
ただの試験で今後の運命が決まる
人生が変わる
そんな実感はまるでなく
周りの意見を参考にしただけで
自分自身の情熱があるのか
彼には自身の事なのにわかっていなかった
西巻 瑞人
西巻 瑞人
タッタッタ
西巻 瑞人
瑞人は近くの路地を見た
幅が狭くて
薄暗い路地
野良猫でも居そうなその路地
彼の目線はその路地に釘付けになった
まるで、何かに呼ばれるかのように
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
適当な良いわけを自分につけて
瑞人は歩き出した
西巻 瑞人
路地を進む
路地ならではの薄気味悪さが
この年頃だと好奇心の種になるようだ
西巻 瑞人
ガッ
西巻 瑞人
足先が何かにぶつかったようだ
それは
人の足だった
西巻 瑞人
人の足を目で伝い
その先を見ていると
それは一人の倒れた男
コートにサングラス
耳にはイヤリングがきらめいていた
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
瑞人が声をかけても反応しない
外はかなりの暑さだ
もしかしたら、熱中症かもしれない
瑞人はスマホを取り出して
119番をした
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
瑞人は男の方を見た
男の近くには1つのトランクがあった
西巻 瑞人
瑞人が少しためらいながら
トランクに手を伸ばすと
西巻 瑞人
西巻 瑞人
西巻 瑞人
瑞人の叫びで男が飛び起きる
それを見て、更に瑞人は驚いて
西巻 瑞人
西巻 瑞人
ペドラー
やかましい
スピネル
続く