主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 年齢操作注意⚠️ 兄弟パロ注意⚠️ 関東組虐められ注意⚠️
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第17話 濡れた傷と小さな灯火
夕暮れ。
家の戸を開けた瞬間、冷たい空気と共に、重苦しい沈黙が落ちてきた。
らんの背中に、ぴたりと二つの視線が突き刺さる。
なつとすちだ。
兄の顔を見るなり、二人はすぐに気づいた。
袖口から覗くわずかな赤、乱れた呼吸、そして強張った笑み。
すち
先に声を出したのはすちだった。
涙が滲んだ瞳で、震える指先をらんの腕へ伸ばす。
らん
らんはそれをそっと避けて、わざと明るく笑った。
らん
らん
その言葉に、なつの顔が歪んだ。
なつ
なつ
なつの声は震えていた。
強がりで泣き虫な弟は、今にも涙を溢れさせそうに兄を睨む。
すち
すちも掠れた声で続ける。
すち
二人の小さな拳が震えている。
その姿が、らんの胸を強く締めつけた。
守らなきゃいけないのは、俺の方なのに……
らん
らん
らんは二人の頭を優しく撫でた。
らん
問いかけられた二人は、同時に顔を見合わせて、ぎこちなく笑う。
すち
なつ
それを聞いたらんは、ようやく息をついた。
弟たちが傷つけられていないことが、何よりの救いだった。
こさめ
居間から声が飛んできた。
こさめだ。
後ろにはみことの姿も見える。
みこと
みこともにこりと笑い、なつとすちの肩に手を置いた。
その笑顔に、弟たちの目からついに涙が零れた。
すち
小さな声が、静かな部屋に滲んだ。
その夜。
らんは浴室に一人立っていた。
湯気の中、脱いだ制服の袖に残る赤黒い染みが目に刺さる。
鏡の前で、ゆっくりと袖を捲る。
昼間、屋上で刻まれた新しい傷口が、まだ赤く浮かんでいた。
らん
湯に足を沈めた瞬間、傷口に熱が入り込み、思わず顔を顰めた。
手当てを受けたとはいえ、水は容赦なく沁みてくる。
痛みと共に、昼間の光景が脳裏に蘇る。
刃の冷たさ。
笑う声。
そして――駆けつけてくれた、いるまの姿。
らん
呟いた途端、胸の奥が熱くなった。
怒りを燃やしながら、自分を庇ってくれた瞳。
「頼れ」と言ってくれた声。
心の中で助けを叫んだら、本当に現れてくれた奇跡のような存在。
その光景を思い出すたび、心臓が強く打つ。
温かさと同時に、どうしようもない切なさが込み上げた。
らん
小さく苦笑が漏れる。
らん
らん
冗談めかして口にしてみても、胸の奥に残る熱は消えなかった。
けれどその熱が、不思議と痛みを和らげている気がする。
冷たい風の吹く屋上で感じた孤独は、今はもう、完全な闇ではなかった。
暗闇の中に、小さな灯火がひとつ灯った。
それが消えない限り、自分はまだ歩ける。
そう思えた。
湯に浸かりながら、らんはそっと目を閉じた。
静かな夜に、心臓の鼓動だけが優しく響いていた。
第17話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡180
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コメント
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まじで感動しました✨️てかいつも思ってたんですけど、物語書くの上手すぎませんか!?尊敬します✨️続き楽しみにしてます!

らんらんこれからもっと学校でひどいことされそうでこわいwwでもいじめ系すきです!(?)